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生口島 


生口島
何年振りかわからないけれど再び訪れた。

幼少期の頃に遊びに行った記憶が
薄っすら残る叔母の家に
いい歳になって訪れたのが既にもう10年以上も前。
その時、叔母の住む街から程近くの港へ行き
ここから島に行ってみようと連れられて
船に揺られてたどり着いたのが生口島だった。


居住県内とは言え知らない場所が沢山あるもんだと
そんな田舎の小さな島に、それ程期待もせず
船に揺られて行ったプチ旅行は心地良かった。
瀬戸内の海を通り抜けた橋や島がとても綺麗だった。

この夏その叔母が亡くなり法事で再び家を訪れた。
私を含め周囲を取り巻く年齢層も上がり
もう、この周辺に訪れることもないだろうと。
法事を終えて叔母との思い出でもある生口島に
立ち寄ってみることにした。

以前の、近場の港は無くなっており
従兄弟に車でしまなみ海道を渡って行く方がいいと勧められ
ドライブがてら陸路で生口島に向かった。

瀬戸大橋の途中のドライブインから

耕三寺博物館

ナビもあってスムーズに耕三寺に到着。
以前は船から降りて歩いて散策しながら
こちらに到着した記憶。

以前の耕三寺は有料ではなく、誰でも通りすがりで
お参りできた様に思っていたが
今は有料の耕三寺博物館という立派な敷地に区切られていた。

立派な入り口
こんなに派手な門だったけ


潮聲山
耕三寺という表記ではなく
母親の隠居邸宅 潮聲閣(ちょうせいかく)にもちなむ様子


まずは敷地内の手水
博物館だけあって美しいバランス

飲む人がいるのね ^^ 
自己責任で飲ませてあげて
注意書きはないほうが美しい


五重塔
大慈母塔


大阪で鋼管の製造会社を営んでいた技術者で実業家の、耕三寺耕三が
母親の死後、母への報恩感謝の意を込めて、自ら僧籍に入り菩提寺として生涯を掛けて建立したお寺。世の中のすべてのお母様にありがとうと心から手を合わせる「母の寺」として親しまれる。耕三和上の俳句
「世の母はみな観世音花の春」を現出したごとく晴れやかな母の浄土と言える。

伽藍配置は、上・中・下3段からなる境内内を南北に厳密な左右対称をとっており、全国にも例のない「耕三寺式伽藍配置」として高い評価を得、堂塔の内の15棟は「国登録有形文化財」の指定を受けている。
我が国を代表する古建築を手本としながらも、建物の実用性、機能性を重要視し大胆かつ独創的な改造、改良を加えた耕三和上の、類希な感性とその手腕が今に実証されたものと言える。

親は子を養育する慈悲心があるから養育するので、義務で育てているのでは無い。どこまでも親の慈悲心という広大無辺なものを考えて、それをご恩として報恩せねばならない。」「寺をほめて下さるのも悪い気持ちはしないが、お母さんを仏様のようにほめ讃えてもらいたいのが、拝観者に対する、永い年月における私の念願である。」
耕三寺耕三

https://www.kousanji.or.jp/temple.html

前回はなんとなく見て回っただけだった
耕三寺耕三さんは、現実的な経営者・技術者でありながら
精神性も極めその想いが具現化した場所みたいだ。

孝養門

孝養門
西の日光
そう呼ばれるだけの細かい細工
目移りする

以前はもっと建物の老朽化を感じる色合いだったような
今は博物館になっただけのことはあるか
華やかな塗りになって
見栄えが良くなっている気がす。

この建物が西の日光東照宮と言われているらしく
この小さな島に立派なものがあるものだと驚いた。
以前もここで、本物の東照宮を見に行ってみたい
と思っていたがなかなかの遠方で機会もなく日々が過ぎた。
そのうち日光東照宮の修繕が始まり、終わっってから
訪れられたらと思いつつも、早5〜6年は経つ。
何やらタイミングよく、近々それが叶いそうだ。


日光東照宮でいうところの陽明門かな
門は通れず脇の小さな通路をくぐる
振り返ると中国様式風に見える
本堂
本堂周辺の水域は睡蓮の鉢が巡る
その時期は極楽浄土のような美しい景色になるのかな


