「赤と青とエスキース」青山美智子
オーストラリアのメルボルンに留学した大学生レイ。
留学生活がうまくいかない中、1人の男性ブーと出会い期間限定の恋人関係が始まる。
最初はお試し程度だったが、気付かぬうちに互いを必要としていた2人。
留学期間が終わり帰国する日が近づいてくる。
別れの時が近づき、不安になるレイ。
そんな時、メルボルン在住の売れない画家ジャック・ジャクソンによりレイの肖像画が描かれる。
その絵画は「エスキース」と題され、様々な人の手を渡っていく。
一枚の絵画「エスキース」を伝って繰り広げられる純愛物語。
読んでから知ったのだが、なんと2022年本屋大賞2位受賞作。
伏線回収が神
エピローグを含め、5章からなる小説。
読み始めはそれぞれが独立した物語なのかな、と思っていたが違った。
一つ一つの点だと思っていたが、細かい所で全てがつながっている。
読み進めていくうちに「あれ?これって…」と気づいた。
「あ!つながってるー!」
気付いた時の感動と言ったら、もう…
何度か前章に戻りながら読み進め「そういうことか!」という驚きが何度もあった。
読み終わってからも余韻が心地よかった。
登場人物の心の揺れ方にジーンとする
純愛ストーリーなだけに、二人の心の揺れように苦しくなることもあった。
自分の気持ちに素直になれずに苦しんだり。
どうしようもなく寂しくなったり。
あぁ、恋愛ってこんなんだったな。
最後まで読んでよかったなと、心から思える一冊だ。
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