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第30話【最終話】悩みから立ち直るための活動のまとめ

外見に悩みを抱える人に向けて、私の体験を書いてきました。
最後に、私が考えて実践したことのポイントをまとめます。

① 逆説的自信を持つ
自分に自信を持つことができないと、色々なことを頑張る意欲を持てません。
なんとかして、自分に自信が持てるように工夫をすることが必要でした。
私の場合は、脱毛してしまった状況を逆説的に捉えて、「こんなに不遇な状況にあるにもかかわらず、陽気に強く振る舞える自分」を演出することで、自分に自信を持とうとしました。
このアイデアを思いついてからも、逆説的自信を持てるようになるまでには時間がかかりましたが、最終的にはある程度の自信を持つことができました。

② 外見の良さは、第一印象だけに過ぎないことを理解する
確かに外見が良い人は、良い第一印象を与えられるという面で得をします。
でも、人と長く付き合うことにおいて、第一印象というのはあくまで最初の数分の印象に過ぎず、第二印象、第三印象という機会でいくらでも挽回可能なのです。
外見の良さは第一印象を素晴らしくするけど、それだけに過ぎないということを腹の底から理解できると、自分の外見に対する悩みを相対的に小さくすることができました。
ただし、第一印象が特に重要となる仕事があるのも事実です。不特定多数の初対面の人に対応する接客業がその一例です。そういう仕事を選ばないようにするという工夫は、必要なのかもしれません。

③ 居場所を作り、忙しくする
当時を振り返ると、体育会系の部活を辞めるという判断自体は良かったと思います。
ただ、それまで忙しかった日々が、いきなり暇な毎日に変わってしまったという点が大失敗でした。部活以外に、なにか自分が打ち込めるものや居場所を作っておくべきでした。
暇な時間を持て余した私は、その時間を悩みぬくことに使い、暗黒のトンネルに入り込んでいったのです。半年後、サークルに入ることで私はようやく居場所を見つけました。それから、アルバイトを始めたりすることで居場所を増やしていきました。
深い悩みを持っている人は、あまり暇な時間を持たないほうが良いと思います。暇な時間があればあるほど、際限のない悩み思考のループに入り込んで、より一層ストレスを貯めてしまうからです。
居場所を作り、忙しくすること。そういう日常こそが、悩みから抜け出すための仕組みとなるのです。

④ 他人は、自分の外見など気にしていないことを知る
脱毛症になったばかりの私は、他人からの視線をとても恐れていました。表面的には何もないように接してくれますが、心の裏側では私の見た目を憐れんでいると感じたのです。
でも、それは真実ではありませんでした。みんな、他人の顔に注目し続けるほど暇ではないのです。もちろん、脱毛していて可哀そうだなということには気づきますが、それだけなのです。それ以上に、憐れんだり、さげすんだり、自分と区別するなんてことはしていないのです。
私がそのことにやっと気付けたのは、新しい居場所を見つけてからでした。自分1人だけで、この見地を持つことは困難です。温かい人に囲まれることで、外見が悪くても普通に生きていけることをようやく理解できるようになりました。

⑤ かさぶたを作り続ける
上に挙げたアイデアをもとに、私は悩みから抜け出そうともがき続けました。
でも、私の場合は、外見についての劣等感を完全に拭い去ることはできませんでした。
でも、時間をかけて戦い続けることで劣等感を心の奥底に眠らせ、強固な心のかさぶたを作ることで、多少の出来事があっても動じないようにすることができました。

人間が生きていく上で、外見というのも1つの要素にはなるのでしょうが、他にもたくさんの要素があります。健康な体、明晰な頭脳、あふれる好奇心、人をまとめるリーダーシップ、優しさ、辛抱強さ、努力を続ける力、いろいろな要素を合わせて日々の活動を行い、個々の人生を作り上げるのです。
なにか1つや2つ足りない要素があっても、それは仕方がありません。全てを望むのは贅沢というものです。
そして、いつの時代でも、どこの国でも、明るく頑張っている人に対して悪く言う人はいません。多少の逆境があっても、いえ、むしろ逆境があった方が、それでも明るく生きている人のまぶしさが際立つでしょう。

この文書の中でも書きましたが、外見の悩みを抱え続けた私を、両親、家族、多くの友人たちが支えてくれました。本当にありがとうございました。そして、私自身も身の回りにいる方たちを支えていきたいと思っています。

最後に、これまでの私の経験を、一編の詩としてまとめました。(次回)
長い文章だと多くの人に伝わらないので、大事なところを分かりやすく伝えたいという思いで編んだ詩です。飾り羽が生えない孔雀を主人公にしました。
過去の私と同じように外見への悩みを抱えている方へ、この詩が届くことを願っています。

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