てんとせん-16

眠気と肩こりが痛みになって頭が朦朧としてきた。眠くてしかたがない。血の巡りがどんどん悪くなる周期があって、雨と気圧の変化でとどめをさしてきた。こんな時はなにも考えられない。脳に血が通っていないのだ。また心臓に手を当てるとそんな時でも健気に動き続けている。こんなにも健気でいじらしい臓器は他にない。ありがとう、心臓と思いながらタバコに火をつけてまたしても体の血流を止めようとする。身体は健気なのに脳みそはその健気さを視界に入れることなく知識や文字を追い続けている。かわいそうなわたしのカラダ。自分を愛するとかすきになることなんてたやすい。健康に保つなんて優等生のセリフを吐きたいわけじゃない。体をいじめないことだ。いじめるってなんだ。存在を否定して透明化すること。透明な身体に魂は宿らない。触れることができて、二酸化炭素を吐き出してきれいなものも汚いものも排出する生き物だということを認めることだ。自分を愛するなんて簡単だ。猫でも植物でもたやすくできるその簡単なことができないのが、人という生き物なのである。

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