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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み…

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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み物の写しはまったり保管作業中。 使い勝手が違うので色々模索してる。 暇つぶし、雑談の種にでもなれたら嬉しいな。

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  • さっくり

    検証、考察、まとめなど、中の文章を読み飛ばしても内容把握に差し支えないもの。 また、小説は掌編以下が目安。

  • じっくり

    それなりに腰を据えて読む分量。 短編以上が目安。

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見つけてくれてありがとう

「見つけてくれてありがとう」慕っている配信者が時に嬉しそうに、時に畏まって口にしていた言葉。 クリエイターにはきっと身に染みる感慨。 だって、スマホひとつでもはや誰もが表現者。 好きを気軽に晒せるようになったことは、それを強く押し支えてくれている。 好きを気軽に探せるようになったことは、やっぱりそれを強く押し支えてくれている。 好きなものを好きと言えるのは幸せなことだし、好きな人に好きを伝えられるのも幸せなこと。 その意味なら、幸せはわりと気軽な距離まで近づいてきて

    • センシティブを知る機械

      「投稿作がセンシティブ判定くらったー」 「やったじゃん! イラスト?」 「純情短歌」 「あー、人工知能くんのセンサーにはそれでも刺激が過ぎたのか」 「感度高過ぎでしょ。感性誰が育てたんだよ」 「そりゃ創作物を学習した嗜好なんだし、人類の性癖の鏡と見れば」 「……禁忌に触れた気がするわ」

      • 再新星

        「このアイドル、期待の新星なんだとか」 「いつまで新星なんだ?」 「先輩風を吹かすまで?」 「先輩風吹かす星」 「そこはスターって言ってあげて」 「新星は爆発の後、しばらくしてまた新星になったりするが、人間だとな」 「異業種異分野転向か、転生するか」 「人間なら違う宇宙を選べるわけか」

        • 言葉の生まれる場所

          「君、この言葉、辞書に載ってないよ?」 「僕が作った言葉ですから。でも意味は通じますよね?」 「だとしてもだ」 「辞書から言葉は生まれるんですか?」 「言葉は生き物なんだ。とても移ろいやすい。だから受け継いだ言葉を一層大切にしなければ!」 「新語大賞大好き先生には言われたくないです」

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        見つけてくれてありがとう

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          一年生のピカピカ

          「一年生ってさ、何がピカピカなの?」 「真新しさ?」 「肌艶からして違うもんね」 「未来」 「眩い! それは大人に効く」 「あとは無垢? 良くも悪くも。だから悪戯には事欠かない。コンセントにピンセット挿し込んだり」 「春雷イノセンス! そういうピカピカもあるか」 「で、雷を落とされる」

          一年生のピカピカ

          躍る小数点

          「ねえこれ、何か桁がおかしいんだけど?」 「というと?」 「数の並びはたぶん合ってる、と思うんだけどね。小数点の位置が変なの」 「あー、浮動小数点のことですね?」 「え?」 「生々流点、生き生きしてるでしょう?」 「ほんとだー。リアルタイムで動いてるー。奇想点外な才能の無駄遣いだー」

          躍る小数点

          ニードル・スケール

          「家の屋根に穴が空いちゃってさ。拳大の穴!」 「何があったの?」 「針が刺さったの」 「そんな針。……盛り過ぎでしょ。たとえ高速で撃ち込んでもそんな穴は空かないよ。それが針だとしたら、もう棒か槍だよ」 「針だって!」 「千本飲める?」 「一本だって飲めるもんか。巨人の使う針なんだから」

          ニードル・スケール

          ファッティ・タイトル

          「こぶとりじいさんって太ってたの?」 「ああ、瘤取られじいさんなんだよ」 「瘤取り鬼に瘤取られじいさん?」 「うん」 「なら、瘤取り鬼に瘤取られじいさんと瘤付けられじいさんだよ」 「それは小太りな題名だね」 「鬼が瘤だと思って取っちゃったんだ!」 「それで小太りな作品名が増えたのか!」

          ファッティ・タイトル

          あんこ大戦争

          「こしあんつぶあん論争ってあるじゃん」 「どう使うかに依るね」 「小利口はいいの」 「つぶあんはつぶしあんと小倉あんの確執が」 「さてはつぶあん派を分断する気だな?」 「それぞれに美味しいのが一番だって言ってるの。別に食べてくれなくていいんだよ? 私の桜餅」 「……それとこれとは話が」

          あんこ大戦争

          デートのハードル

          「互いを値踏みする二人から熟年カップルまで、映画はデートの定番よね」 「話さずとも間が持つし、共通の話題も持てるからね。活弁の頃もそうだったのかな。芝居よりは気軽そうだし」 「なら誘いなよ。大事そうに握りしめてるの」 「それがこっちは言うほど気軽でもなくて。汗を握りしめてるところ」

          デートのハードル

          シネマ・コンプレックス・コンプレックス

          「やっぱ映画館と来ればこれだよな」 「何でポップコーンなのさ」 「持ち込みを禁じて客単価を上げたんだと。咀嚼音が小さいし、掃除も楽」 「ならポン菓子でもいいだろ」 「経費とアメリカ演出かな」 「拝米なのに米は蔑ろかよ」 「それ巧くないぞ」 「ポン菓子は美味いだろ」 「ポン菓子は美味いな」

          シネマ・コンプレックス・コンプレックス

          とにかくフィルムは燃えやすい

          「そりゃセルロイドはニトロセルロースだからな。けどもうデジタルが主流だろ」 「デジタル化は一方で大衆の声を明瞭に可視化、増幅した。スポンサーがそれを気にしないわけもなく、大作ほど無難に寄りがちに」 「デジタルの燃えやすさな。だが無反応なくらいならいっそ燃えた方が」 「やけくそかい」

          とにかくフィルムは燃えやすい

          映画の醍醐味

          「やっぱ劇場で観客に上映してこそだよな」 「配信だけのもあるけどな。映画館だって商売だ」 「集まって時間を共にする臨場感。子供たちの反応、直向きな声援。あれこそ醍醐味だよ」 「お前が子供向けが好きな理由はそれか。そういう楽しみ方もあるんだな。俺は率先して声出すから気付かなかったよ」

          映画の醍醐味

          魂を抜き取る機械

          「そうか。元は魂を抜き取ると恐れられた発明か。それが映画となり、今や被写体の世界から物語を鑑賞するまでに」 「まあ俺らもヘッドマウントして虚空に話しかけてるんだ。傍から見れば魂抜き取られてるようなもんだよな」 「そうだけどさ」 「冗談だって。普通にログアウトできるだろ? ……あれ」

          魂を抜き取る機械

          梅干し克服作戦

          「最近鍛えてるんだって?」 「部位鍛錬を少々。どうにも梅干しが苦手でさ」 「効果が上がるんだっけ。まあ代替品もあるし」 「その梅干しを克服したいんだ」 「味覚って鍛錬できるの?」 「いや、ぐりぐりの方」 「拳の鍛錬かー」 「こめかみだけど?」 「食らう方かい! 素直に悪戯を止めなさいよ」

          梅干し克服作戦

          梅が披いたから宴を開こう

          「新春、好天で梅が薫るなら、宴! 宴を開こう」 「え、花見なら桜なのでは。……さては飲みたいだけ」 「めでたいから祝宴で盛り上げるのよ」 「まだ外は寒いですって」 「酔いが回る頃には心地好かろ?」 「そうですね。やりますか」 「皆で梅の歌でも歌ったりしてね」 「もう、なんですかそれー」

          梅が披いたから宴を開こう