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認識することで

この前、家族でお坊さん等は呼ばず
自分たちだけで海洋散骨を行いました。

散骨といっても、父が亡くなったのはかなり昔で
お寺に納骨した以外で
なぜか別で、家に少しだけの遺骨がずっと残されていて
どうにかしないとね、となっていたのですが
父は釣りが好きで生前から
死んだら骨を海に撒いて欲しいと言っていたので
海洋散骨をすることになったのです。

業者さんはどんなことをしているのかなと
色々調べてみると
花びらや、お酒を撒くということを
されている所が多く見られました。

海に直でほぼ存在しないものを
撒いていいのかな?と気になりましたが
さすがにプラスチック等ゴミになるものではないので
控えめなら大丈夫でしょうというような答えも
ちゃんとした機関の方が言っていた為
一応、種子等は入れないよう花びらのみにし
花、お酒とも控えめな量で用意し
船で、自分達で手を合わせ、無事終了しました。

花びらを撒くことなんですが
赤色はなんだか怖いな
というイメージがあったのですが
業者さんを見ていると、赤や黄色等の
派手な色が使われてる場合も多かったのです。

依頼主の希望もあると思いますので
いつも派手な色という訳ではなさそうですが
派手な目立つ色を使う理由を書いている業者さんが
ありました。

花びらを撒き、そこから船で遠ざかっていく時
徐々に花びらは小さく見えにくくなっていく
そうやって目にすることで
故人との別れを認識していく
なので、できるだけ花の色は
遠くなっても見えやすい
はっきりした色を選んでいます

というようなことが書かれていて
なるほどな、と深く思いました。

そこで頭によぎったのが
うる覚えなのですが、とある映画で
流産してしまった女性が
もう大丈夫!と明るく振る舞っているのですが
やはりどこかがおかしくて、心配した友人が
ある日女性を呼び出し
風船の紐を、その女性の手に握らせました。
あなたは、ちゃんとお別れできていない
この風船を流産してしまった赤ちゃんだと思って
ちゃんとお別れをして、と。

最初は、え、という感じでしたが
風船を赤ちゃんとして語りかけ
そのうち涙が流れ
最後はそれを手放しました。
空へどんどん上がって離れ
小さくなっていく風船を見ながら
号泣し、しっかりと心からお別れをすることができた。
というような内容だったと思います。

これを書いているだけで
何故か私は涙目になりますが
そうやって、もう実際に存在しない人への思いを
目に見える形をとることで
可能になる、心からのお別れというものも
あるんだなと。

もうあの人はいない
私はお別れしたんだと認識する
それはせつないけれど
これからも生きていく自分には大事で
ありがたいような

そんなことを感じたのでした。


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