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映画『天使と悪魔』に導かれた思い出のローマ

ルイージ・スキファーノ先生の下で歌の勉強をしていたとき、私は暇さえあれば街歩きをしていました。

歩けば遺跡があり、タイムスリップしたような気分で、石畳を踏みしめて歩いたり、色んな路地をのぞいてみたり。大好きなオードリー・ヘップバーンの映画「ローマの休日」のロケ地にも思いを馳せ、ひとりで真実の口に手を入れてみたりもしました。


『天使と悪魔』ブーム真っ只中


そんな中現地で知り合った友人たちが、「『天使と悪魔』観た?」という話題で盛り上がっていました。友人から早速DVDを借りて観たところ、ローマ、ヴァチカンがロケ地になっており、なるほど、これはロケ地を観て回らねば! と、いろいろ調べることにしました。

ネタバレしない程度に映画の説明をすると、新しい教皇を選出するコンクラーベを行うことになったカトリック教会の総本山ヴァチカンで、候補者である枢機卿たちが誘拐される事件が発生。ヴァチカンの依頼で調査に乗り出した宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授は、教会に迫害された科学者たちが創設したという秘密結社イルミナティが、再び現代に姿を現したのではないかと推理し、事件の真相を追っていくというミステリー。

事件の中で重要なカギとして登場するのが、17世紀に活躍した彫刻家、建築家ベルニーニの作品でした。有名なものは、ヴァチカンのサンピエトロ広場ですね! 

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ベルニーニ作品を求めて

映画に影響され、私も謎解き(?)ではありませんが、ベルニーニの作品を探しに行こう、と歩きまわりました。

サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会(Convento di San Francesco a Ripa grande)や、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会(Chiesa di Santa Maria della Vittoria)などあちこち行きました。壁の彫刻ひとつとっても、どうして石があんなに滑らかに見えるんだろう……衣類の質感まで伝わってくるような繊細さ。そして顔の表情がなんとも絶妙で、私のつたない語彙力では表現できないほどに見事です。

私はすっかりベルニーニの作品に魅了されていましたが、映画が話題になった割にはあんまり人がいないような。特に印象に残ったのは、夕方に街からちょっと外れた教会を除いたときのこと。

あれ、ちょっと薄暗い、入っていいのかな? 中には地元の方と思われる二人のおばあさんがおしゃべりをしていました。教会内できょろきょろしていたところ、教会の方がすっと現れ、いぶかしげに、「御用ですか?」と。「観ているだけです」と答えると、まだ警戒している様子ではありましたが、勝手にどうぞという感じで、のぞかせてくれました。ローカル感あふれるこの教会。観光地ズレしていないというか、媚もしないけど、拒みもしない。なんかいいな、と目的の作品以上に思い出に残っています。


音楽と食文化

ミラノにいるとき知ったのですが、イタリアでは教会などで、無料もしくは安価で聴くことができるコンサートが開かれることがあります。ingresso libero やgratisという張り紙があると、入場無料ということで、ローマでもよく聴きに行っていました。私たちが勉強している音楽は、こういう場所から生まれてきたのかな、と時空を超えてその誕生に立ち会っているかのような想像をしながら聴いていました。

こうした音楽や芸術はもちろん、イタリアというと、食の話は外せませんが、私のお気に入りを1つ紹介したいと思います。

街中どこでも見られるライスコロッケsupplì(スップリ)です。
(写真が無くて残念!)


ピッツァを買いに行くと、隣においしそうな揚げ物があり、一度食べてはまってしまいました。arancini(アランチーニ)というよく似たものがイタリアの他の地域でも食べられているようです。コロッケ好きの日本人であれば絶対にハマる美味しさ、イタリアに行かれたら是非ご賞味ください。

ローマの話をしだすと止まりません。海外旅行が難しい今、写真を見ながら思い出し旅行をして楽しみたいと思います。

皆さんからもローマのお薦めがあったら、是非コメントで教えてください。
では、また次回!

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