「お探し物は図書室まで」青山美智子
心がほっこりする、素敵な一冊。
心にモヤモヤを抱えている人たちが、とあることをきっかけに図書室に行く。
小学校に併設されたコミュニティハウス内の図書室。
そこには小町さんという、大きな女性司書さんがいる。
体の大きさとは裏腹に発せられた声には包み込むような、とても優しい温もりを感じられる。
主人公の目的の他に、小町さんによる独特のセンスで選書されたある一冊の本が悩める人たちの生き様に一筋の光を灯す。
小町さんの選書センスが素敵
小町さんは選書について、作中で「インスピレーション」と言っている。
この人にこの本?と思うところもあったけど、それがまた素敵な出会いに繋がったりしている。
「私が選んだ本をどう読むかは、その人次第」
小町さんは特に深く考えることなく、本を選書しているとのこと。
その本を読んだ人がどう行動するかはその人にしか決められない。
小町さんの選書も素敵だけど、一冊の本でたくさんのことを感じ、考え、行動を開始する主人公たちの気持ちの変化に勇気をもらえた。
「こんな本、自分では選ぶこともないだろう」
そう思っていても、実際読んでみると新しい発見があったり意外と好きかも?と思ったりする。
私もnoteを始めて、たくさんの人の記事を読む機会があるけど、記事内で紹介されているまったく興味のなかったジャンルの本に出会うこともある。
ありがたいことに、その記事により興味を持ち読んでみた本もいくつかある。
出会い方はいろいろだけど、少しでも興味が出た本や、はたまた読んだことのない本に挑戦してみるのもいいものだ。
小町さんの選書には絵本から占いの本、図鑑などジャンルは多岐にわたる。
もっとたくさんの本に触れあって、もっとたくさんのジャンルの本を読みたい!と思った。
主人公たちのような変化があるかどうかわからないけど、これからの読書人生が楽しみになった。
主人公たちの生き方
本書は5編の短編集から構成されている。
年齢も経歴も全く違う主人公たちだが、それぞれが小町さんの選書本を読むことで自分の生き方を見つめ直す。
それまでネガティブな気持ちだったけど、違う生き方を見出しこれからの人生にワクワクする。
なんて素敵な物語なんだろう。
主人公たちの生き方を見ていると、私も頑張ろう!と思えてくる。
読書をしていて元気や勇気をもらえる、これってすごくうれしいことですよね♪
疲れた時や癒されたい時にはもってこいの一冊。
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