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【イベントレポート】最多の約50名が参加 第3回ソトナカ交流会

こんにちは。ソトナカプロジェクトの佐伯です。

中途採用をきっかけに、新卒・中途を問わず誰もが活躍できる霞が関を目指して活動中の私たちですが、昨年1月以来の第3回交流会を1月12日夜、霞が関近くの官民共創HUBにて開催、過去最多の約50名にお集まりいただきました。
各府省庁のソトナカ人材(中途で霞が関に入った職員)や新卒からの生え抜き職員、人事担当者ら、参加者のほとんどが中締めの時間を過ぎても会場に残って熱く意見交換をする様子があちこちに見られ、大盛会となりました。


第1部はパネルトーク

ソトナカ人材の上司や同僚として勤務経験のある方、中途採用人材の獲得・活用に積極的に取り組む各省の人事担当者人事院の幹部など豪華なゲスト5名にお越しいただき、現在の取組や今後の展望についてお話しいただきました。

パネルトークの様子。他省庁の取組を興味津々にメモを取る参加者も。

ゲストは以下の皆様です(五十音順)。詳細なプロフィールはこちらを御覧ください。

・ 祝 彰吾(いわい しょうご)さん
  【内閣官房 内閣人事局 調査官】
・ 植村 隆生(うえむら たかお)さん
  【人事院 事務総局審議官 兼給与第一課長事務取扱】
・ 岡田 美紀子(おかだ みきこ)さん
  【経済産業省 大臣官房秘書課 人材戦略担当企画調整官】
・ 小金 修(こがね おさむ)さん
  【外務省 大臣官房総務課 課長補佐】
・ 酒井 達朗(さかい たつお)さん
  【国土交通省 大臣官房人事課 課長補佐(経験者採用担当)】

ここからは、ゲストの皆様のお話を少しずつ御紹介します。


・ソトナカ人材の意見を各省庁に還元

民間企業で人事畑のキャリアを歩み、昨年から内閣人事局で人材確保などに取り組んでいる祝さんからは、各省庁の中途採用に関する現状について紹介がありました。

中途採用に対する温度感は省庁ごとに差があると思う。例えば関連する民間の業界で転職が活性化している経産省やデジタル庁などは、ものすごく危機感を持っている。一方で、競合する企業がそんなに人材交流が進んでいなければ危機感を感じにくい。
内閣人事局としては、各省庁がやりやすい形で中途採用ができるように、例えば民間の経験年数を国家公務員の処遇にどう換算するかといった点など、運用の工夫は続けていきたい。また、各省庁に中途で入った方の交流会を開催しており、そこで集まった情報を各省の秘書課・人事課に共有して、検討を促したりしている。



・人間関係を繋ぐメンターが重要


霞が関の生え抜き人材であり、民間企業への出向経験もある人事院の植村さんからは、人事院で中途採用の公募を実施した際の苦労?話の御紹介がありました。

川本総裁の秘書室長的なポジションの課長をしているときに、課長と課長補佐の間で様々なことをさばいてくれるポジションが空いており、公募することにした。今から思えば、どういう仕事でどんなスキルが必要であり、それに対する対価はこのくらい、といったジョブディスクリプションを緻密に考えずに公募したことが反省点だが、結果としては極めて優秀な方を採用できた。霞が関は人間関係を使いながら調整する仕事も多く、ソトから来た人に人間関係を繋いでくれるメンターが重要ではないかと思う。


・ソトナカ人材の強みを生かした定着支援

民間企業で人事の責任者を務めながら、非常勤で経産省の人材戦略を担当している岡田さんからは、オンボーディング(定着支援)を積極的に行っている経産省の取組をご紹介いただきました。

私のような副業人材を採用していることからもわかるように、経産省の柔軟性とチャレンジはすごい。経産省はその業務の高度化により、2030年までに年間の採用者の30%をキャリア採用で採りたいと思っているが、優秀な人を採用しても、オンボーディングが失敗すれば即戦力になりにくい。昨年、政策企画委員(各部局の筆頭課長補佐)を中心に、まずはこれだけ分かっておけばいいというオンボーディングの5日間プログラムを作った。オンボーディングは組織に同調していくことでもあるが、どのように外から入ってきた人の視点や強みを生かしたまま定着させていくかがカギだと思う。


・メンター固定せずお悩み相談

外務省の生え抜き人材で、現在は大臣官房総務課で組織改革を担う小金さんからは、同省が職員間のコミュニケーション活性化のために始めた取組を御紹介いただきました。

外務省では「プラっと相談」という仕組みを作り、昨年内閣人事局の「ワークスタイル変革取組アワード」で最優秀賞をいただいた。これは通常のメンター制度と異なり、メンター・メンティー関係を固定せず、他の職員のお悩み相談に乗ってもいいよという職員に自らのバックグラウンド(職歴、専門性、育児・介護経験など)を省内のイントラに掲載してもらい、彼らに対して職員がメールなどでアプローチしやすくする(相談のきっかけを作る)取組。中途採用者のオンボーディングにも活かされている。また、メルマガやサイト掲載といった既存のツールでは職員の「認識に届かない」という問題意識から、省内イベントの実施や、庁舎内のデジタルサイネージ設置など、組織内コミュニケーション強化や組織文化変革のための取組を行っている。


・1人につき2人のメンターを配置へ

国土交通省の人事課で初めて経験者採用を主に担当する課長補佐に就いた酒井さんからは、今後同省がオンボーディングに際して取り組もうとしている内容を御紹介いただきました。

ソトナカ人材は労働力の穴埋めではないので、コアメンバー、組織のリーダーにどうなってもらうかという点を意識している。係長や課のナンバーツーの補佐として、どういうふるまいをすればいいのかを身に着けるのは難しい。そこで、メンターを1人につき2人付けることにした。1人は、同年数の民間経験があるソトナカ人材の先輩、もう1人は社会人歴が同年数の生え抜きの職員。係長や補佐としてどうふるまうかをメンターにサポートしてもらう。
また、質問主意書が当たったらどうするか、国会答弁を命じられたらどうするかといった、ロールプレイ型の研修も実施していきたい。

 

第2部はフリー交流会


中締めで御挨拶をいただいた人事院の植村さん

パネルトーク後は、ソトナカ人材も生え抜き人材も混ざって、軽食を取りながらのフリー交流会を開催しました。
「働いていて、霞が関の仕事の意義を感じるのはどんな時ですか」
「霞が関に入ったときにここが変だと思いませんでしたか」
「生え抜き職員ばかりの部下の人たちに業務の効率化策を理解してもらうにはどうしたらいいでしょうか」
「割り揉め、無駄な時間ですよね」
といった話題にあちこちで花が咲き、中締めの時間が過ぎてしまったことを忘れてしまうほど。
私たちソトナカメンバーも、こうした横のつながりの重要性を再認識しました。

ソトナカプロジェクトは今後もこうした活動を続けていきたいと思いますので、皆様の御参加をお待ちしております。


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