てんとせん-7

目が覚めるとみたことがない天井だった。真っ青なシーツの向こう側にきれいに陳列されたCDラックが視界に入った。
「おはよう」
誰だろう、頭の上から私に声をかける人がいる。ベットでいる時間に誰かから声をかけられる生活など送ったことのない私はその事実にびっくりした。まだ目がさめてないのかしら。
「めずらしいなぁ、こんな時間まで寝てるなんて」
どういうことだ。声に心当たりがあるのだけど、いやいやまさかそんなはずはない。振り返ってみることも怖い。
「調子でも悪い?」
その人はベットに腰を下ろして額に手を当てた。
その声を聞いて私は確信した。あの人だと。そして恐る恐る目を開けた。


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