レベチラセタム（イーケプラ®）は非常に使用しやすく, 救急外来での利用頻度は年々増加しています. 静注薬, 内服薬が存在するため切り替えもしやすく, 他の抗てんかん薬と比較し副作用が少ないとされています.
しかし, なんでもかんでもレベチラセタムにはなっていないでしょうか？『ねころんで読めるてんかん診療』という中里信和先生の名著で, 「とりあえずバルプロ酸はNG」という記載があったと記憶していますが, 最近は「とりあえずレベチラセタム」になっているような印象を受けます.
新規の抗てんかん薬は, ①副作用が少ない, ②薬物相互作用が少ない, ③モニタリング不要というメリットもありますが, 副作用がないわけではありません.
レベチラセタムの代表的な副作用が, 抑鬱・不安・イライラ感・易怒性などの精神症状です. 精神症状の出現頻度は抗てんかん薬のなかでも高く, 報告にもよりますが20%程度に出現するとされます.
レベチラセタムを処方する際には常に, こういった副作用には注意しましょう.

Chen B, Choi H, Hirsch LJ, et al. Psychiatric and behavioral side effects of antiepileptic drugs in adults with epilepsy. Epilepsy Behav. 2017 ; 76 : 24-31.

J-COSMO 2020年4月号『スペシャリストがおくるオススメ処方・ダメ処方』
脳神経内科医の松原知康先生が『脳神経内科のダメ処方』としてわかりやすくまとめてくれています.
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『脳神経内科のダメ処方』
①Parkinson病治療薬をいきなり中止するのはNG！.
②認知症に対して漫然と抗認知症薬を継続するのはNG！.
③レベチラセタムは使いやすい薬, でも副作用の認識をもたずに使うのはNG！

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