門のデザインが素敵
ちょっとだけ塗ってあげたい


陽射しに朱色がマッチ




重要文化財 釈迦如来坐像 藤原時代

本堂の右手から千佛洞という地下洞窟へ入る入り口がある
洞窟内は地獄絵が道なりに飾られ
地獄を通り抜ける世界観が表現されている
洞窟内は鍾乳洞風で滝が流れていたり
地下に潜ると寺の地下とは思えない
出口は本堂の左手に設けられ
どうやら本堂の真下が洞窟構造のトンネルであり
ちょっとした怖めの黄泉の世界体験が出来る。

今回はやめておこうと思ったのに入ってしまった。
不思議なこの敷地の構造は鋼管の製造会社を営んでいた
技術者で実業家ならではの建造物だとわかると面白い場所だ。
千佛洞の地下から出るとすぐ目に前に現れるのが巨大な観音像。



救世観音大尊像

奈良法隆寺の秘仏救世観音をお手本
とにかく見上げるしかない大きさ
多宝塔
我が国最古の近江石山寺の塔が原本



未来心の丘

観音像の側から未来心の丘に向かう

未来心の丘

少し高台になっておりエレベーターまで設置あり

芸術活動の一環としての「未来心の丘(みらいしんのおか)」は、広さ5,000平方メートルにもおよぶ白い大理石の庭園で、世界を舞台に活躍されている彫刻家  杭谷一東(くえたにいっとう) 氏にその制作を依頼
ここに使用されている大理石のすべては氏のアトリエ(仕事場)があるイタリア・カッラーラで採掘し、コンテナ船で運んできています。

https://www.kousanji.or.jp/hill_of_hope.html
天猫
猫が挟まっているけど太陽光で全然見えない
不思議な空模様
未来からの炎
ニ鬼の庭
毘沙門天由来の鬼だそうあまのじゃくはいないかだって


どうした寝そべって?


白獅子の塔
光明の塔
熊本の押戸石の丘みたい
島の畑も綺麗な並びに



再び耕三寺を経由して出口へ
目の前に黄色がシンボルのポストも


耕三寺博物館

耕三寺別館
金鋼観

耕三寺境内の法宝蔵と僧宝蔵と共に美術品を展示
庭には彫刻
派手な鳳凰
仏様がいる小さな箱
母が題材の絵
宝冠阿弥陀如来坐像 
快慶作
重要文化財


折角なので別館も見納めて耕三寺博物館を見終えた。




この度は時間もなく拝観しなかったが以前は
耕三寺のすぐ側にある平山郁夫美術館も訪れた。

平山郁夫はこの生口島出身の画家で、そのおかげで
広島では美術館や大きな施設で見かけやすい絵画だ。
有名なシルクロードの題材や少し宗教的なイメージもあり
あまり興味がなかったが、美術館で沢山の作品を眺めると
とても綺麗だった。平山郁夫画伯の絵の見方が変わった。
どこかで絵を見ることが
あればじっくり鑑賞しようと思う。
なかなか訪れにくい場所だが、訪れることがあればぜひ。

https://hirayama-museum.or.jp/hirayama.html


八ヶ岳にもあるらしい




しまなみ街道 瀬戸田の海



シトラスパーク瀬戸田

空が映り込むシトラス
シトラスパークからの眺め
景色を眺めながらシトラス味のアイスを食す


来る途中からナビの通信が思わしくなかったが
帰りには全く使えなくなってしまった。
複雑な島ではないので何とかなると思いつつ
少しドギマギしながらシトラスパークに寄り道してみたら
美しい景色と美味しいアイスに遭遇し
帰り道情報も案内してもらえた
無事しまなみ海道に戻ることが出来た。

寄り道しなかったら
全く反対方向の四国に向かい
ナビなしの遠回りな帰路になるところだった。


ナビでどこにでも行ける安心感と引き換えに
通信障害が途方に暮れることもある現代
こうした時こそ、自分の感覚のナビが作動する
結局、何とかなる。

叔母のおかげ思い出の生口島また来れて良かった。


instagram sophi3ko

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