靴磨き世界一周134日目
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東南アジアでは良く「歩くコンビニ」のような
おばちゃんがいる。
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カゴの中に水やティッシュ、スナックなどを
入れて観光スポットで売り歩く人達だ。
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今日私はマラッカのオランダ広場で路上靴磨き
をしている時に、歩くコンビニのおばちゃんが
ジロジロ私のことを見ていた。
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もしかしたらナワバリみたいなのあるのかな。
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こう言ったおばちゃん達は毎日同じ場所で
商売をしているので、突然現れた私は邪魔
してるんじゃないかと思った。
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「#km%☆☆÷5×+^|\〒」
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何か話しかけてきてるが、マレーシア語で分からない。
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ただあんまり良いこと言ってないような気がする。　　　
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おばちゃんのジェスチャーと単語から読み取るに、
「ここでは靴磨きできないだろう」と言ってる
のを理解した。
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「革靴履いてる人なんて1人もいない」
これがおばちゃんの言い分だった。
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その後もしばらくおばちゃんの靴磨きできない
考察の時間が続く。
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すると私とおばちゃんのやりとりを見ていた
3人組のマレーシア人が話に入ってきた。
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おばちゃんとその女性達はマレーシア語で
何か話しているが、1人の女性はスニーカーを
履いており、少し靴磨きに興味を示している
ようにも見えた。
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だがそのおばちゃんは、なんと「スニーカーは
できない」ということを多分言った。
#多分
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いや、この"おばはん"むっちゃ邪魔してるやん！！
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私の中で、「おばちゃん」から「おばはん」に
呼び名が変わった時は敵の認定である。
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このおばはん何しにきてん！
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このおばはん絶対マレーシアで自粛警察やってたやろ。
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でも、物凄い勢いでおばはんは話していたので、
一旦話が落ち着くまで待とうと思った。
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その話が一段落した時に、おばはんと一緒に話して
いた1人の女性が私の方に向かって話し始めた。
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その方は英語が話せたので、私に通訳してくれたのだ。
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「この方が今、あなたの仕事はすっごく
ジェントルマンだと言ってるよ。」
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え、そうなん！
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「私はサンダルだし、他の人もあなたが磨けそう
な靴を履いてる人は今は見当たらないけど、
これから磨けそうな人がいたら私あなたの所に
その人連れてくるわと言っているよ」
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と通訳してくれた。
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いや。おばはんとか言ってごめん。
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そのおばちゃんは私に3リンギットとティッシュを
一箱渡してくれた。
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3リンギッド稼ぐのにも、このティッシュを3箱
売らないといけないのに。
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このおばちゃんはインドネシアから来た方で
国に息子がいるので帰りたいが、コロナで3年も
会えずにいて、私と息子が同じくらいの年齢で、
「応援しよう」と思ってくれたそうだ。
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この応援が私を前に進むためのガソリン
になったことは言うまでもない。
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どこの国にも路上には宝が落ちている。