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ショウリョウバッタは幸せの宇宙を飛ぶ

詩「ショウリョウバッタは幸せの宇宙を飛ぶ」

トーン ヒュー ドーンドーン

花火の音は 運動会の朝


僕は憂鬱な気持ちで 雑草交じりの

校庭の芝に寝転ぶと 細長い顔と体のバッタが 

秋の空たかく 飛び交っていた


僕は その細長くて 大きなバッタの背に飛び乗った

バッタは僕をのせて 空たかく どこまでも飛び上がっていった・・・


そのころテレビでは 日本の学校の校長が 

運動会は 人とも自分とも 競争だと言っていた  

子ども同士を戦わせて 自らを高めるものだと

胸を張って 誇らしげに言っていた


しかし それを聴いていた 外国人の校長は 

哀しそうな顔になって言った 

こどもたち同士を 競争させて戦わせる?

では 負けた子は 運動が嫌いになりませんかと

運動は 好きになって 楽しくやるものではと言っていた・・・


外国では 髪型を強制させられたり 

行進をさせられるのは 軍隊だけなんだよね・・・


僕を背に乗せ 空高く飛び上がったバッタは 月まで飛んだ 

そこでもう一度 大きな後ろ足を使って 月の表面を蹴ると

すると バッタは 天の川を越え 

その先のブラックホールも飛び越えて 宇宙の果てまで飛んでいった・・・


宇宙の果てに たどり着いて見たのは 

さらに その先に果てしなく 広がり続けている宇宙だった・・・ 


僕は考えた 日本人は 子供のころから 

幸せの種ではなく 競争や戦いの種を 植えられていたのだと・・・


だから 日本人は 生きることを 幸せと感じられないのだと

生きている限り 競争で 戦わねばならないからだと・・・

 

でも その理由が分かって居るなら 変えれば良いじゃないか 

だって この広い宇宙に生まれて 競争や戦う事を教えられるよりも

人を愛し 好きになり 楽しく 幸せに生きられたほうが

良いに 決まっている・・・

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パーン スタートの号砲がなった

僕は 思い切り走った つもりだったが

途中で 転んでしまった

だけど 転ばなくても 

結果は 6人中の6番だったと思う・・・


でも 僕のまわりの 誰ひとりとして 

僕が少し前に バッタの背に乗って 宇宙の果てまで

旅してきたことは 知らなかった・・・


転んだ僕は 校庭の土の上に 這いつくばって

痛みに歪む顏を上げて 泣きそうになりながら空を見た・・・


青空を バッタが羽を広げて 飛んでいた

バッタは 僕の顔を見ると 片目をつぶって

僕たちは 友達だよと

ウインクしてくれたように 見えた・・・


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ショウリョウバッタは幸せの宇宙を飛ぶ

詩「ショウリョウバッタは幸せの宇宙を飛ぶ」

終り

コメント 2020-07-15 154257

2020.10.5









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