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エッセイのようなバッグを編みたくて。




SOSAKUBAGという名前の手編みバッグを作っています。

楮(こうぞ)という木の皮を使って、色を染めて、一本ずつ編んで生み出すバッグ。
バッグにはそれぞれ色の名前がついていて、色の名前ごとに50文字程度のことばが添えられています。

僕の作るバッグ世の中的には"かごバッグ"と呼ばれるジャンル。
だけど、僕はかごバッグに恋い焦がれてこのバッグを作っているのではなくて、どちらかというとバッグにつけた色の名前をみんなに伝えたくて、その気持ちがバッグという形に"たまたまなった"というような感じがしています。

バッグを作るようになったのは2019年ごろから。
それまでは文章を書いたり、映像を撮ったり、花火師になったり、世界一周したりしながら、僕の中にある”伝えたい気持ち"を具現化する方法を模索していました。

そんななか、世界一周旅行から帰国してジリ貧生活のため、手慰みで始めたつるかご編みに夢中になりました。


たまたま和紙作家のFUUROが使っていた楮(こうぞ)の原料が束になって積まれているのを見た時に、自分のなかで何かがぱちーんとはまって、これをバッグにしようと思いました。

いざ始めてみると、バッグ編みの中に、ぼくが今まで伝えたくても伝えられなかった、行間にある感覚のようなものを一番伝えられるツールだということに気づきました。
言葉だけでは陳腐で、映像では解像度がありすぎて、花火では具現化までに膨大な時間がかかる。

こうしてバッグを編んでいると、僕はただ僕の人生の中で見つけた「ゆかいのかけら」をただ誰かに聞いてもらいたくて、続けているのだなあと思います。

それはきっと、エッセイを書く感じと似ているのです。


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