そら

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本ページを見てくださりありがとうございます! 読書と愛猫が大好きな31歳(2024.2現在)です 読書記録や猫に関するエッセイを投稿していきます もし記事を読んで「いいな」と思ってくれたらうれしいです! たくさんの読書好きさん、猫好きさんとつながりたい☆

最近の記事

「自分の中に毒を持て」岡本太郎

岡本太郎さんといえば、太陽の塔。 戦中・戦後を生きていく中、幼少期から自分の正しいと思ったことを曲げなかった岡本さん。 当時の日本の背景からすると、それはとても勇気のいること。 周りから馬鹿にされたり、白い目で見られることも少なくなかったよう。 自分の芯を貫き続けた岡本太郎さんの生き様が書かれた本。 自分の生きる道筋は自分で決めろ!著者は自分のしたいことは曲げずに貫いてきた。 周りがどんなに忠告しても「ここで曲げてしまっては自分ではない」と突き進んできた。 周り

    • 「蟹工船」小林多喜二

      小林多喜二のプロレタリア文学代表作。 舞台は明治時代。 蟹漁のため400人の出稼ぎ労働者が大船に乗って、北海道の極寒の海へ向かう。 過酷な肉体労働、劣悪な住環境、栄養失調による脚気の流行…今では考えられないが当時のありのままを描いている。 ある日、とうとう仲間のうちから死者が出る。 無慈悲にも、寒い暗い海に水葬される仲間の姿を見て労働者たちの魂に怒りの炎が付き、集団ストライキを起こす。 労働者たちの強い心船は海上にあり、逃げ場がない。 北海道の寒い海だから、飛び

      • 「お探し物は図書室まで」青山美智子

        心がほっこりする、素敵な一冊。 心にモヤモヤを抱えている人たちが、とあることをきっかけに図書室に行く。 小学校に併設されたコミュニティハウス内の図書室。 そこには小町さんという、大きな女性司書さんがいる。 体の大きさとは裏腹に発せられた声には包み込むような、とても優しい温もりを感じられる。 主人公の目的の他に、小町さんによる独特のセンスで選書されたある一冊の本が悩める人たちの生き様に一筋の光を灯す。 小町さんの選書センスが素敵小町さんは選書について、作中で「インス

        • 「方舟」夕木春央

          こんなミステリー読んだことがない。 張り詰めた空気が文字から肌へピリピリ伝わってくる。 衝撃の結末、凄まじい読後感。 忘れられない一冊となった。 「このミステリーがすごい!」など、数々の部門でノミネートされた本書。 世間を賑わせた注目作品。 ミステリーを読みたい気分になり、読んでみたらもう、すごい。 語彙力失うすごさ。 あらすじ 主人公はかつて大学のサークルで仲の良かった6人の男女と従兄弟を加えた7人で、メンバーの叔父が所有する別荘に泊まっていた。 そんな

        「自分の中に毒を持て」岡本太郎

          さみしい夜にはペンを持て「古賀史健」

          書くこと、話すこと、日記のすすめ、をテーマに書かれた本。 物語形式で書かれており、すごく読みやすかった。 自分のための覚書として、noteに書こうと思う。 覚書「話すこと」「書くこと」は似ているようで違う 話すことは、自分の思いの表出 書くことは、考えること 日記を書くことは「自分との対話」になる ひとつのシーンについてスローモーションの文章で書いてみる スローモーションの文章を書く時は、自分が考えたこと、感じたことについて「なぜ」を繰り返して考えてみる メ

          さみしい夜にはペンを持て「古賀史健」

          「嫌いなら呼ぶなよ」綿矢りさ

          コロナ禍で生きる4人の人物にまつわる短編集。 規制や自粛ムードがあり、自由の利きにくい生活。 そんな生活は、個人の生き方や考え方に大きく影響した。 鬱屈した考え方や、推しへの過剰な愛など、コロナ禍による生活の変化がもたらした人間の闇が描かれている。 眼帯のミニーマウス 神田夕 嫌いなら呼ぶなよ 老は外で若も輩 どの作品も刺激的だった。 どこか自分や周りの人に当てはまるような親近感、でも仮面を剥いだらとんでもない心を持った化け物。 コロナによる生活の変化が原

          「嫌いなら呼ぶなよ」綿矢りさ

          「オリエント急行の殺人」アガサ・クリスティー

          アガサ・クリスティーの代表作。 名探偵ポワロシリーズの中でも、群を抜いて大人気。 映画化もされており、タイトルを耳にしたことがある人は多いはず。 私にとっては、初めてのアガサ作品。 雪で足止めされたオリエント急行。 進むことも、戻ることもできず雪原の中、立ち往生していた。 そんな閉鎖された空間の中、とある殺人事件が起きる。 人の出入りは不可能、とすれば乗客の中に犯人がいる。 しかし、乗客それぞれには完璧と思われるアリバイがあった。 この難事件に、名探偵ポワロ

          「オリエント急行の殺人」アガサ・クリスティー

          「老人と海」アーネスト・ヘミングウェイ

          年老いた漁師が決死の覚悟で巨大な魚を釣り上げる、死闘の話。 ある時、老人は84日続いた不漁に区切りをつけようと漁に出る。 漁では、かつて見たことのないほど大きいカジキマグロに出会う。 なんと、老人が乗っている小舟よりも大きい。 不漁の区切りにふさわしい巨大魚。 無事、仕掛けにかかるのだが、ここから老人VS カジキマグロの譲れない闘いが始まる。 老人の心の声がなんだか沁みるいつもは見習いの青年と漁に出かけていた。 しかし、今回は自分1人の力で魚と向き合わなければな

