空を飛ぶ土竜

高校の教師をしています。人生を真剣に怠けることを日々に夢見ながら、定年退職後も現役を続…

空を飛ぶ土竜

高校の教師をしています。人生を真剣に怠けることを日々に夢見ながら、定年退職後も現役を続けています。このnoteは、生徒に話す雑談メモ風に、自分が考えたこと、伝えたいことを気ままに書いています。よろしければお付き合いください。

マガジン

  • 土竜のひとりごと

    エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。

  • 土竜のひとりごと:カミさんに遺す僕の物語

    これまでに書き溜めたもの、このnoteの「土竜のひとりごと」に書いたものを整理してここに集めてみたいと思います。

  • 短歌・詩・俳句

    短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。

  • わが家の拾い猫「レイ」

  • 日本語雑話

最近の記事

第4話:おばあちゃん

おてんとうさま おてんとうさまに 恥ずかしくないように 生きなさい いつもおばあちゃんは そう言った ふと見上げると 頭の上には 青い空と ほっかりと おだやかな おてんとうさま 正しさとは 案外 そんなものなのかもしれない これもまた愚話である。 学生時代、ガラにもなく思いっきり贅沢をしてみたいと思うことがあった。別段これと言って深い理由があるのではなかったが、時としてほとんど衝動的にそんな思いに駆られることがあったわけである。 しかし金の無かった僕に許される

    • イタチ?フェレット?

      昨年度末の人事異動で学校を変わりました。 勤務形態も再任用フルからハーフに変えました。65歳まであと2年こんな形で勤務して、そこからまた講師の口でも探すのかなあと思っています。 ハーフというのは文字通り半分の勤務で、朝から午後3時くらいの日が1日あるほかは、午前中の勤務が週3日、午後に2.5時間くらいの日が1日といった感じです。 授業はこの勤務時間の中で毎日2時間、1週間で計10時間を担当しています。受け持つのは2クラス(週5時間×2)のみです。 えっ、それだけって感じが

      • 普通の卵焼きと異常な卵焼き

        過去記事を加筆訂正しながらひとつのマガジンに整理を試みています。その中で割と自分が好きな記事を再掲してみたいと思います。 記事にスキやコメントもいただいているので、こんな「妙な」元記事の投稿になりますがよろしければお付き合いください。 なお、まことに勝手なお願いで申し訳ありませんが、このページ自体は順次削除したいと思いますので、もしスキやコメントなどいただける場合には元記事にお願いできればと思います。 マガジンはこちらです。

        • 第20話:昭和が終わった

          昔、クラス通信に書いていたものを読み返していたらこんな記事があった。 なんだか読み返してみると歯の浮くような恥ずかしさも感じる文章だが、ここに留めてみたい。 昭和の課題は解決されるどころか、平成を経て令和に至り、ますます複雑多岐、深刻化していると、読み返してみて思った。混迷する時代の中では、ますます「自分のことば」を持ち、追従や迎合を自分に戒める必要があるに違いない。 (土竜のひとりごと:第20話)

        第4話:おばあちゃん

        マガジン

        • 土竜のひとりごと:カミさんに遺す僕の物語
          34本
        • 土竜のひとりごと
          247本
        • 短歌・詩・俳句
          167本
        • わが家の拾い猫「レイ」
          22本
        • 日本語雑話
          26本
        • 高校国語の教材室
          2本

        記事

          私が先生をちゃんと死なせます

          昨年の8月の人間ドックを受けました。血液検査、腹部エコー、胸部レントゲン、胃のX線検査、すべて異常はないとのことでした。 もう15年以上毎夜、酒を飲み、煙草は40年間、コンスタントに一箱を吸い、日々はほとんど疲れ切ったボロ雑巾のように生きているのに。丈夫な体をくれた親に感謝したいと思います。 ただ、今回のカウンセリングの先生は呼吸器系の専門の先生で、こうも言われました。 「レントゲンで見る限り特別の異常は見えない。でも僕らの目で見ると肺が汚いと思う。この白い部分にガンが潜

          私が先生をちゃんと死なせます

          たんぽぽ

          掌の内に小さき闇をあたためて組織に生きる日々こそ流離 かつてこんな歌を作りました。「流離」というのは「さすらい」とも読み、「他郷をさまよい歩くこと」です。手のひらの中に「小さな闇」を忍ばせて組織という現実を生きることは「流離」である、みたいな内容です。ちょっと気取ってましょうか。 僕のように小さな人間は組織の中で、それに歩調を合わせて生きることはなかなか難しいのですが、それだけではなく、63歳にもなって転勤してそれまでの足場を失ってみると、生きにくかったのは組織のせいでは

          テレビ雑感

          過去記事を加筆訂正しながら一つのマガジンに整理を試みています。その中で割と自分が好きな記事を再掲してみたいと思います。記事にスキやコメントもいただいているので、こんな「妙な」投稿になりますがよろしければお付き合いください。 なお、まことに勝手なお願いで申し訳ありませんが、このページ自体は順次削除したいと思いますので、もしスキやコメントなどいただける場合には元記事にお願いできればと思います。 マガジンはこちらです。

