すきなものの話をするのが得意ではない

人がすきなものについて語っているときは面白い。
だけど、自分が好きなものについて語るのはそんなに好きじゃない。
好きなことをはなすときに楽しい雰囲気にならないからだ。
ほんとにすきなもののことを語る時って、そんなに面白くないんじゃないのかもしれない。
猫が好きだとか、カレーがすきだとか、そういうものを語るのは楽しい。
だけど、ほんとにすきなものって、理由もなく好きで、むしろどうしようもないところが好きだったりする。
すきなものは、わたしだけの宝箱の中に入れておきたい。
べつに閉じ込めておきたいとかそういうわけじゃなくて、誰かと共有できる部分じゃないのだ。だから、できれば話したくない。そういうこともあると思う。
だから、ほどほどにすきなものやすきなことについて話せばいいことにもっと早く気づけばよかったのだけど、ほんとうに好きなものの話をしなければならないと思い込んでいて、それを話せないことがとても苦しかった。

だから、ほどほどに好きなものについて話せるといい。
いっその好きなことの話じゃなくてもかまわない。
その場をいらつかせたり、戸惑わせたりするくらいならば、黙っているほうがましだ。
だけど、そんな空気など読まないでいい空間をつくることができたら、それが一番いい。

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