北欧神話を題材とした作品感想「戦×恋(ヴァルラヴ)」(5話まで)
Gott kvöld!(こんばんは!)
今回は趣向を変えてアニメの感想など。
ちなみに、私の記事は北欧神話ネタが中心だったりしますので「興味ねーよ」という方はご注意下さい。
また、北欧神話に重点を置いて考え(考察?)てますので、間違いとか勘違いとかあると思いますが、笑って流していただけると幸いです。
今日、dアニメストアで「戦×恋(ヴァルラヴ)」第4話視聴しました。
自分も北欧神話を元ネタにして書いていますので、興味を引かれ、視聴しております。
自分はこの作品の原作を読んでいないのですが、調べてみると元はガンガンの漫画なのですね。
ガンガンで北欧神話というのは自分にとって感慨深いものがあります。
(折角の感想なので1話~4話までの北欧神話関係の部分を中心に書いていこうと思います。)
感想は少し下からです。
北欧神話にはまったきっかけ
中学生だか、高校生頃、同出版社の「魔探偵ロキ」を呼んで、北欧神話を知りました。そして、同時期図書館で「エッダ」を見つけ、当時中二病真っ盛りの自分にクリティカルヒットしたのが始まりです。
巨人を解体して世界を作る神々。何か分からないけどカッコいいカタカナの羅列。そして、ラグナロクへ向かう滅び描写。
もうね、堪りませんでしたよ。
では、長々と自分の経歴を話してもアレなので、「戦×恋(ヴァルラヴ)」の感想(?)に入りたいと思います。
「戦×恋(ヴァルラヴ)」感想
「戦×恋(ヴァルラヴ)」とは
人類に迫りくる悪魔を迎え撃つ9人姉妹の戦乙女(ヴァルキリー)
彼女らの原動力は1人の高校生との“恋”だった――――
「アクマ」というあだ名をつけられるほどの強面の風貌から周囲に怯えられ、上手く他人と関わることができない孤独な高校生・亜久津拓真。
一人の少女を助けたことをきっかけに、悪魔と戦う9人姉妹の戦乙女(ヴァルキリー)の恋人となって育て、人間界を守ってほしいと頼まれる。
その方法は…戦乙女と“恋”イチャイチャをすること!!
9人姉妹と恋人契約を結んだ拓真は彼女らと一つ屋根の下で暮らし、様々な濃いミッションを乗り越え、彼女らを戦いへ導くことに…恋が世界を救うことを証明せよ!
公式より抜粋
いわゆるハーレムモノのラブコメですね。
敵が悪魔じゃなく巨人族なら……(北欧神話脳)
九人の姉妹とのラブコメ
登場人物の9人の戦乙女(ヴァルキリー)という設定。
古代北欧では9という数字が神聖な数を表します。
一番有名なところだと北欧神話の「9つの世界」ですね。
後はオーディンがルーン文字を取得する際、9夜、ユグドラシルに吊られたという話があります。
世界滅亡を予見するオーディン(1話~)
ここら辺は北欧神話でもオーディンは一貫して世界滅亡を防ごうとあの手この手を尽くします。
まあ、北欧神話のオーディンは見ようによっては自業自得感が強いのですが……
後の運命を知ると悲劇的ですが、この話ではどうなるのか。
ちなみに、この作品第1話で「数日とせず、世界は炎に包まれる」とおっしゃられている。
北欧神話ではラグナロクの最後にスルトが火を放って世界を焼きます。
という事はその時間軸で考えたりすると、現在ラグナロク真っ最中って事になるワケです。
ヤバイやん。お父さん(オーディン)現在、生きてるか怪しくない?
フェンリルさんに食われてない!?
栄養ドリンク死者蘇生(3話)
「君の弱った心をグングニルで大量虐殺!」
オーディンさんの呪術でもかけられているんでしょうかw
ちなみに北欧神話界だと、呪術で死者蘇生も可能ですが、おそらくゾンビ的なものだと思います(完全な個人の復活ではなく道具としての肉体の再利用を目的としての復活)
(北欧神話上での)オーディンは自分の息子「バルドル」を生き返らせる事が出来なかった為、彼らの行う死者蘇生というのはおそらくゾンビを作り出すようなモノだと思います。
犬飼(ガルム)さんが持ってた石(3話~)
「エフワズ」のルーンですね。
今回は「協力者の出現」という意味合いで使われたのでしょうか。
ギャラルホルン(3話)
戦闘能力皆無。人の弱みを見つけたら周囲の人間を煽動して騒ぎまくる。通称「騒音クソ野郎」
北欧神話ではヘイムダルの角笛と呼ばれる。
ラグナロクの始まりに鳴る笛です。
そのせいか、「神々が滅びる運命はゴシップだったのか!」とか思ってしまったじゃないか。
射殺しますよ(3話)
そう言って、正体不明で出てきた方。
キャストで見ると「弓削」という名前でした。
キャラクターとして当てはまるのはヘズさんでしょうか?
