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フェルミ推定(日本マクドナルド社が店舗配送に使っているトラックの台数)

※最初に

これは、ボク「科学的に考える人」が、会社の社長および経営層の方々が日頃不安に思っていることを言語化し解説するコラムです。
ビジネスに関係しない方にはあまり興味がない内容と思いますので、あらかじめご了承いただけると幸いです。

このコラムは、割と高めの熱量で書いていることから、長文になっているものと思われますのでご注意ください。また主観的な内容も多いので「コイツはこんなことを考えているんだなあ…」という程度に思って、軽く読んでいただけると助かります。
そして、気が向いたらコメント/DMなどいただけると嬉しいです。ひとつひとつ丁寧にお返事したいと考えています。

なお、ボク自身が長年物流業界に身を置いてきたことから、内容が物流寄りになりがちであることを前もってお伝えしておきます。

それでは、どうぞ。


ボクがもらった「お題」

ボクは「科学的に考える人」を名乗っていて、得意分野が物流/輸送関連であるが、これまでそっち方面の本格的な記事を書いてなかったことに気付いた。

日本マクドナルド社が配送に使っているトラックの台数は?

以前、日本国内の大手飲食チェーンが配送に使っているトラックの台数を算出できないか?というお題をもらったことがある。日本には相当な数の飲食チェーンが存在するが、その中で日本マクドナルドをチョイスしてフェルミ推定の考え方で、トラックの台数を算出した結果とその根拠を書いてみよう。

前提条件1: 平均客数

店舗数: 2,967軒(直営店+FC店)、年商: 7,175億8,900万円(2022年IRより)、客単価: 570円と仮定したときに、1店舗あたりの一日平均客数は、717,589,000,000÷2967÷365÷570=1,162人とする。

前提条件2: 平均移動距離

 日本の総面積: 378,000㎢で人が住んでいるのがその内の約30%と言われているので、可住地面積を113,400㎢としたときに、マクドナルドの店舗は38.2㎢に一軒存在している計算になる。店舗間の距離は全国を38.3㎢×2,967のマス目で区切った対角線の距離程度と考え、√38.2×√2=8.7kmを1店舗あたりの配送に掛かる平均移動距離と仮定する。

前提条件3: 平均積載重量

1食の重量: フード150g, ドリンク300gと仮定したときに、売り上げた商品の補充は、フード150g×1,162=174.3kg、ドリンク300g×1,162=348.7kgと算出することができる。ただし、ドリンクは原液+炭酸ガス+水道水で作られると思っていて、輸送するのは原液と炭酸ガス(容器の重量含む)だけだと予想する。検索してみると、コーラを作るときの原液と炭酸水の比率は1:4だそうだ。そうなったときに、ドリンクに関して実際に輸送する重量は、(容器の重量なども加算して)提供される重量の1/3程度(1食あたり100g)であると仮定する。さらにこれらを積み込むためのロールボックスが2本必要になると仮定して、その重量40kg×2本=80kgを加算しよう。フードとドリンクを一緒に納品するとしたときに、1店舗当たりの1回の平均積載重量は174.3kg+116.2kg+80kg=370.5kgである。

前提条件4: 稼働可能時間

マクドナルドは営業時間が長い店舗が多い。商業施設内に入っている店舗はその施設の営業時間に縛られるが、路面店では24時間営業しているところもある。納品は朝/昼/夕の混雑する時間を避けることになるだろうから、夜間納品ができることは配送効率面で考えた時にメリットは大きい。しかし逆に、配送員の深夜残業代などのデメリットとのトレードオフを考慮しなければならない。
いずれにせよ、一人のドライバーの労務時間管理の観点より、1台のトラックが実質的に稼働できる時間は8h程度と想定する。

お題に対する「解」

ベースの算出

信号待ちなどを考慮しトラックの平均速度を30km/h程度としたときに、店舗間(8.7km)を移動するのに17.5minかかり、納品に30minかかると考えると、8hの稼働時間の中で10.1軒の配送が可能である。
そして積載重量面では、4t車を使って(4,000kg÷370.5kg=)10.8軒分、2t車では(2,000kg÷370.5kg=)5.4軒分の積載が可能という計算になる。
そうなると、ドライバーの労働時間や納品可能時間の問題よりもトラックの積載重量制限の方がblockerになりそうだ。

より現実的な考え方

現実的には、densityが高い首都圏エリアやDCと店舗の距離が近いエリアは2t車でダブルターンすることも可能だ。また商業施設の中に入っている店舗などは、納品に使える車両の車格や時間が制限されていたりする場合がある。こういった変動条件は実際に現場に行ってみないとわからない。また、トラックの積載効率が100%になることはなく、80%程度で考えることが適切であるので、現実的には4t車と2t車のミックスで1台当たり1日9件程度の配送を行うと考えるのが妥当ではなかろうか。

上記の根拠より、全店舗数2,967÷1台のトラックが1日で配送できる軒数 9=329.6台/日の車両が必要と推定する。

考慮しなければならないこと(言い訳w)

上記の計算は、あくまでもボクのフェルミ推定の解である。
もちろん、本来の配車はこんなざっくりしたものではなく、エリアごとに細かく距離と納品重量を計算して必要台数を発注しているだろうし、DCの場所や施設のサイズ感などによって、どのように組み合わせるか検討しなければならない。またひょっとすると、元請け会社から下請けの運送会社に丸投げされていて、実はあまり厳密なコントロールはされていないかもしれない。そしてこの台数には工場⇒DCへの輸送部分は含まれていない。

誰か正解を知っている人いませんか?

なので、329台/日が正解かどうか、ボクにもわからない。
もし、どなたか日本マクドナルドに関係されているかたがいらっしゃったら、正解を教えていただきたい。


あとがき

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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ぜひ、ご覧ください。

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