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「カンボジアの小学生に靴磨きの授業をした」

靴磨き世界一周アジア編181日目

「次村に行くときは小学校で靴磨きしてよ。

これで稼いだお金で世界一周してるんだってこと
伝えると子ども達の可能性も広がると思うんだ」


そう言ってカデさんは私にトロペアントム村の
小学生達の前で靴磨きする機会を作ってくれた。


今回再び村に訪れたのは、その目的だった。


私達が学校に訪れた時は休み時間で、子ども達は
教室を走り回っていた。


背中に乗ってくる子もいれば、柔らかい棒で
どついてくる子もいる。


チャイムのような音が鳴り、ちょっぴり怖そうな
先生が入ってくると教室が静かになった。


教室に窓はなく、外からの風が直接入ってくる。


トロペアントム村の小学校2年生に向けて、
靴磨きの特別授業が始まった。


私が話したことは、通訳のマリンさんがクメール語
で子ども達に話してくれる。


「なぜ靴磨きを始めたのか」を含めた自己紹介
をした後、靴を一足磨かせてもらった。


言葉はいらない。


ただ黙々と靴を磨く。


時間をかけすぎると飽きちゃうから、
一つの工程をできるだけ短く、しかし大胆な
動きでカッコつけて磨くことを意識した。


外からも視線を感じるなぁ


と思ったら他の学年の生徒も教室の外から
張り付いて靴磨きを見ていた。


全員が初めて靴を磨くところを見ている。


カッコつけて普段よりも大きくブラシを動かす
という無駄な動きを取り入れた。


カンボジアにもいつか靴磨きでご飯を
食べれる職人が現れるかもしれない。


でも、まだ先かな。


靴を磨いた後、少し話した。


「みんなは靴磨き職人になる必要はない。


私は世界一周という夢を叶えるためにはお金は必要
で、だったら世界中お金を稼ぎながら旅をしようと思った。

世界中でできる仕事って何だろうか?

と考えた時に靴磨きに出会った。


自分の夢に挑戦する時にできない理由を話すのではなく、
どうすればできるのかを考えて、実行してほしい。


その過程で素晴らしい職業に巡り合うこともある。


それが靴磨き職人という職業だったら嬉しい。」



カンボジアでは小学校の卒業率も50%ほど。


どうしても職業の選択肢は限られてくる。


私が話したことも現状を考えれば恵まれた環境
で育った外国人の戯言かもしれない。


でも、あの中にたった1人、たった1人でも
やりたいことをやるために、できない理由をかざして
ブレーキをかけるのではなく、できる理由を探して
アクセルを踏んでくれる子がいることを願う。


少なくとも「靴磨き」という仕事が日本に
あることは知ってくれたかな。




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