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ウソみたいだけどホントの話

おや……お客さんかな?時刻は深夜3時。部屋のインターホンが突如として何度も何度も鳴る。床についていた私は夢現な状態で上体を起こす。
チョモランマ山脈麓のコーポしょんべんクラスター701号室、ここが今の私の住んでいる場所ではあるが、こんな時間に客人とは、そうそう起きない事だ。確かにネオニューヨークの15倍くらい発展してる世界一の繁華街ではあるが、いくらなんでも夜中過ぎる!流石の私も怒りのあまりさくらんぼとメロンを同時に窓から投げ落としてしまった。

「やぁ。相変わらず果投高地かとうこうじしているみたいだね。」
「その声……まさか!?」
私が驚いてる隙に扉は素粒子まで分解され、彼の姿が私の前に現れる。
「久しぶりだね。ポカホンタス」
「やはり貴方でしたか………堺雅人Jr様!」
彼はかつて私の通っていた慶應義塾の講師を努めていた人物であり
「小林一茶のチン毛を直線配列にしてはいけない」
と教えてくれたのも彼だった。おかげで私は今こうして生きている、いわば彼は私の恩師である。
そんな恩師が何故ここに…?疑問を口に出す前に堺雅人Jrはゆっくりと口を開いた。
「すもも狩りを行う事が国の意向で決定した。決行は明日だ」
「なっ!?」
私は耳を疑った。本来すもも狩りはポコチン季に行われる大行事だ。しかし今はまだオレオ季のはず、本来であればまだぶどう狩りの季節のはずだ。それなのに何故……?国は何を考えているのだ……?
「困惑していると思うが、私も詳しい事は何も聞かされていないのだ。ただ上司からお前にこれを伝えろと言われただけであって、私も君と同様に、困惑が頭の中に充満している。すまない、詳細がわかり次第また追って説明する」
踵を返し玄関外に出た堺雅人Jrは素粒子を復元して扉を再構築し始めた。どんどんと彼の姿が形を成していく扉に遮られていく。
完全に彼の姿が見えなくなるまで私は呼び止める事もできずただそこに立ち尽くしていた。脳内には疑問ばかり。
あまりにも唐突過ぎる…メロスの妹の結婚式かよ。あれ普通に考えて妹も婿も適応能力凄くない?メロスの事めっちゃ信じてるじゃん。私がおんなじ立場に立たされたら一晩の説得だけで納得できる自信ないよ?現に今似たような状況に立たされてるけど、全然納得いってないし……。
いや、よそう。考えるのは彼が詳細を語る時でも遅くはない。私は冷静になるために撮り溜めておいたパッコロリンを見始める。
相変わらず長男の凛々しさが私の心を癒やしてくれる。私の支えは彼とカペリートだけだ。あとナッチョとポム。
一通り落ち着いた私は心を決める事にした。

───雪辱を果たす。"アイツ"のためにも。

私の中にあの時の思い出が蘇る。
彼が私を庇ってバトエンまみれになり、その場に崩れ落ちるあの瞬間、奴のペタグーグミのような破顔した顔………もうあんな思いは御免だ!今年はなんとしても勝つ!
私は重たい重たいきゃんたまを持ち上げてトレーニングルームに向かう。室内重力を50倍に設定して股間にアヒルの顔があしらわれたオーダーメイドのバレリーナスーツに着替えいざ準備は万端!さぁ!!

特訓クリケットの時間じゃあ〜〜〜!


私の戦いは、始まったばかりである。
バァさんからだすこやか茶編 完 
チョップスティック血戦編に続く………

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