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2024/04/21 【応援歌整頓論】別球団でも全く同じフレーズかつじキーは同一曲とみなす

(この記事は「応援歌整頓論」の各論です。概論は別記事をどうぞ)

いつもいつも一本の記事のボリュームが多いのが仇となって、更新ペースがなかなか上がらない応援歌整頓論。
ですが、今回は割と守備範囲が明確なテーマなので、そこまでたくさん書くこともなく簡潔にまとまるはず。と信じて、異なる球団で同じ応援歌が使用された場合の取扱いについて論じていきたいと思います。


異なる球団間で応援歌が移譲された場合

楽天球団創設期の移譲は同一曲とみなす

そこまで頻繁に起こることではないのですが、ある球団で使われていた個人応援歌が、対象選手の移籍に合わせて、応援歌も移籍するというケースが稀にあります。私は応援団関係者ではないので、詳しいからくりはわかりませんが、おそらく、応援団間できちんと合意を取った上で引き継がれているものと思われます。
このような場合、応援歌のフレーズもキーも曲の移譲前後で同じであれば、同一曲とみなします。そして、「最終流用時点での応援歌とみなす」ルールがありますので、扱いとしては、移譲後の球団における選手の応援歌として整理することとなります。

はじめに例として取り上げたいのが、'05に新規参入した楽天球団。球団創設時は、合併球団オリックスとの分配ドラフトのほか、他球団で戦力構想から外れた選手を獲得するなど、苦肉の策で選手が集まったチーム状態でした。
また、楽天球団を立ち上げた時点では、応援活動のノウハウもなく、こちらもまさしくゼロからのスタート。このような状況下でしたので、立場上ナイーブな関係にあったオリックスと近鉄の応援歌を除き、その他の球団で応援歌が存在していた選手については、当時の応援歌を楽天で使用させてもらえる運びとなりました。
具体的には、シーズン開始時点で、酒井忠晴(ロッテ時代)、飯田哲也(ヤクルト時代)、山崎武司(中日2作目)、関川浩一(中日時代)、中村武志(中日3作目)の5曲が、楽天に引き継がれることに。さらにその後、益田大介(中日時代)が楽天応援歌のレパートリーに追加され、翌'06には、日本球界に復帰したケビン・ウィット(横浜時代)の応援歌も復活しました。

これらの応援歌は、すべて楽天の応援歌として整理しています。厳密には、曲間コールが変わっていますが、メロディやキーをいじっていない以上は同一曲という取扱い。特に飯田の応援歌は、ヤクルト時代と楽天時代で微妙に節回しが変わっている気がしないでもないですが、この程度であれば同一曲とみなせる範疇と考えます。
なお、これはあくまで私の整頓上の取扱いです。動画作成に関しては、リクエストの受け方によって、移譲前の球団で動画を作ることもあります。というか、楽天に移譲された応援歌のうち、これまで投稿してきた動画は、すべて移譲前の球団のほうで動画を作っていました。

坪井の前奏のみ移譲は同一曲とみなさない

同一曲とみなす取扱いは、あくまで全く同じフレーズかつ全く同じキー限定。ですので、応援歌全体で見たときに違う曲となっている場合は、同一曲とみなす取扱いは適用しません。

この例として取り上げたいのが、阪神、日本ハム、オリックスと現役時代に3球団を渡り歩いた坪井智哉。坪井の応援歌には、PL青学東芝、とプロ入り前の坪井の経歴を歌詞に乗せる特徴的な前奏が、阪神時代から存在しました。
その後、トレードにより日本ハムに移籍した坪井は、阪神時代と異なる応援歌が作られ、前奏も移籍当初は存在しませんでした。しかし、開幕から1か月ごろ経った辺りで、日本ハム移籍後の本編の前奏として、阪神時代の前奏が徐々に演奏されるようになり、いつしか日本ハムでも、坪井の応援歌の前奏として完全に定着するようになりました。
とはいえ、阪神時代も日本ハム時代も、前奏単品で応援歌とみなす取扱いはしておらず、そうなってくると、本編のメロディが異なる以上、別物の曲として整理することになります。

また、晩年にはオリックスでもプレーした坪井ですが、ここでも、本編は阪神時代とも日本ハム時代とも別物の曲ながら、前奏だけは阪神時代からのものが引き継がれて演奏されるケースがありました。
これについても、前奏と本編をセットで応援歌を見た場合、阪神時代とも日本ハム時代とも別の応援歌という整理になります。

異なる球団間で偶発的に同一曲が使用された場合

エイトマンは同一曲とみなす

異なる球団間で同じ応援歌が使われる事例というのは、応援団間での合意の上と思われるものが大半ですが、中には、そういった調整がなされたようには見えず、偶然に同じ曲が使用された事例というのも存在します。
このような、応援歌が使われ始めたルーツが各球団で違うケースであっても、全く同じフレーズかつ全く同じキーであれば、私の整理上は同一曲としてみなします。

例えば、『エイトマン』を原曲とした応援歌。背番号つながりということなのでしょうが、巨人で原辰徳の1作目として使用されるとともに、近鉄でも梨田昌孝から米崎薫臣へと流用された経緯があります。
巨人と近鉄で、曲間コールも違えば、曲中のコールの有無にも差がありますが、応援歌としてのメロディやキーは一緒です。ですので、私の中では同一曲とみなしており、かつ、最終流用時点での応援歌として整理しようとすると、この曲は私の整理上、近鉄米崎の応援歌となるわけです。

エンターテイナーは同一曲とみなさない

この記事で再三申し上げているとおり、同一曲とみなすのは、あくまで全く同じフレーズかつ全く同じキーの場合。ですので、一部分を切り取れば同じフレーズであっても、応援歌全体で見たときに同じフレーズでなかったり、キーが異なったりするようであれば、別物の曲としてみます。

この例として取り上げたいのが、『The Entertainer』を原曲とした応援歌。近年では、ロッテ時代の大松尚逸が、地方球場を中心に演奏されていたことから、大松の応援歌として認識されている方も多いかもしれません。しかし、もっと時代をさかのぼると、門田博光のオリックス時代として演奏されていました。
ロッテ大松とオリックス門田を比べると、曲構成も違えば、キーも異なります。したがって、同じ『The Entertainer』を原曲とした応援歌であっても、ロッテとオリックスで別物の応援歌として整理しています。


というわけで、他にも事例を挙げれば、横浜から広島へ応援歌ともども移籍した石井琢朗ですとか、移籍前の球団と移籍後の球団の応援歌を交互演奏するようになった松永浩美ほか多数ですとか、私も完全に失念していて動画投稿後にコメントで御指摘いただいたロッテ島田茂とヤクルト稲葉篤紀のチャンス法政ですとか、ヤクルトがチャンステーマとして使うちょっと前に実は巨人でもチーム応援歌で使用していた夏祭りですとか、そこまで頻繁に起こらないと冒頭で申し上げたものの、探し始めると類似の案件はいろいろ見つかります。
それもこれも、私の整理の上では、全く同じフレーズかつ全く同じキーかどうかが、取扱いを分けるポイント。考え方は人それぞれかと思いますが、応援歌を整理する一手法として参考になれば幸いです。

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