(兄バルドルを矢「ミストルティン」で殺した盲目の戦神)
父様(オーディン)の箴言(4話)
そして、今回「戦×恋(ヴァルラヴ)」で「オーディンの箴言(しんげん)」について言及してましたね。
※元ネタでの一説がこちら
臆病者は戦から身を守ったら、いつまでも生きられると考える。だが、槍には無事でも、寄る年波は容赦してくれない。
「エッダ-古代北欧歌謡集 オーディンの箴言 第十六節」より
もう、ダイレクトに引用して来ましたね。
こんな事されると妙にテンションが上がってしまいます(だから、今回感想という形で書かせていただいているわけですが)
北欧神話を題材にした作品はたくさんありますが、ここまで直接的なのは意外と少ないと思います。
(名前だけだったり、設定の一部や解釈の一部を使ったり、設定を一部変えて使ってたりetc... それはそれで大好物ですw)
主人公に渡したお守り(4話)
九人姉妹が渡した「ニイド」というルーン。
このルーン、意味合いとしては「困苦、欠乏(転じて必要[Need])」という意味があります。
確かに「必要な学び(※)」という意味もあるようですが、おそらく必要というところの意味合いが大きい気がします。
そして、四話まで見る限り、主人公、拓真くんの成績が悪いのは人間不信のせいでメンタルがやられた結果なのですから、どっちかというと試験(戦い)で勝てるよう、「テュール(戦・勝利)」のルーンが刻まれたお守りの方が良かったのではないかと思います。
※出典
第五話
特に特筆すべき神話ネタはありませんでした。
第六話
今回はミストルティン(ミストルテイン?)が出てきたので、実際の北欧神話との差異について書こうと思います。
ミストルティン
だいぶ正反対の印象で出てきました。
第三話ででてきた矢がミストルティンだったかと思ったけど違いましたね。
今回の話では
「持ち主の身体に宿り、その身体能力を超強化するアースガルズの秘宝」
と解説していました。
作品内で主人公が敵に身体を真っ二つに引き裂かれた時、その意志の力で生き返(?)ります。
なので蘇生自体はミストルティンの力ではないそうです。
あくまで、主人公の意志に反応してミストルティンが力を貸したような感じですね。
北欧神話でのミストルティン
ミストルティンは作品でも言及されていた通り「宿木」ですが、北欧神話においては「災いの矢」と表現されています。
なぜなら、オーディンの息子バルドルの殺害に使われた(そしてラグナロクの引き金になった)のがこの矢だからです。
バルドルとはどういう神様かというと、光り輝く美しい神と表現されています。そして、彼は何にも傷つく事がない存在でした。
(神々があらゆるものに傷つけないように約束を取り付けた)
しかし、一つだけ例外があります。
それがこのミストルティン(宿木)でした。
ここで出てくるのがロキという神様です。
※北欧神話をネタにしているなら、邪神派の邪神とは彼の事ではないかと推測しています。
ロキはミストルティンの存在を知るやそれを持ってヘズに接触します。
ヘズはバルドルの弟でしたが、目が見えませんでした。
ロキはまんまとヘズを騙してバルドルを殺害させました。
だから、実際の北欧神話だったら、アースガルズの神々にとって、秘宝どころか、今すぐにでも捨ててしまいたい忌むべき存在なのではないかとおもいます。
まあ、時期にもよると思いますが、ラグナロクが近いという事から、バルドルはもう殺されているでしょうし……
だから、どうにもミストルティンで「再生」すると言うのが違和感バリバリです。
北欧神話では「死」や「破滅」の印象が強すぎるのです。
どっちかっていうと「秘宝」というより「悲報」をもたらす存在です。
余談:ガルムさん、ヴァルキリー(二葉さん:作品では雷神トールの一番弟子)にフルボッコにされてましたが、ラグナロクでは戦神チュール(ルーンに名が付く位には戦に長けた神)と戦って相討ちになる程の戦闘力は持ってるはずでは?
終わりに
今回で「戦×恋(ヴァルラヴ)」の感想は以上となります。
他の作品でも、北欧神話(エッダ)と比較して記事を書いても面白いかもしれません。
原作の漫画も紹介しておきます。
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