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【車やバイクの話4】エンジンオイルの規格

今回はエンジンオイルの規格に解説します。

エンジンオイルの規格

エンジンオイルには各団体の定めた規格が存在します。

  • API (アメリカ石油協会)規格

  • ILSAC(国際潤滑油規格諮問委員会)規格

  • ACEA(欧州自動車工業会)

  • JASO(自動車技術協会規格)

API (アメリカ石油協会)規格

APIとは、American Petroleum Instituteの略称で、自動車エンジンオイルの代表的な性能企画です。
省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などの性能を設定しています。

ガソリンエンジンオイルは、SAから始まり、2020年5月に施行されたSPまでの13段階のグレードの規格があります。

ディーゼルエンジンオイルは、CAから始まりCFまでのグレードと、CF-4、CG-4、CH-4、Cl-4、CJ-4というグレードが設定されています。

最近のグレードほど基準が厳しく、性能が良いということになります。
認証商品にはAPIシンボルマークが付けられています。

API規格シンボルマーク

全ての試験には数千万円の試験費用が必要となります。
正規のAPI商品の開発には多くの時間と、費用がかかるため、オイルの成分は各社「極秘」となっています。


ILSAC(国際潤滑油規格諮問委員会)規格

ILASCとは、International Lubricant Standardization and Approval Committee の略称で、日米の自動車工業会によって結成された組織です。
API規格と連動しており、APIの基準に加えて、省燃費性能が追加された規格です。
最新の規格はAPIのSPグレードに連動したGF-6A・GF-6Bです。

API規格+省燃費性能の試験に合格し、ブランド名を登録したオイルのみ認証マークが付けられます。


GF-6A


GF-6B


ACEA(欧州自動車工業会)

ACEAとは、Association of Constructors European Automobiles の略称で、欧州における自動車メーカーの団体「欧州自動車工業会」が定めたエンジオイルの規格です。
「エンジン保護性能」や「環境性能」を重視しているのが特徴です。
また、ACEA規格はAPI規格よりも試験のハードルが高いとされています。

エンジンの構造の違いによって規格のカテゴリー分けがされています。

  • ガゾリンエンジンオイル用:A規格(A3、A5)

  • 乗用ディーゼルエンジン用:B規格(B3、B4、B5)

  • ガソリン& DPF付きディーゼルエンジン用:C規格(C1〜C5)

  • 大型ディーゼル用:E規格

欧州車メーカーはオイルに対して独自の要求値を設定し、ACEA規格に自社の要求項目を追加したオリジナルの規格を設定しています。

JASO(自動車技術協会規格)

JASOはJapan Automobile Standards Organizationの略称です。
JASOにより定められたエンジンオイルの規格をJASO規格と呼びます。
4サイクルエンジン向けの「JASO T903」と、2サイクルエンジン向けの「JASO M345」に分けられます。

JASO T903

4サイクルエンジン用のJASO T903は4つに分けられ、
MA規格のMA・MA-1・MA-2と、MB規格のMBに分類されます。

動摩擦維持指数(DFI)、静摩擦維持特性(SFI)、制動時間指数(STI)を測定し、基準指数内ならMA、基準指数以外ならMBとなります。
2006年に新たに、MA-1、MA-2の規格が追加されました。

  • MAJASO T903の中で最も一般的なグレードです。エンジン内部の摩擦や摩耗を最小限に抑え、クラッチ性能を維持します。

  • MA-1:ASO T903の中で高性能なグレードの一つです。
    エンジンの高負荷、高温条件でも安定した性能を発揮します。スポーツ走行のバイク、競技用のバイクに適しています。

  • MA-2:MA-1よりもさらに高性能なグレードです。
    エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出し、過酷な条件でも耐えることができるように設計されています。
    高性能なスポーツバイク、レーシングバイクなどの要求の厳しいエンジンに適しています。

  • MB:ディーゼルエンジン用の規格です。4ストロークディーゼルエンジンに適しています。

JASO M345

2サイクルエンジン用のJASO M345は、FB・FC・FDの3つに分けられます。
FDが最高品質のエンジンオイルとなります。
FBは排気ガスの少ないエンジオイル、F Bは潤滑性、清浄性が高いエンジンオイルです。
FDはその両方を兼ね備えています。


まとめ

エンジンオイルの規格について解説しました。

アメリカ、日本、欧州と各地域の団体の設定する規格、グレードのオイルが存在します。

オイルの選択はメーカーが指定するものや、走行条件にあったものを選ぶようにしましょう。


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