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林業編Vol.12~荷掛け作業〜

「荷掛け」という作業があります。

「玉掛け」と言ったり、
「くくり」と言ったりもします。

〈玉掛けとは〉

荷物を吊り上げる際に、
その荷物にワイヤーをくくり、
フック等に接続する作業。

だそうです。

単純な作業ですが、
「玉掛け技能講習修了証」という
作業資格が必要になります。

座学と実技を受け、一応テストもあります。


荷の状態に応じたワイヤーのかけ方

荷の重心の見極め

荷の重量の目測

など、力学的な内容が中心です。

〈林業での玉掛け〉

集材をする際に
倒した木にワイヤーをくくる作業です。

人力での作業になります。

木を切り倒した山の斜面は
非常に歩きづらいです。
その斜面を上下左右歩き回らないといけません。

すねを何度も打ちます。

踏み込んだ先が落ち込んでいて
足がずぼっとはまることもあります。

足を滑らせて転倒したとき
お尻や太ももに木が刺さることもあります。
(今のところ擦り傷程度で済んでますが)

前向けに倒れた先にそんなのがあったら、
と考えると恐怖です。

荷を引き上げているとき、
落石などもあったりします。

しんどくても必ず十分な距離をとって
退避することが重要です。

不思議なことに
落石から走って逃げたとしても
石は追いかけてきます。

人が移動しやすい道は
石が転がってくる道でもあるそうです。

立木の裏などに
隠れることができれば
直撃は避けられます。

〈変えていかなければならない
        作業種のひとつ〉

人力で危険が伴う作業です。

また、荷掛けを行う人にだけ
身体的負担が非常にかかります。

あとの人は機械で引っ張り上げるだけなので。

「新人の登竜門」的な扱いをしているところが
結構あるのではないでしょうか。

たしかに、集材を覚えることで
集材しやすい伐木の方法を覚える
ことができます。

斜面を歩くのも速くなります。

「しんどい作業だから」の
理由で偏った役割分担にならないような
配慮が必要だと考えています。

持っている技術の差はあれど、
練習すれば大概のことは
できるようになります。

しんどい作業だけを担当し続けて
他の作業を覚える暇がなければ
後々困ります。

一般職よりも
そういった偏りがまだまだ多いのが
林業の特徴でもあります。

新規の労働者が増えない要因のひとつ
でもあると思います。

解決する方法はいくらでもあるはずですが、
やろうとするところが少ないだけです。

やろうとしているところは人手不足に
あまり陥ってません。

今回は、ここまでとします。

まだまだ私も荷掛け作業が続きます。

安全作業で頑張ります。

それでは、ありがとうございました。

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