【書評】「京大的アホがなぜ必要か カオスな世界の生存戦略」

【書籍】

【書籍の概要】

「京大変人講座」を主宰する京大卒の京大教授の著書。
→ 教育者としての立場および、アカデミックな視点から、「京大的アホ」の視座を説いている。
「吉田寮」「卒業式仮装」などに代表されるステレオタイプ的な京大生の生態にはあまり触れていない。
→ ここを期待していると読了後にギャップ感が出ます。

吉田寮とは?(外部リンク)


著書が定義するアホとは?】

・「常識」や「真面目」の対立概念
→ 新しいことをする、新たな学術的な発見をするには、「常識を逸脱」する必要がある。
→ 例えば、天動説から地動説への転換など、過去の歴史からでも枚挙にいとまがない。
・打率は決して高くはない
→ 故に、失敗にくじけない「タフな精神力」が身に付く
・「今すぐ役にたつ」より「おもしろい」ことを優先することが許容される環境が必要不可欠。
→ 近代企業の、目先の利益を優先する風潮とはなかなか相容れない実態。

【著書が定義するカオスとは?】

・正確な予想を立てても、遠い将来のことは正確には予測が困難である。
→ 常識的な予測が大きく外れる現在の社会環境において、「アホな選択肢が正解になり得る」こともある
・生態系において「多様性受け入れる」とは
→ 言い換えると「自分たちが捕食される可能性を排除しない」こと。

【書籍の〆の言葉】

トーマス・エジソン
それは失敗じゃない。
その方法でうまくいかないことを発見したんだ。
だから成功なんだよ。

【読了後の素直な感想】

例えば「打率は決して高くはない」の文脈のニュアンスに代表されるような成功の原理原則は、いわゆる今時の自己啓発セミナーや起業セミナーで多く語られる内容である。

このことはパレートの法則(2:8の法則)に代表されるように、偏差値を問わず全ての大学生世代の人たちがその時点において、なかなか意識的に知るきっかけやタイミングがないであろう内容であると思う。

学生本人の意識とは無関係に、このようなことを知る環境に若いうちから身を置けるということに大きな価値があるのではないだろうか。

【終わりに】

本投稿では、一部のキーワードのみの紹介になりました。もし、「アホ」や「カオス」についてもう少し知見を深めたい方は、書籍の目次レベルでもざっと目を通してみることをおすすめします。

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