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ワインボトルとサステナビリティ

ワイン業界のカーボンフットプリントに最も貢献しているのは、ガラス瓶の製造と輸送です。小売業の国際団体は、この問題の効果的な解決策を調査しています。

理想はリユースとリサイクル

カーボンフットプリント削減の理想形は、リユースとリサイクルです。ガラス瓶は他の素材と違い、ほぼ無限にリサイクルすることが可能です。しかし、現実ではそうなっていません。リサイクルに関する法整備やガイドライン、消費者による取り組みが比較的進んでいる欧州においても、ガラス瓶がリサイクルされている割合は52%に留まっています。また、英国では各地の地方自治体がリサイクルについてそれぞれ異なる基準や方法を設けており、そのことが問題をより複雑にしています。

リサイクルに頼らずカーボンフットプリントを削減するにはどうすればよいか?

解決策の一つとして期待されているのは、軽いガラス瓶を製造・販売するというキャンペーンを展開することです。小売業界が中心となって立ち上げた業界団体は、一定の重さを越えたワインボトルを販売しないことを約束し、ガラス瓶製造会社に対して従来より軽いガラス瓶を製造することを促進しています。

ガラス瓶が軽いと何が良いのか?

業界団体の調査によると、軽いガラス瓶は重いガラス瓶と比べて、製造及び輸送時に排出される温室効果ガスの量が少ないだけでなく、コスト面でも大きな優位性があるとのことです。つまり、軽いワインボトルはカーボンフットプリントとコストを同時に削減することが可能なのです。これは、ワインを売る小売会社にとっても、ワインボトルを製造するメーカーにとっても好都合です。

軽いガラス瓶で割れたりしないのか?

現代の製造技術や瓶の構造に注意すれば、ワインボトルの軽量化は容易にできるようです。

ワインボトルの軽量化を阻むもの

ワインボトルの軽量化を阻む唯一のものは、ワイン生産者の固定観念です。ワイン生産者の多くは、未だに「消費者はボトルの重さとワインの質が比例していると思っている」という固定観念があり、このことが軽量化への移行を阻む原因となっています。

軽量化の流れは進む

ワイン生産者の固定観念は軽量化を阻む原因となっていますが、これもいずれ変化するものと思われます。小売店やガラス瓶製造会社が軽量化に向けて取り組みを進めており、一般消費者の間でもサステナビリティへの関心は高まっており、ワイン生産者はこのような社会の動きを無視することはできないと考えられるためです。

参考文献


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