運送業に関係する法令
運送未経験の人から受けた法人設立相談
先日、これから運送会社を立ち上げようとしている人から相談を受けた。
彼はこれまで運送業界に関わってこなかった人なので、まったくのイチからの運送事業への挑戦だ。さらに彼は現在サラリーマンなので、産まれて初めて法人を立ち上げることになる。
まず押さえておきたいこと
となったときに、やはり一番最初に押さえておかなければならないのは、事業に関係する法令だろう。
なお、彼にとって「一般貨物運送事業」の認可を取得することは非常にハードルが高いので「貨物軽自動車運送事業者」の届けを所轄の陸運局に出して、軽自動車による運送事業を行うことを前提とする。(なぜ一般貨物運送事業の認可を取得することのハードルが高いのか、の解説は別の機会に譲ろうと思う)
運輸事業と運送行為
前提として、運輸事業は「航空輸送」「海上輸送」「倉庫・運輸関連」「陸上輸送」の4つに分かれており、この人のやりたいことは「陸上輸送」となる。そして「陸上輸送」は「鉄道輸送」と「自動車輸送」に分かれ、さらに「自動車輸送」は「旅客運送事業(ヒトを運ぶ)」と「貨物運送事業(モノを運ぶ)」に分岐する。
そして「貨物運送事業」は「一般貨物運送事業」と「貨物軽自動車運送事業」に分かれ、彼はその「貨物軽自動車運送事業者」として貨物運送行為を行う届けを国土交通省(正確には所轄エリアの陸運局)に出さなければならない。
なお、ここで言う「貨物運送行為」とは、「他人の需要に応じて(有償で)自動車を使って物品を運ぶ」行為のことを指す。
貨物運送事業法
さて、この「貨物運送行為」を行うにあたり、陸運局に届けを出すと共に、国土交通省が定める「貨物運送事業法」に即した運営を行わなければならない。そこを押さえてなければ、彼は彼自身も知らないうちに法令違反を犯し、処罰を受けてしまう可能性がある。
なお、貨物運送事業法は、以下のURLより閲覧することができるが、今回は「貨物軽自動車運送事業」のみを行う予定なので、関係するのは第一章の第一条(目的)と、第二条 (定義), 第二条の2, 4, 5, 第三十六条、第三十九条、第七十六条などとなる。
その他に押さえておかなければならない法令
ただし、貨物運送事業法だけを押さえていれば良いわけではない。
彼はこれから法人を設立する予定なので、以下の法令も押さえておかなければならない。
・会社法
・税法
・労働基準法
・下請法(下請けの会社や個人事業主へ業務を委託する想定ならば…)
・道路交通法(公道を使用する事業を行うことになるので…)
まずは関係する法令を確認すべき
どんな事業もそれぞれの所轄省庁の管轄下にあり、それそれ関連する法令が定められている。
運送事業に限らず、どんな事業を始める場合であっても、まずは事前に関係する法令を押さえることから始めるべきである。
あとがき
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