見出し画像

【イベントレポート】第2回ソトナカ交流会に約30名が参加

 ソトナカプロジェクトでは、ソトからきたナカのひと(経験者(中途)採用人材)と新卒で霞が関に入った生え抜き職員、さらには各省庁の人事担当者などが所属を越えて繋がり、学び合える場として、交流会を開催しています。

 昨年6月の初回に続く第2回として、1月24日夜に霞が関近くの官民共創HUBにて交流会を開催し、様々な府省庁から約30人に参加いただきました。今回は、霞が関の中でも特に経験者採用に熱心に取り組んでいる経済産業省と農林水産省の人事・採用担当者を特別ゲストにお迎えし、それぞれの省における採用活動やオンボーディング(定着支援)の取組について御紹介いただきました。

~農林水産省の取組について~

農水省からは秘書課監査官の笠原健さんにお越しいただき、農水省の中途採用や定着支援における「当たり前の取組」を御紹介いただきました。

農水省の笠原さん(左から2人目)

 中途採用を行うに当たっては、新卒者と同様に「当たり前のことを当たり前のようにちゃんと行い、共有する」ことがモットーです。農水省では、年に複数回公募を行うなど、ほぼ通年で中途採用を実施しています。転職サイトを活用したり、土日を含めて採用説明会を実施したり、忙しい社会人の皆さんと私たちがお互いにチャンスを広げられるように工夫しています。中途採用者にどういう能力が必要なのか、「調整力」「法令能力」といった抽象的な概念を可視化することにも取り組んでいます。
 また、せっかく入ってもらった人に、定着してもらい、能力発揮してもらうことも大きなポイントです。メンター制度の導入、社会人同期の入省者への紹介、定期的な人事面談、中途採用者同士の交流支援といった、皆さんが活躍できる環境整備を行っています。こうした取組により、キャリアモデルが可視化されるなど、入った方の「心理的安全性」を確保することが重要だと考えています。
 中途採用者の皆さんに期待する役割についてお話しすると、中途採用を開始した当初は、「人手不足の補完」を目的にしていた面もありました。今では「内部に変革を起こす」ことを望んでいます。
 農水省は、平成20年から中途採用実績があり、中途採用者がいることが当たり前になってきています。秘書課としては、中途採用者の皆さんを良くも悪くも「特別扱い」することなく、新卒採用者と同様に扱い、当たり前のことを地道に行っていくことが重要だと考えています。 その中で困っていることがあれば、ドンドン聞いてもらえる環境を作ることが大切だと思っています。

~経済産業省の取組について~

経産省からは秘書課人事企画官の茂木高志さんにお越しいただき、経産省の目指す人事・採用や働き方についてお話しいただきました。


経産省の茂木さん

 経産省では、大きく4つの柱からなる人材戦略を進めています。経験者採用に関しては、2030年までに新規採用者の3割を経験者から採用すると公表しています。現在、本省の約2700人の職員のうち約500人は官民交流や自治体、任期付職員など外部人材ですが、2022年度の経験者採用の実績は20人ほどであり、これを2倍にすることを目指しています。
 定着支援として、入省して1日目に何をするか、2日目に何をするか、というプログラムを準備しています。
 採用活動を通じて、「選ばれる職場」であるための競争の厳しさを体感しています。このため、「新規採用者の3割を経験者採用とする」といった、経産省の意欲的な取組を世間に周知することや、働き方が変化していることも踏まえて「働きやすさ」と「働きがい」の両立させることが重要だと考えています。
 霞が関は「人脈で仕事をしている」などと言われますが、実際、人のつながりは大変重要です。その点、経産省には経験者採用者が自分たちでつくっているコミュニティがあり、秘書課もそこにご案内したり、交流会を開催したりしています。
 採用活動にあたっては、本年から通年での採用を始めました。また、今般、秘書課内に経験者採用担当の課長補佐を新しく置きました。さらに、課長級・室長級の経験者採用の募集もやっており、秘書課に私と同格の管理職の民間人材を公募するなど、組織をアップデートしていくための力を求めています。
 

 
 この後、参加者の皆さんに5名程度のグループに分かれてもらい、農水省・経産省の取組について感じたこと、経験者採用で入った際の課題などについてディスカッションをしてもらいました。どのグループも議論が尽きず、各グループからの報告では「職種の壁があり、総合職以外は交流の機会や情報に恵まれなかったりするのでは」「キャリアパスの可視化が課題」「経験者として入って長年経つが、まだ職場でお客さん扱いされる」「隣の席の職員が丁寧に教えてくれてすんなり馴染むことができた。そういう職員を評価し、増えるような仕組みを作ってほしい」といった内容が紹介されました。
 

グループディスカッションの内容を報告する参加者


 交流会の終了後には、軽食を取っての懇親会を開催。中途採用の仲間同士で、日々の職務で疑問に思っていることを聞いたり、悩みを相談したり、連絡先を交換したりと、府省庁の枠を超えてネットワークが広がっている様子が見られました。
 交流会は今後も随時開催していく予定ですので、ぜひ霞が関の多くの方のご参加をお待ちしています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?