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メンタリスト感想メモ 22

ここからの数話はシーズンラストに向けての
「種まき」みたいなエピソード。

新シーズンに入ってふたりが恋人になってから5話くらいまで
一回もジェーンとリズボンのラブシーンやキスシーンがない!(笑)
アメドラとしては画期的だよ!
けれど、ふたりの(特にジェーンの)愛情が画面からあふれるようだ。
なにげないセリフやしぐさ、表情で積み重ねていく演出が好き。

それからジェーンの服装が戻ってるね!
「青い楽園」以来、淡いグリーンのプリントシャツにジャケットだったのが
CBI時代のようにウェストコートを着てる。
S7-2で「古いのを出して着てみたんだ」って言ったら、リズボンに
「私、それ好きよ」って言われたせいかもしれない。

風邪をひいたジェーンが
「ねぇ、会いたいよ。スープ持って会いに来て。
 トマトか豆のスープがいいな」と甘えてみせたり、
「愛はいつだって思いがけないところに芽生える」と目配せしてみせたり、
まぁ、とにかくリズボンが大好きで大好きでしかたないのがよくわかる。
ただ話してるだけだったり、話してるリズボンを見つめてるだけなのに
愛がダダもれになってるよ。
そして、それに対してリズボンが見せる優しい表情。
パイクの時と全然違う。
一緒にいるだけで、ふたりの間の『引力』みたいなものが見える
演技ってのもすごいなぁ、と思って見てた。
犯人逮捕に向かう時、歩きながら一瞬だけ指を絡めあうシーンが
あるのだが、ただそれだけなのにひっくり返るほど色っぽい。

主演のサイモン・ベイカーとリズボン役のロビン・タニーは
「メンタリスト」出演前からプライベートでもものすごく
仲がよかったみたいで、そこらへんの親密さや信頼が
とてもいい方向に作用している感じ。
インタビュー映像などを見ると、本当に役柄そのままの
温かい関係がわかる。
ロビンはサイモンのことを
「彼、私のTV husbandって呼ばれてるのよ」って笑っていた。

S1からずっと見てきても「メンタリスト」はキャスト、スタッフが
みんなとてもいい関係だったんだろうなーというのがわかる。
主要キャスト同士はもちろん、スタッフが「ジェーンとリズボン」に
向けるまなざしがとても温かい。
これはなかなか稀有なことで、プロデューサーと大喧嘩して降板とか、
主演ふたりが犬猿の仲でドラマ続行不能とか、
共演者と不倫の関係になってしまって私生活が破綻しちゃったとか、
なんでもありのハリウッドでこんなにほんわかと仲のいいカンパニーは
珍しいんじゃないかなぁ。
サイモンは愛妻家で家族を大事にすることで有名だし、
ロビンもメンタリスト出演中に結婚して、ドラマ終了後に
赤ちゃんを産んでいる。
幸せな私生活が投影されたような、穏やかで細やかな愛情表現は
見てるこっちも幸せになれる。

とはいえ、S7に入っていきなりキムが降板していてびっくり。
S6からかなり重要なポジションにいたし、いいキャラだったのに残念。
しかも視聴者への挨拶もない突然の退場である。
トラブルがあったわけでもなく、たぶん「契約満了」って
ことなんだろうけどこの辺はドライだよね。

代わりに加入してきたヴェガは、アカデミーを終えたばかりの
女性新人捜査官。機転はきくし熱意も、勇敢さもあって
若さゆえの失敗もするけど、チョウの指導でいい捜査官になりそうな気配。
なんとなく、新人時代のリズボンてこんな感じだったんじゃないだろうかと思わせる。

S7は全13話のハーフシーズンなのだが、S7があって本当によかったと思う。
S6でレッドジョンとの決着がつき、
ジェーンとリズボンの関係もまとまった。
ほんとならここでドラマが終わってもおかしくない。
(実際、S6で打ち切られるんじゃないかという噂もあったらしい)

S7はいわば、アンコールや後日談みたいなものだけど、
でも、復讐を果たし、思いが通じてキスした後も人生は続いていく。
というより、「やっと始まったところだよね。
パトリック・ジェーンという人間を最後まで描き切ろう」
という制作陣の考え方が嬉しい。

今日の一曲
Coldplay 「Gravity」