【ミステリ小説】 『ソウルカラーの葬送』第一部 ④
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第一部
四、
探偵事務所を訪れた顧客から一体どういう流れで職業探偵に相談や依頼がなされるのか。私はその流れを興味津々の心持ちでつぶさに眺めていた。
依頼人である女性編集者──森元紗代子は、先程まで私が座っていたソファの位置に私がしたのと同じように遠慮がちに浅く座ると、チラチラと横目で事務所の中を見渡していた。彼女も探偵事務所という空間が珍しいのだろうか。当の主の探偵はと言えば、事務所の隅に形ばかりに備え付けられたキッチン