結婚・再婚がらみの配偶者ビザ申請において最も不許可率を高めているポイントを書きます

みなさん こんばんは! オミクロン全盛で、早くも1月も末に近づきましたが、今月も以前から担当している経営管理ビザの更新申請や永住申請など変わらずビザ申請業務に励む日々です。

今日は、久しぶりに結婚・婚姻がらみのビザ=日本人の配偶者等ビザ、永住者の配偶者等ビザ、定住者ビザ。についてです。

Noteでの記事ですが、今回は無料公開としました。

申請する側(申請人の側)と審査する側(入管の審査官の側)のギャップが不許可の主な原因になることが多いのは、ビザの種類を問わずによくあることなのですが、

結婚・婚姻がらみのビザ=日本人の配偶者等ビザ、永住者の配偶者等ビザ、定住者ビザ,家族滞在ビザにおいて、よくある認識のギャップ(申請人側と審査官側の認識のギャップ=根本的な不許可の原因)について書いてみます。

特に、以下のような場合には(つまり何らかの「難あり」の案件の場合には)、これから書くことは特によくあてはまります(認識のギャップで不許可になる場合が多い)ので、何回も読んで自分の場合はどうなのかよ~くチェックしてください。

・難民申請中で特定活動ビザの方が(難民申請3回目でアウトが近い等の事情から)結婚して配偶者ビザに変更申請する場合。

・オーバーステイや不法入国や犯罪等で退去強制手続きに入って、急いで結婚して(駆け込み婚をして)ビザを取ろうとしている場合(在留特別許可の申請等)。

・過去に何らかの素行不良や問題点がある方(オーバーワークや別居や再婚や犯罪等)が結婚して配偶者ビザに変更したり、認定申請で呼び寄せする場合。

・国際結婚のカップルの経済基盤が弱い(年収が少ない等)、婚姻の信ぴょう性に問題あり(離婚歴がある、出会いから交際や結婚に至る経緯が不明か説明が少ない)。

・結婚する時点のビザ(結婚ビザに変更する前のビザ=難民申請の特定活動ビザや留学ビザや就労ビザや前の結婚の結婚ビザ等いろいろあります)の活動内容に問題がある(オーバーワークや別居や素行不良や資格外の活動をしていた等いろいろあります)。

これらの事情があてはまる配偶者ビザの申請においては、基本的には、審査官の側からすると「つっこみどころがたくさんある」案件だなという認識のもとで審査が開始されます。

つまり、申請人の側で説明すべき事項ポイントがたくさん存在し、例えば審査ポイントが10個あれば10個すべて説明が必要なのですが、2~3個程度しか説明できていないと、審査官は「説明不足だな」と判断せざる得ず、不許可にしてしまいます。

しかし、対する結婚するカップルの側は自分たちのハッピーな状況で回りが見えていない場合や見えていても「どこを どれくらい どのように」説明すればよいのかわからない、またはとにかく危機的な状況で余裕がない場合などの事情で、うまく(文章で)説明できないわけです。

このような認識のギャップが不許可につながっているケースは非常によく見ることがあります。

大変厳しいようですが、審査官の目線から見た場合には、結婚ビザの申請においては、申請人の側が「結婚すればビザは取れるもの(取れて当たり前)」と考えていることが分かってしまうような申請内容で提出することは、もっとも避けるべきなのです。

審査官の裏の本音は「ビザは不許可が大前提(不許可にできないものが許可になる)」というものです。

この点はいろいろな事情からいっさい公にはされてませんが、内部の研修ではそのような審査方針の教育が徹底されており、それが入管内部のリアルな審査実務上のスタンダードになっています。

申請人と審査官のこのような認識のギャップを回避して、許可を狙うには、審査官であれば、自分たちの案件について、どのように考えるのかシュミレーションする必要があります

問題点が何個あり、それぞれの1個づつについて、「どこを どれくらい どのように」説明すればよいのかを正確につかみ、それをすべて文章で的確に表現して、文章内容を立証する資料も添付する必要があります。

ですが、問題点をもれなくひろい集めるだけでも、一般方や不慣れな専門家には困難を極めます(困難案件になればなるほど困難になります)。それを文章で的確に説明して立証するとなるともっと大変です。

そうした案件こそ、ビザ申請を専門にやっていて、しかも困難案件や不許可案件において多くの許可を取ってきた経験のある専門家でなければ手に負えない案件といえます。

自分自身、困難案件や不許可案件の許可を多くてがけ(半ば困難案件・不許可案件の専門になりつつあります)許可を取ってきた経験があるため、上記のような申請人と審査官の認識のギャップの大きさを感じることが日々多くありましたので、この点について書いてみました。

身もふたもなく、厳しい現実ありのままの内容で恐縮ですが、これがリアルなビザ申請の姿になりますので、お伝えしておきます。

みなさんのお役に立てれば幸いです。

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 ソフィア国際法務事務所 行政書士 横田あずま

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