見出し画像

NovelJam参加に向けて、編集者が最低限用意しておいたほうがいいと思う校正ツールについて

さて、もう来週にはNovelJam'2019がはじまります。参加する皆さんはもうすでに準備が進んでいると思います。ボクも文芸書ではありませんが、20年近く編集者をやっている身。なにか役立つ情報を出せないかなと思ったのですが、いかんせんボクも過去のイベントでは賞を逃している人間なので、あまり偉そうなことは言えず・・・・・・(詳細はこちら)。

なので、とりあえず今回はじめて参加、かつ今まで編集などやったことがない人のために、ボクは普段校正などはこんな校正ツールを使っていますよ、というのを紹介します。

文賢

画像1

文字の校閲や文章の表現など、いろいろチェックしてくれるツール。有料ですがドンドンバージョンアップしていくので、使い勝手はいい。とりあえず最初に編集が終わったら、まずはここに流すことにしています。

Enno

画像2

文字のエラーやタイポを探してくれるツール。文賢を通した後に、これを通せば、まあほとんどのミスは弾かれます(すべてではない)。データベースやログに保存はされないものの、許可や同意を得てない文章には使えないので注意。

ATOKクラウドチェッカー

画像3

ダメ押しに使うツール。上記で見逃してしまったものも、たいていここで見つかります。あと、表記揺れもチェックできるので、文字を開く開かないなど揺れているときは便利。ATOKを使っている人なら無料で使えるはずなので、ぜひ使ってみてください。
ちなみに、文章を書く仕事をしているのなら、MS-IMEとかGoogle日本語入力とかよりも、断然ATOKをオススメします。

***

その他にも、ボクが普段使っている参考書なども下に記しておきます。

共同通信社 記者ハンドブック

言葉としてどの表現が適切か、文字を開くか開かないか、同音異義語の間違いはないか、差別用語などを使っていないかなどを調べるのには便利。もし金銭に余裕があってATOKを使っているなら、「共同通信社 記者ハンドブック辞書 第13版 for ATOK」を入れておくととても便利です。

毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術

毎日新聞で校閲をしている人が書いた本なので、どんなところで間違えやすいか、普段の文章からどんなミスが出てくるのかがとてもわかりやすく書いてあります。普段から読んでおいて損はない本。

***

ひとつ注意が必要なのは、当り前だけどこれですべての校正が完璧ということはありません。言葉は日々進化していますし、コンピューターで気づく部分はたいてい目視でも気づくことが多い。むしろコンピューターで気づかない部分にこそ、落とし穴的な間違いがあります。そこの気づけるかどうかも編集者の腕の見せどころだと思うし、ましてやこのイベントは初対面が集まるイベント。いち早く作者のクセを見抜いて、その人の間違えやすい場所を見つけておきましょう。

ちなみに前回やった「大西寿男さんによる校正セミナー」は、NovelJam参加者だけでなく、一般の編集者・校閲者でも参考になるのでぜひ見てみてください(画質が悪いのはご容赦ください)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?