文章を書き書きします。

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最近の記事

【ショート舞台脚本】告白

〇高崎未央…26歳 婚約を控えている。 〇西木圭太…26歳 未央と別れてから彼女はできない。  2年前まで付き合っていた。 〇20時過ぎ。2人は駅前のコメダで待ち合わせをしている。  先に圭太が着いてアメリカンを飲んでおり、時折腕時計を確認している。  そこに未央が遅れてやってくる。 未央「ごめんごめん、お待たせ。え、てか久しぶり」 圭太「久しぶり。別れてからだから2年振りとか…だよね?」 未央「そっかあ。もうそんなに経つんだ」 圭太「そうだよ。てかそんな久しぶりなのに遅

    • 【ショート舞台脚本】教科書

      登場人物 〇芦田直樹…社会学部1年生 〇高原杏香…社会学部2年生 舞台 〇大学の教室前 〇4月、大学のとある教室前。 新入生の男子(芦田)が慌ててスマホを操作している。 芦田「うわちょっと、マジでどうしよう」 芦田の近くを2年生の女子 (高原)が通りかかる。 高原「あの、どうしたんですか?」 芦田「あ、えっと、教科書販売の日程を間違えてたみたいで」 高原「うっそ。けっこう大変じゃん」 芦田「しかも必修のテキストなんですよ。あの、もしかしてあなたって」 高原「私は2年」 芦

      • マイベストソング25 2023春

        大人になるにつれて低気圧にも生理痛にも勝てなくなってきた。今日は1日ちょっとだけプロットを考えて、あとは溜めてたテレビとYouTubeを見てずーっとスマホをいじっていて、気が付いたら21時を超えていた。時計を見て気持ちが空洞になっていたら1か月くらい前に書き始めたこのnoteの存在を思い出した。完成させて公開させるくらいはしないと土曜日が可哀想すぎるので今日出します。 ――――――――――――― 音楽を聴くのが好きです。ただ「趣味は音楽を聴くことです!」と胸を張って言えな

        • 深夜にピーナッツバター 2

           スーパーの自動ドアを抜けて一目散に向かうのは、いちばん遠い総菜コーナーだ。というか基本、そこにしか興味がない。総菜は週替わりなのか気まぐれなのかわからないけれど、ラインナップは日によって変わるから、毎日来ても全く飽きない。腕時計を確認すると二十時を少し回ったところだった。里奈と別れてからせっかく都心に出たのだからと駅ビルに入っている店を見て回ったり、デパ地下でおしゃれなお菓子を見たりして、電車に乗って最寄り駅に着いた。北口から出たら家に早く着くけれど、わざわざ南口改札を通っ

        【ショート舞台脚本】告白

          深夜にピーナッツバター 1

          生まれて初めてスーパーで買った総菜の唐揚げを一口食べた瞬間から、私の生活はまるごと変わった。 「今日の卵焼き、すごく美味しかったんだけど隠し味ははちみつ?今度俺も作ってみたいんだけど。そうだ、次の休みにお弁当作ってピクニックしようよ」  汰依が喋り出す直前、私はふだん家ではつけない赤いリップでぐりぐりと武装した唇から「別れたいんだけど」と絞り出したのだけれど、1LDKにあふれた生活音にかき消されてしまった。テレビからは最近注目されている若手芸人のがなり声が、キッチンからはレ

          深夜にピーナッツバター 1

          チョキピースな2月、それに比べて春は最悪

           あまりよくないことが立て続けに起こって体調もメンタルも底だった1月に比べれば、2月はまだ良い感じで過ごしている。ただ、個人的に四季は秋冬冬冬が良いと思っているので、お日様が肩をぶん回して日が長くなり、ダウンがいらなくなるほど暖かくなってしまうと思うと涙が出るくらい憂鬱。特に4月は入学や就職など新しいことが始まる季節で、いろいろなことが期待に満ちていてキラキラしていて気持ちが沈む。私は根っから暗い性格なので「明るい」「あったかい」「キラキラ」みたいな陽の事象が総じて苦手なのだ

          チョキピースな2月、それに比べて春は最悪

          2023年私向きじゃない

          自分の体調不良、友達とちょっとしたいざこざ、絶対に行きたかった舞台の落選、親の入院、仕事のミス もうおしまい

          2023年私向きじゃない

          いい曲なのに歌詞の意味がわからなくて考察ブログに頼るのやめたい

          無事に過ごした一年だった。読んで字の如く『何事も無かった』。 バイト→部活→バイト→バイト→部活→バイト→部活→バイト をひたすら毎日繰り返して体も心も限界突破、業界用語で言えば“飛ぶ”寸前だった大学時代を思えば幸せな日々を送っていると思う。 会社はほとんどリモート勤務になって、家にいる時間が多くなった。休みの日には朝早く起きて散歩をしたり、友達と旅行に行ったりもした。唯一の趣味といえるお笑いも、去年よりも劇場に行って生ものとして観ることができたし、小劇団の演劇公演なんかに

