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【レポート】人事院主催、霞が関の課長力向上研修でソトナカプロジェクトが講師を務めました

去る1月13日(金)午後に、霞が関の各省庁の課長級職員を対象とした人事院主催の3日間の行政研修・課長力向上コースが開催されました。
その一コマ、「若手職員を交えた組織・人事マネジメントに関する対話」セッションにおいて、ソトナカプロジェクトが2時間の講義及びワークショップのファシリテーションを務めました!

ソトナカ発起人のひとりである人事院の東が、研修の進行や背景説明を担当

研修テーマは『若手の考えるこれからの公務運営と人材育成~課長補佐級の中途採用を考える~』。私たちソトナカ人材の上司が考える中途採用のメリットや課題、登壇者が苦労したこと・しなかったことなどを紹介したのち、ディスカッションを展開しました。
会社によっても肩書の種類や名称は異なりますが、官の世界で言う「課長補佐」は、管理職一歩手前の職位です。一方、今回、研修参加者のみなさんは課長級。つまり、この「課長補佐」のポジションを経験してきた立場の方々です。実務を中心的に推進する課長補佐に求められる役割は幅広く、様々なスキルが要求されるということをきっと実感されているはず。課長補佐に求められるスキルを言語化することをきっかけとして、生え抜き職員も中途採用者も関係なく、組織のパフォーマンスを最大化していくために重要なことは何だろう?ということを登壇者も含めて全員で考えたいとの思いから、この議題としました。
※各省庁の課長級の職員24名と、公務に関心の高い民間企業の方14名の合計38名にご参加いただきました。分野もセクターも異なる多様な方々でグループワークに取り組んでいただきました!

登壇したソトナカプロジェクトの発起人及び共同代表は、以下の通り。

それでは当日の様子を時系列にレポートします!

Part 1  INTRODUCTION & INPUT

ソトナカプロジェクトについてのご紹介と、今日のねらいを冒頭にお話しした後、昨年春に実施したソトナカ人材へのアンケートから、彼らが感じている国家公務員というキャリアの魅力、中途採用者の抱える不安や課題をご紹介しました。
その後、今回の研修の前にソトナカプロジェクトメンバーの所属課長にヒアリングした中途採用のメリット、改善の必要を感じた点についてシェア。また、登壇メンバーが霞が関に転職してきて苦労したこと、しなかったことについてお話ししました。

Part 2 DISCUSSION 議題:「課長補佐級の中途採用を考える」


小休憩をはさんだ後、下記の3つのテーマについて、それぞれ各班で10分程度議論。議論の内容を2~3の班から全体に向けてシェアしていただきました。

熱い議論がかわされました

DISCUSSION 1:中途採用か否かにかかわらず、そもそも、課長補佐として活躍するためのスキル要件は何か?

課長補佐として民間人材が霞が関で活躍するには、まず課長補佐に求められるスキルが何かを明確にしなければ人を呼び込めない、という視点で設定したこのテーマ。
各班からは、

  • 世の中の課題と解決策を認識し文書にまとめ、実現に向けてステークホルダーを巻き込んでいくスキル

  • ボトムアップ型の政策決定のキーパーソンであり、政策ニーズの把握と、実現するための省庁の内外との交渉力、知識に基づく企画力や決断力

  • 外部との窓口として接する機会が多く、実務に通じている必要がある

といった意見が出されました。

他方で、もし中途採用者を募集する場合は、これらの全スキルを満たすスーパーマンはそうそういないので、応募者に対してmust(必須スキル) とwant(あればなおよいスキル)の違いを示すことが大事、という御意見もいただきました。

DISCUSSION1の終了後には、DISCUSSION2でよりかみ砕いたスキルの議論をすることを目的に、共同代表の一人である吉井から、「"調整力"の正体に迫る」と題するお話をしました。霞が関で「すごい人」の条件として語られがちな調整力とは何か、どのようなスキルなのかを解きほぐして言語化しました。

吉井の「"調整力"の正体に迫る」のパートで使用した資料

関心のある方は、以下のリンクからより詳細な情報を御覧ください。
解剖!霞ヶ関 「調整力」はビジネスでも使える?(前編)|Volve株式会社|note
解剖!霞ヶ関 「調整力」はビジネスでも使える?(後編)|Volve株式会社|note

DISCUSSION 2:民→官に中途採用者を受け入れることについて、マンパワーの観点ではなくスキルの多様性という観点でのメリットは何か?

ただ人手不足を埋めるだけの中途採用ではなく、スキルの多様性をもたらすという観点から、中途採用者を受け入れることは具体的にどのようなメリットがあるか考えていただきました。

各班からは、

  • 専門的なスキルを持った人に入ってもらえれば、知見が深まる

  • 役所に染まっていない民間の感覚を入れてもらえる

  • 業務上の関連が高い企業・団体と人事交流すれば、官民双方にとってウィンウィンである

といった意見がある一方、役所のカルチャーはトップが変わらなければなかなか変わらないのでは、という御意見もありました。

DISCUSSION 3:中途採用者を自職場に受け入れる当事者として、実際にどのような支援をしていきたいと考えるか?

最後のトピックでは、中途採用した職員がなるべく早くパフォーマンスを発揮できるようにサポートするとしたら、どのような支援をしたいかについて考えていただきました。
各班からは、

  • 事前に分かりやすいマニュアルを提供する

  • 課長が転職者の相談しやすい環境をつくる

  • 早いうちに一人で業務を一通りやってみてフォローできる機会を提供する

  • 暗黙知が多い霞が関ゆえに、それに気づきサポートする

  • 配属先に中途採用者がどのような人であるか事前に共有し、配属後はきめ細やかなフォローをする

との御意見をシェアしていただきました。

最後に、参加者の皆様から今日の気づきについてシェアしていただきました。

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以上、ソトナカプロジェクトとしても多変貴重な機会をいただくことが出来、お招きいただいたことに感謝しております。
ぜひ今回の研修が、ご参加いただいた皆様にとって、霞が関の中途採用について考えていただくきっかけになれば幸いです。


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