          「老人と海」アーネスト・ヘミングウェイ

          「星を継ぐもの」ジェイムズ・パトリック・ホーガン

          月を舞台にしたイギリスのSF小説。 地球人類は技術の発展により、月へ進出した。 月面では盛大な基地を設け、宇宙の研究が進められている。 そんな時、採掘現場で1体の遺体が発見される。 容姿は人間と瓜二つで宇宙服まで着ている。 しかし、分析の結果その遺体は5万年前のものだと判明する。 一体、彼(遺体)はどこから来たのか。 地球と宇宙の理が覆される! SF好きは間違いなくハマる!子どもの頃から、宇宙や未知の生物への好奇心が高まり続けている。 よくUMAに関する本や

          「星を継ぐもの」ジェイムズ・パトリック・ホーガン

          「クララとお日さま」カズオ・イシグロ

          数年前に読んだ本だが、すごく心に残ったのでnoteに残そうと思う。 作者は日本生まれのイギリス育ち。 「日の名残り」「わたしを離さないで」で有名なカズオ・イシグロさん。 人工知能が搭載された親友ロボットであるクララと、病弱な少女ジョジーが育む愛と友情の物語。 ジョジーの成長、クララの包容力 生まれつき病弱で母親の心配が尽きないジョジー。 従順に母親の言う事を聞く毎日だが、クララをおねだりすることで毎日が変わった。 自宅に来たクララは、人工知能ならではの処理能力を発

          「クララとお日さま」カズオ・イシグロ

          「カエルの楽園」百田尚樹

          だいぶ遅れたが気になってたので読んでみた。 2016年の作品。 日本の政治体制に対する風刺小説。 自国でアマガエルたちは平和に暮らしていた。 ある時、ダルマガエルによる浸食を受ける。 仲間を次々に食われ、アマガエルの存亡に危機が訪れた。 老人たちは「現状を受け入れ、自国で最後まで過ごす」決断をする。 しかし若者は「平和な地を探す」と国を出て旅することとなる。 旅の途中、天敵に出くわし食われる仲間たち。 徐々に人数が減り、ついに二人となる。 二人は命からがら

          「カエルの楽園」百田尚樹

          「海賊と呼ばれた男」百田尚樹

          出光興産創業者である『出光佐三』をモデルにした歴史経済小説。 出光佐三こと、国岡鐵造が立ち上げた石油取扱店である『国岡商店』を巡る物語。 国岡氏の生い立ちから国岡商店を立ち上げるまでの軌跡や、戦争を通じて変化した時代の流れなど、国岡氏の人生を追体験。 戦前に立ち上げた国岡商店だが、戦争・戦後とこれでもかという程たくさんの壁が立ちはだかる。 そんな苦難が起きるたびに国岡氏の人柄が際立つ。 経営者としての国岡氏、一人の人間としての国岡氏、どちらも魅力的。 店主としての

          「海賊と呼ばれた男」百田尚樹

          「冷たい校舎の時は止まる」辻村美月

          ある雪の日、男女8人の高校生が学校に閉じ込められる。 何をしても開かない玄関。 なぜか時計はある時間を指して止まっている。 8人は話をしていくうち、自分たちの中に自殺したはずの人間が紛れていることを思い出す。 それはいったい誰なのか。 靄がかかったようにはっきりしない記憶。 自殺当事者を含め真実を知るものは誰もいない。 そして、次々と消えていくメンバーたち。 果たして、この現象の真相とは… 息を呑む展開に読むのを止められない辻村美月さんの作品2冊目。 「か

          「冷たい校舎の時は止まる」辻村美月

          「桃を煮る人」くどうれいん

          岩手県盛岡市在住の著者くどうれいんさん。 日々の出来事や感じたことを食べ物と共に記したエッセイ。 登場する食べ物のエピソードも魅力的だが、何よりくどうれいんさんが書く文章のファンになった。 クスッと笑えるエピソードもあり、読み終わるのが寂しくなる一冊だった。 この本をきっかけに、もっとくどうれいんさんのことが知りたくなること必須。 とにかくおもしろい著者の頭の中や、感性がズバッと入ってくる。 文章がテンポよく、読んでいて気持ちがいい。 それでいて私のツボにドンピ

          「桃を煮る人」くどうれいん

          「赤と青とエスキース」青山美智子

          オーストラリアのメルボルンに留学した大学生レイ。 留学生活がうまくいかない中、1人の男性ブーと出会い期間限定の恋人関係が始まる。 最初はお試し程度だったが、気付かぬうちに互いを必要としていた2人。 留学期間が終わり帰国する日が近づいてくる。 別れの時が近づき、不安になるレイ。 そんな時、メルボルン在住の売れない画家ジャック・ジャクソンによりレイの肖像画が描かれる。 その絵画は「エスキース」と題され、様々な人の手を渡っていく。 一枚の絵画「エスキース」を伝って繰り

          「赤と青とエスキース」青山美智子

          「52ヘルツのクジラたち」町田その子

          かつて家族に人生を搾取され、生きる希望を失っていた貴湖。 彼女はとある理由により、祖母が暮らしていた海岸沿いの町に一人引っ越すこととなった。 片田舎の町に若い女性が1人で引っ越してくる。 その状況に町の人々は好奇の目を向ける。 噂話の絶えない町内。 身も蓋もない噂話に嫌気がさしていたある日、一人の少年と出会う。 彼は実母から「ムシ」と呼ばれ虐待を受けていた。 虐待の影響により自ら声を出せなくなっていた。 少年の境遇にどこか自分と似た空気を感じ取った貴湖。 徐

          「52ヘルツのクジラたち」町田その子