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          ダウドキュを観ました

          ダウドキュを配信で観た。初めてダウ90000を生で観たのは去年の夏のユーロライブで、その日の私は劇団地蔵中毒を観たくて渋谷まで行ったんだけれど当日キャンセルで、代演で出てきたのが彼らだった。 『やりがい』と『元カノ』のコントを観た。M-1 一回戦でお笑いファンの間では名前は知られ始めていたころだと思うけど、客席の温度感は決して高くはなかった気がする。芸人だらけのライブに一組だけ完全に芸人とは言えない人たちが出てきて、名前は知ってるなんか面白いらしいじゃんどんなことをやっている

          ダウドキュを観ました

          リップがとれたら艶めかしい女になりたい

          上期の仕事が終わって昇給が決まった。景気は良くないはずなのにありがたいと思った。ボーナスも、ほんっとうに少しだけど、今月末に振り込まれる。来月はおじいちゃんの誕生日なのでなにをあげようか今から迷っている。ラジオを聴きながら池袋のデパ地下でお菓子を物色する時間、大好き。 ネイルサロンに通い始めた。大体3~4週間ごとに行っているのだけど、必ず両人差し指が欠ける。たぶんお風呂で頭を洗う時にがっしがっしに指に力を込めているからだと思う。ネイルのためにはやめたいけれど頭皮の不快感を消

          リップがとれたら艶めかしい女になりたい

          あとは春と秋のうた

          最近マイヘアを聴いている。 春くらいにサブスクが解禁されてそれからだから、歴は全然浅い。真赤とか元彼女としてとかメジャーどころは知ってたけど、最近は他にいろいろ聴いている。 椎木さんはいろいろな曲の中で恋人がいたり、喧嘩したり、恋人が家を出て行ったり、週刊誌に撮られたりしている。最初と最後のは実現してたな。それにしても、椎木さんが作る曲って恋愛ソングしかない?体調によっては全部同じに聴こえるなって思いながら聴いてる。たぶん私に恋人がいたり、恋人と喧嘩したり、恋人が家を出て

          あとは春と秋のうた

          東京 完

          「いつか売れるといいですね」  彼女が発した言葉には何の他意もないだろう。 「いや、実はもう辞めんねん」 「え?いつ?」  少し間を置いて、明日だと答えた。菫は目を真ん丸にして口元を押さえた。なにかの動物に似ていると思ったが、僕は生き物の分野に明るくなかった。 「菫ちゃんは東京に住むんか?」  話題を変えようとしたが初めて彼女の名前を呼んだので、少し声が上ずった。 「住みたいなあ。今日来て改めて良い街だなって思いました。こんなワクワクする気持ち、長野じゃ味わえないもん」  上

          東京 完

          東京 1

          織田作之助青春賞2021 三次選考落選作です。私はもう出せないので誰かの参考になれば幸。 ——————————————————-  太陽は一つしかないはずなのに、東京の暑さは他とは違う熱を帯びている。その熱はどんどん僕の体力と路地裏の日陰を奪い、僕をここ以外のどこか涼しい場所に追いやってしまいたいようだった。  手に持っている数枚のチケットには、随分前から汗が滲んでいる。誰かに配るために刷られた紙のはずなのに、とても他人の手に行き渡れる代物ではなくなっていた。コンクリート

          東京 1

          最近のまとメモリー

          最近のできごとを一挙に列挙していきます。 ・誕生日 ちょっと前、1つ歳をとった。とる前まではむっちゃ嫌だったけどなったら別にどうってことなかった。誕生日が近い幼馴染と鉄板焼き(お手頃価格)でお祝いした。今シーズンは諦めていた白子と牡蠣をいただいた。牡蠣を食べるためだけに広島へ行きたくなった。牡蠣を食べるだけだと勿体ないから、他にもいろいろしたい。1回だけ研修で行ったことがあるけれど、観光らしい観光ができていないなあと焼き牡蠣を食べながら懐かしくなった。 苦手なワインを飲んで

          最近のまとメモリー

          悲しみに暮れマンデー

           月曜、久しぶりに恋愛ドラマを見た。「今日は帰ったら絶対にドラマを見る、残業とかは絶対にしませんよ今日は」と思いながら仕事をこなしてしっかりと残業をしつつも、放送時間の30分前にはばっちりスタンバイは完了していた。こうしてドラマに向き合うのは半沢直樹以来だったと思う。  かいつまんでドラマの内容をいうと、恋愛未経験の27歳女子が恋愛刹那主義(いいように謳っているが誰とでも寝るの意)のシェフと恋に落ちる的なあらすじだった。  楽しみにしていた理由は主演が私の好きなアイドルで、

          悲しみに暮れマンデー

          【ショートショート】業

           さまざまな人で混み合う電車のなか、目の前に立っている人が妊婦マークを付けていた。妊娠初期なのかスリムな体型だから、マークがなければ気が付かなかった。  《おなかに赤ちゃんがいます》マークを見て咄嗟に立ち上がれる人は健康であることにくわえて、脳に親切だとか気遣いが組み込まれているんだと思う。私はそうではないから、触っていたスマホを鞄に仕舞い、姿勢を正して頭の中で「よろしければどうぞ」を数回練習してから、慎重に腰を浮かせる。 「よ、よろしければ、どうぞ」  妊婦は「すみません」

          【ショートショート】業