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「日当600円の洗濯仕事。ムンバイ、ドービー・ガードに行ってきた」

靴磨き世界一周ヨーロッパ編195日目

ムンバイには辺り一体が洗濯で埋まってる
「ドービー・ガード」というエリアがある。


100年以上の歴史があり、世界一の洗濯屋さん
としてギネスにも認定されてる。


インドにはカースト制度で身分を区切るのは
70年以上前に廃止されてるようだが、未だに
身分によって差別を受けたり、職業が決まって
いたりする名残はあるようだ。




「死」や「血」、「体からの分泌物」は"穢れ"
に触れる職業で、カースト制度では身分の低い階級
の人達がする仕事と捉えられている。


「洗濯」も、人間の汗や体液が付着した洗濯物
は"穢れ"として扱われ、カースト制度の最も低い
身分の人達がする仕事として扱われている。


ドービ・ガードで働く人達は、この家族の元に
生まれたら洗濯屋さんをすることが決まっている。


今日は、そんな世界一の洗濯屋さん、
ドビー・ガードに行ってきた。


ネットで事前に調べた情報では、入り口に
ボスと言われる人がいて、その男に150ルピー
支払い、ガイドを1人つけてくれるという
システムだということを知った。
〔円で換算すると2倍。150ルピーは300円〕


ドビー・ガードの入り口に到着すると、
この街のボスと言われてる男が
「中に入るのは1000ルピー必要だ」
と言ってきた。


値段はふっかけてくるとは思っていた。


「150ルピーって聞いてるけど。」
と私はネットで調べておいた情報を伝えた。


「コロナ期間で観光客が減って値上がりしたんだ。
1000ルピーじゃないと入れない。」とボスは言った。


「300ルピーでいいだろう。倍の値段じゃないか。」


「ダメだ、1000ルピーだ。」

全く折れる気はなさそうだ。


私は必殺技を使うことにした。


「ほな、帰るわ。」


「ほな、帰るわ。作戦」は値段交渉で
かなり有効な作戦だ。


これをやるとだいたい折れてくれる。


しかし、ボスは
「いいよ、帰れ、帰れ」
と言ってきた。


「ほな、帰るわ。作戦」が通用しないだと!?


私はここまで来て中に入れないのは嫌なので、
もう一回値段交渉をするために引き返した。
#カッコ悪い


ボスは引き返した私の態度を見て、
こいつはカモだと思ったのだろう。

「入場料1000ルピー、カメラで撮影するなら
+500ルピーで、合計1500ルピーだ。」

と言ってきた。


値上げしとる!!


こいつは何かしらの発信者だから、
絶対に帰らないと思ったのだろう。


「あぁ、もういいや、本当に帰るわ」


ちょっとムカついたので、
今度は本気で帰ることにした。


そしたらボスは
「いくらなら払うんだ?」
と聞いてきた。


「500ルピー」
と答えると、その値段で入れてもらえる
ことになった。


このボスという男は本当にこの洗濯屋さんに関係
ある人物なのか、それともこの辺りに住むチンピラ
なのか、未だに分からない。


ちなみにガイドしてくれたおじさんは
「あの500ルピーは全部ボスが持っていって、
俺たちには何の還元もされないんだ。」
と言って、チップを要求してきた。


私は後にそのおじさんに100ルピーの
チップを渡した。


迷路のようなドビー・ガードの中に入り、
1日のルーティンを教えてくれた。


ホテルや病院、会社のユニフォームを
主に洗濯している。


おじさんは12時間働いて、1日300ルピー
の日当だそうだ。


300ルピーとは、日本円で600円ほどだ。


毎日一日中働いて600円。


おじさんは、学校に行かずに子どもの頃
からここで働いており、ここに住む女性と
結婚をして、子どももここで育てているそうだ。


そして子ども達もいずれこの仕事をする。


ただ、日当300ルピーの仕事にもありつけない
人達も街中にゴロゴロいる。


これがインドのカースト制度なのか。


おっちゃんと最後握手をした時、
手はゴツゴツに固かった。

上から見たドービー・ガード
入り口
1家族に1つの洗濯場を与えられる
ここに住む人達。雨季は蚊がすごい多いらしい




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