見出し画像

レコードが流行っているってほんと?

こんにちは。空飛ぶチェリーパイです。
先日渋谷を散歩していた時に学生の時によく言っていたタワレコが目に入ったので、入店してみた。

最近リニューアルオープンしたらしくフロアが変わっている商材もあり、ふらふらしていたら、レコード売り場がめちゃくちゃ拡大されていたことに驚いた。

サブスク全盛の時代にレコード?

Apple MUSIC、Spotify、YouTube MUSICなどサブスクが全盛の時代にアナログレコードが売れていることに驚き調べてみた。

日本レコード協会によると2023年のレコード生産量は270万枚で、3年前の2.5倍に増えた。
タワレコに代表される小売店もこの流れを受け、レコード事業を拡充しているらしい。
上述したタワーレコード渋谷店は2024年2月の店舗リニューアルにともない、レコード販売を強化し、レコード専門フロアの面積を2倍、在庫はこれまでの7万枚から、10万枚超(新品6万枚、中古4万枚以上)になった。

レコードブームは日本だけじゃなくて…

レコードが売れているのはもちろん日本だけの現象ではなくアメリカでも、2020年には売上で、2022年には販売枚数で、レコードがCDを超えた[3]。英国でも、16年連続でレコードの売上が伸びており、2023年には売上枚数が590万枚に達した。[4]

このサブスク全盛の時代に、各国でレコードが伸びているのも事実。シンプルに驚いた。

サブスクにはない体験価値

なぜレコードが伸びているのか?その理由を「コロナ」とする見方もある。2020年以降、ライブが軒並み中止となり、浮いたライブチケット代をレコード購入につぎ込んだ人が多かったから、という見解だ[5]

レコードの伸びは、サブスク普及にともなって発生する、サブスクにはない「体験価値」への欲求の現れではないかと考える。
「機能」と「情緒」でいうなら、サブスクが提供するのは機能寄りの価値で、レコードは情緒寄りの価値だ。
サブスクには、数タップであらゆる楽曲にアクセスできるという圧倒的な利便性(機能的価値)がある。しかしその反面、味気ない。個人的には、音楽を右から左に消費している感覚がある(ミュージシャンに対して申し訳ないという気持ちがよぎることもある)。
一方、レコードの音楽体験には、情緒的でより重層的な体験価値がある。例えば、レコードを通した音楽体験として考えられるのは以下のようなものだ。

・レコードをショップで買う
・ショップの大きな袋でレコードを持ち帰る
・ターンテーブルにのせる、針をおく
・プチプチという音
・回転するレコードの様子
・大きなジャケット(部屋に飾れる)
・スリーブの解説や写真など、手触り感
・レコードを所有している感覚

曲を聴くことだけではなく、これら一連の行為が音楽体験となる。どれもサブスクにはない。サブスク普及にともなって、サブスクにはないこれらの価値に人々が感応するようになった、ということではないだろうか。

デジタルで取りこぼした価値をアナログで取りに行く

レコードには、サブスクにはない体験価値がある、だから伸びており、ミュージシャンもレコードビジネスに積極的になっているのではないか、という話をしてきた。
情緒的価値がともなうなら、ミュージシャンとファンのエンゲージメントを高める作用も期待できる。ファンが経験する、レコードにまつわる音楽体験や、応援を通じて得る喜びは、ミュージシャンとのつながりを強固にしてくれそうだ。そうなればミュージシャンにとってはレコードの単発売上以上のメリットだろう。
デジタル化はある部分で体験価値をそぎ落としている可能性がある。そこをアナログでもう一度取りに行く。デジタルの弱いところを補完する。他のデジタルサービスでも大事かもしれない。

まだまだ20代。ブームに乗り遅れないようにしないと…

ではまた


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?