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開幕3戦を終えて見えた松本山雅の現状

はじめに

3月26日VS鹿児島。開幕2連勝で迎えたホーム開幕戦は悪天候の中多くのサポーターが足を運んだ。しかし終わってみればみれば1−2で敗戦。昨シーズンからの変化を見せることはできなかった。主導権も90分間で半分以上握られた。開幕2連勝はただ運が良かっただけなのだろうか。鹿児島に敗れたのは運が悪かったからなのだろうか。私はそうは思わない。どちらも、なるべくしてなった結果である。


裏目に出る「前選択」

昨シーズン途中から指揮をとる名波監督は就任当初から「前選択」ということを口酸っぱく言っている。しかし私にはこのことが裏目に出ているように感じる。それは監督と選手で前選択の意味合いが、少しずれているからだと私は思う。名波監督の考える前選択は「楔のパスを多くすること」である。それに対して選手の考える前選択は「捨て玉になったとしても前線にボールを送ること」である。この二つは全く別のサッカーを意味する。ある程度ポゼッションしたい名波監督と、ロングボールで早く相手陣地に入って行きたい選手たち。これが一向に松本山雅の攻撃(ビルドアップ)が改善されない原因であると私は考える。
名波監督の意図はスタメンからも感じられる。開幕2試合は4バックでスタートした松本山雅。守備の面である程度計算できる橋内ではなく、宮部と常田がCBに入った。松本山雅のDFの中では足下の技術が高い二人はビルドアップ時に下からしっかり配球する力を求められている。ある程度ボールを保持した上で試合を作ろうという考えが伺える。


攻撃が停滞するのは出し手が問題?

ポゼッションサッカーの代名詞とも言えるバルセロナやJ1王者の川崎と、松本山雅を比べた際に私は選手がボールを受けるのを怖がっているように感じた。もちろん毎回そうではないのだが、中盤の選手だけを見た際ボールタッチ数がとても少ないように思う。私は最初受け手に問題があると考えた。しかしこれは大きな間違いであった。そもそも今シーズンのメンバー的には、ライン間でボールを引き出せる選手が多い。特に菊井や稲福、佐藤はよく顔を出している。じゃあなぜタッチ数が少ないのか。簡単に言えば出すのが遅い。一人一人の一回でのボールタッチ数が多いため良い位置にいても相手に潰されてしまうのだ。特にDFラインの選手が2〜3タッチでプレーすればというところを、普通に5タッチくらいする。これでは相手も準備ができてしまうし、リズムも生まれない。もっとシンプルに考える必要がある。空いてるところを2〜3タッチで使うということをするだけで変化を出せるであろう。


改善しない失点病

開幕3試合で4失点。もしかしたら決して多くはないと考える人もいるかもしれない。しかし、キャンプのほとんどで守備のトレーニングをしてきたことを考えると私は多いように感じる。頑張って繋ぎに行ったうえで取られてショートカウンターで失点であれば仕方がない部分もあると思う。しかしこの4失点はそういった形ではない。やられるべくしてやられていると言えるだろう。まず、プレッシングがめちゃくちゃである。FWがプレスに行っても後ろがついてこない場面が多々見受けられる。ゴール前の守備ではボールウォッチャーになって簡単に釣り出されることが多い。正直、昨シーズンからの改善をあまり感じない。若い選手が多い分難しさはあるとは思うが、手が付けられなくなる前に、全員でしっかり共通の認識をもっと深める必要がある。


戻ってきた山雅戦士とJ1級の大卒ルーキー

小松蓮

レンタルから帰ってきた山雅のユース出身でもある小松は開幕2戦目でゴールを決めしっかり結果を残した。183センチという高さを武器としたヘディングや身体の強さは見ていてとても安心感がある。足下の技術も高く守備でも献身性を見せる万能型FWに注目!!

菊井悠介

開幕戦で後半から出場すると流経大からのルーキーは足下の技術の高さと高いサッカーセンスを見せ、決勝ゴールをアシスト。デビュー戦でインパクトを残した。続く2戦目でも存在感を出し、3戦目ではプロ初先発。ゴールこそないものの要所要所でレベルの高いプレーを披露。既に攻撃のキーマンになりつつある。J1級のポテンシャルを秘めた大卒ルーキーに注目!!


おわりに

一年でのJ2復帰を目指すシーズンはまだ始まったばかり。名波監督と選手に大いに期待したい!
ONE SOUL!!


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