          ある浮浪者のこと

          勤務形態を変え時間に余裕が生まれたので、でも、そんなに多くの記事をバンバン書ける能もなく、そこで過去の記事を見直しながらマガジンに整理してみようかと思いました。 過去の記事でスキやコメントもいただいているので、こんな感じの「妙な」投稿になりますが、よろしければお読みください。 *なお、まことに勝手なお願いですが、このページ自体は順次削除したいかなと思っていますので、もしスキやコメントなどいただける場合には元記事にお願いできればと思います。 マガジンはこちらです。

          ある浮浪者のこと

          初桜

          前回と似たような自分本位な記事で申し訳ありません。 3月は卒業式、離任式でいろんな方から花束をいただきました。 花束をいただいて 春のはぐれ雲 昨日は部活の生徒たちが送別会をしてくれ、今日は強風の中、最後の練習をしてきました。たくさんの餞の言葉をいただき、時を共に過ごすということの大切さを改めて感じました。 この子らと巡り会えたことを感謝したいと思います。 初桜 別れの言葉あたたかく 根拠もなく自分はまだまだ若いと思っていたのですが、生徒がこの1年の写真とビデオを

          さよならを空高く

          今回の異動で転勤することになり、勤務も再任用のフルからハーフに切り替えるため、基本的にはテニスの指導から足を洗うことになりました。中学以来、考えてみれば50年間もテニスに関わってきたなあと思ってみたりします。 まったくの個人的な感傷にすぎない記事で申し訳ありませんが、昨年4月、現在の3年生がインターハイ予選を迎える時に送ったラインのメッセージに、少し言葉と写真を足して、とりあえずこの学校での「自分の締め括り」を書かせていただきたいと思います。 試合当日の朝のメッセージなの

          さよならを空高く

          恩師?にインタビュー

          教育学部に進学した教え子が「母校の恩師にインタビューして来い」というレポート課題を出されてやって来た。 先生の一日の過ごし方を教えてください。 あのね、僕はだいたい6時45分に起きて、7時に出勤するの。最近は早く目が覚めてしまうことが多いけど、起きていきなり朝ごはん、すぐ着替え。その間、15分。すごいでしょ。車に乗って50分くらい、混んでいると1時間以上かかる時もあるかなあ。 学校に着くとバタバタ新聞のコラムを切り取って印刷して各クラスに配布。8:15から打ち合わせ。続

          恩師?にインタビュー

          山桜

          山桜 ゆらり ゆらりと ゆらりと孤独

          「とみに」ってなに?

          先日、部活動の引率でテニスの試合に行った時、女子生徒と他の選手の試合を見ながら、「あの選手は派手さはないが、プレーにそつがない。見習わないといけないね」と言ったら、生徒にきょとんとされた。「そつがない」という言葉が未知との遭遇であったらしい。 同じ日、試合を終えたペアがアドバイスを聞きに来たので、あるミスを指摘し「君たちは最近そのミスがとみに多くなった」と言ったところ、二人はアドバイスの内容などそっちのけで「とみにって何?」と首をかしげあっている。 「君らは日本人か?」と問

          「とみに」ってなに?

          春を待つ心

          多くの方には無縁と思いますが、今日は国公立大学の前期試験の日。生徒たちは北海道から九州まで出かけて受験。ここは雨ですが、雪は大丈夫かなあと思いながら過ごしています。 ただ、一昨日、前期試験対策の講習と個別指導を終え、在校生も学年末試験のテスト週間なので部活動もなく、昨日と今日は完全休養日。悪戦苦闘している生徒には申し訳ないと思いながら、のんびり過ごしています。 昨日はいい天気でしたね。 富士山もすっかり雪化粧。 猫にせがまれて、午前と午後に一回ずつ散歩。 あちこちにフキ

          葡萄に足音を聞かせる

          今年度途中から、学校でAIによる採点システムが試験的に導入された。どうでもいいが、その名を百問繚乱と言う。多忙を極める教員たちはこれに飛びついた。あっという間に採点は済み、合計点はもちろん、順位や偏差値、設問別の正答率もあっけないほほ瞬間的に出してくれる。来年度から本格導入されるらしい。 採点は勿論だが教員になった頃はPCなどなかったから、大抵のことは「手」で行われていた。成績をつけるときも手計算、教科から出された伝票でクラスの成績一覧表をまとめるのも手写し、通知票も僕の下

          葡萄に足音を聞かせる

          カレーうどん

          老人の病気の話など聞きたくないとは思うのだが、ご勘弁いただきたい。 夏の暑さが過酷なせいであろうか、10月の空気が冷んやり頃から疲れが出はじめ、口内環境が悪化、次いで歯が根元から痛み出して物がうまく噛めなくなり、そのせいで次第に胃が傷み出した。 なんと、これは一年前と全く同じ経過で、前回は年が明けてすぐに胃カメラを飲み、多分その時にコロナに感染してしまった。 そこで今回は病院を避け、胃に負担をかけないよう、夜は「うどん」ばかりを食べていた。1ヶ月もそんな生活をしていたら今度

          カレーうどん