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立つ・手を使うことによる進化!?

再び犬と暮らし始めて3ヶ月。
先代犬は子犬の頃から「あーい」とか「ふふふ」「ぐぐーっく」といくつかのパターンの音声を日常的に発してコミュニケーションをとっていたので、犬は(言葉は持たないけれど)喋るものだと思っていた。

いっぽう、我が家の新メンバーであるノンちゃんは音声でコミュニケーションは苦手。
人に何かを伝えるときは吠える・唸る・嚙む・飛びつく(タックル!)・引っ搔く。これらがシングルのときもあれば、タックルしながら両手(前足)で引っ搔きながら噛みつくという恐ろしい合わせ技で来ることも日常的。
危ないので人に会わせるのを躊躇していた。

先代犬(寿々)と同じ犬種なのに、個体差というより、あらゆる点でかなり違った。

寿々との違いは何かと考え、よく観察してみて気づいたことがあった。寿々は小さな頃から日常的に勝手に二足歩行していた。
生まれて数か月で我が家に来た寿々にとって、テーブルの上や家具の上には「手に届かない素敵な何か」があると思っていたようで、好奇心のスイッチが入ると、後ろ足でヒョイっと立ってすたすたと歩いてきて、”憧れの上の世界”を覗こうとしていた。
一方のノンちゃんは常に4本足でドスドスと歩き、走り、飛び回っている。

ノンちゃんを預かり始めた昨年秋にちょうど、音と声と脳の専門家 山崎広子先生のオンライン講義を受講する機会を得た。何百万年も前にヒトの祖先が辿った進化によって歌、声、言葉を得ることができ私たちに繋がっているといったお話を聞きながら、ヒョイっと立って歩く寿々の姿をたびたび思い出していた。

体だけを使うのでなく、手を使ってみたらひょっとしてノンちゃんも変わる?と思いついて、遊びかたを少しずつ変えてみた。
以前はボールのキャッチ&リリースとロープの引っ張りっこがメインだったのが、ひらひらしたものを手でキャッチしたり、両手(両前足)でものをもって押さえさせたりと。

こうした遊びを増やして3か月。
たまに後ろ足で立って、ヒョイっと物をつかんだり、私のそばに来て立ち上がり、爪を立てずに優しくタッチして何かを伝えようとしたりするようになった。
バランスのとりやすさだけでなく、立った時の首の角度も、なにかしら自分で調節しているように見える。
無駄に吠えることもほとんどなくなり、一番ありがたい大きな変化は、劇的に飛びつき噛みが減ったこと。

「二本足で立って、背骨の上に頭が乗っかる・・・そしていろんな進化を重ねて、体から出る声が変化し・・・・」そう聞いていたことに深く納得。
手足と脳の関係というのも面白そうだなぁ。

こんなに短期間で哺乳類の進化ほどのことは望めなくても、それでも根気強く話しかけ続けたら、少しずつでも言葉の理解が進むかも?と淡い期待を抱きながら、今日もノンちゃん相手に話をしている。

そのうち、ノンちゃん語を話してくれる日がくると面白いなぁ。


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