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拾い猫

「猫川柳」

もう10年 おまえといるか 拾い猫


拾ってきた猫を飼い始めて、もう10年になる。

夜、僕が外に出て煙草を吸っていると、
必ず猫は僕の傍にやって来て、
僕の足に、長いしっぽの先を「ちょんと」ひっかける。
さりげなく、「私はここにいます」と言うように。
そう、君も僕も、「いま」、確かに「ここ」にいる。

月が静かに灯りをともす夜に、
10年後にはお互いもういないであろう一人と一匹の、
それだけは、確かな事実なのだ。


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