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ドリルを売るなら穴を売れ 佐藤義典

序章 マーケティング脳を鍛える
本質的には、顧客にとっての価値を売り、その対価として、顧客からお金をいただくことだ。
ベネフィットは機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットに分類できる。
機能的ベネフィットは、早い便利うまい、はやべんうまい
情緒的ベネフィットは、顧客の感情の分だけ無数に存在する。

第一章 あなたは何を売っているのか
売れている商品は価値が高い
価値の源は三大欲求「生存欲求(肉体的な快楽)」「社会欲求(他人との関係においてよく思われたい)」「自己欲求(他者とは無関係に自分の中で完結する)」
やれば給料が上がる(生存欲求)
やればみんながすごいと言ってくれる(社会欲求)
やればこんなに学べて成長できる(自己欲求)

第二章 誰があなたの商品を買ってくれるのか
心理的なセグメンテーション「そこそこ正確で低価格」「正確で手間いらず」「デザイン重視」「ブランド重視」
「狙う」ことは「絞る」こと
絞らなければ誰にも売れない
若者向けの料理とシニア向けの料理を同時には狙えない。顧客が混乱する

第三章 あなたの商品でなければならない理由をつくる
顧客に業界の垣根はない
自分の求める欲求を満たすことができれば、顧客にとって業界の垣根などどうでもよい
価格競争は買い手には福音だが、売り手には疲弊をもたらす。賃金カット長時間労働、中国への生産移転など、そこで働く従業員にあまり良いことは起きない。買い手も売り手も幸せでなければならないと思うし、そうでなければ関係は長続きしない。だから、価格以外の要因で差別化を行った方がよい。
競合よりも高い価値を顧客に提供すること、つまり、提供する価値の競合との差が差別化なのだ。
顧客にとっての価値①手軽軸(はやくやすく便利)②商品軸(とにかく良いもの)③密着軸(いつもの店)
差別化軸は必ずどれかに絞る
自分の選ぶ差別化軸によっても絞るべきターゲットは決まる。
問題は一貫性。

第四章 どのようにして価値を届けるか
何を売っているのか、あなたは何屋かという問いは、あなたがどんな顧客のどのような価値を実現しようとしているのか?という問いと同じ。

勝つ人とはどんな人か?一番勝ちたい人

第五章 強い戦略は美しい
価値を提供し対価をいただく
TDRが提供しているのは情緒的ベネフィット
TDRの平均滞在時間は8.4時間。8時間いればまず2食はするだろう。アトラクションに乗るのに対価を払うのは心理的な抵抗があるだろうが、食事に対しては誰も当たり前だと思って財布を開く。
テーマパークというよりも、巨大なショッピングセンター。アトラクションは全施設の1/3,残りは物販と飲食店
その結果として客単価9,220円という素晴らしい数字を挙げている。
「割引はしません。5回いらしていただいたお客様には、この搾りたてのシチリアオレンジジュースを差し上げます。正々堂々と味でお客様に挑みます。」商品軸で差別化する、という高らかな宣言だ。
想いとは相手の心と書く。相手の心を考えること。お客様、上司、同僚、みんなの心だな。

おわりに
人が大きく伸びるには3つの条件があると思う。ひとつめは、自分の実力を超えるゴールが設定されること。ふたつめは、自由に動けて自分でその責任を負う、という自由と責任のセット。自由だけでは無責任になり、責任だけだとやる気を失ってしまうのだ。三つ目が、支えてくれる指導者(メンター)の存在。

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