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作曲備忘録⑬(ディスコな曲)

どうも、サウスンです。
今回はディスコな曲を作ってみました。曲に使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。

今回作った曲

今回作った曲はこちらです。

SoundCloud(音声のみ)

YouTube(MIDI動画付き)

4つ打ちのリズムに合わせたピアノ、ギター、ブラスの伴奏がベースとなった賑やかな感じの曲です。

曲名の「High Collar」は、「西洋風」や「おしゃれ」を意味する「ハイカラ」からつけてみました。(ディスコというと、なんとなくハイカラという言葉が浮かんだので、単純ですが曲名としました。)
ちなみにハイカラの語源は、丈の高い襟という意味の英語「high collar」に由来するようです。「color(色)」ではなく、「collar(襟)」のようです。(私は今まで「color」の方だと思っていました。。)

コード進行

今回の曲のコード進行を紹介します。
ちなみにこの曲は Aマイナースケールで作りました。
(基本は白鍵のみで作ったので、Cメジャーでもいいのですが、コード進行の雰囲気が切なめでクールな感じなので、平行調のAマイナーとして解釈してみようと思います。)
Aマイナースケールのダイアトニックコード(四和音)は以下です。

Ⅰm7:Am7
Ⅱm7-5:Bm7-5
♭Ⅲmaj7:Cmaj7
Ⅳm7:Dm7
Ⅴm7:Em7
♭Ⅵmaj7:Fmaj7
♭Ⅶ7:G7

使用したコード進行は以下です。
1曲を通してこの進行をずっと繰り返しています。

コード進行 前半 4小節(Cubase コードトラック)
コード進行 後半 4小節(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰm---|♭Ⅵmaj7---|Ⅴ7---|Ⅰm9-Ⅰ7-|
|Ⅳm7---|♭Ⅲmaj7---|♭Ⅵmaj7---|♭Ⅶ7sus4-♭Ⅶ7-|

前半 4小節の E7 は Am のセカンダリードミナントです。E7 → Am9 のセカンダリードミナントの進行の後に、同じ小節の2拍目に Am9とルート音が同じドミナントコード A7 に進行します。A7 も次のコードの Dm7 のセカンダリードミナントです。
後半 4小節の進行はダイアトニックコードのみの進行になっています。前半がマイナーコードやドミナントコードが多めだったので、後半はメジャーコードを多めにして変化を出してみました。ダイアトニックコードだけだと少しつまらなかったので、最後の小節は G7 の前に G7sus4 を差し込んでみました。 

各パート

各パートの打ち込み内容など紹介します。

コード伴奏系

〇音源
 ピアノ:Sample Tank 4 (IK Multimedia)
 ギター:AmpleGuitar SC (Ample Sound)
 ブラス:Session Horns Pro (Native Instruments)
 ストリングス:Spitfire Chamber Strings (Spitfire Audio)
 シンセ:Omnisphere 2 (SPECTRASONICS)

ピアノの伴奏は以下のような打ち込みです。

コード伴奏の打ち込み(ピアノ)

C3より上でコード構成音を刻んでいます。ディスコでは 8分裏にアクセントをつけるのが定石のようですので、刻むタイミングもできるだけ 8分裏を意識しています。
C3 以下ではベースと同じフレーズを鳴らしています。ベースの音が少し弱かったので、ピアノの低音で補強してみました。

ギターやブラスの伴奏は以下のような打ち込みです。

コード伴奏の打ち込み(ギター、ブラス)

8分裏でコード構成音を鳴らしています。
また、ブラスはピアノと同様に C3以下でベースと同じフレーズを鳴らしてベースを補強しています。

ストリングスの伴奏は Spitfire Chamber Strings を使用しています。

Spitfire Chamber Strings の画面

Spitfire Chamber Strings は奏法ごとに細かくサンプリングされているため、奏法ごとのトラックを用意してそれぞれ打ち込んでいます。

以下はサスティン系の奏法の打ち込みです。

コード伴奏の打ち込み(ストリングスのサスティン)

基本はコードのルート音を第1バイオリンと第2バイオリンでオクターブで重ねて鳴らしています。ずっとルートで重ねるだけだと単調だったので、たまに 3度や 7度の音を鳴らしていたりしています。

以下はスタッカート系の奏法の打ち込みです。

コード伴奏の打ち込み(ストリングスのスタッカート)

こちらも基本はコードのルート音を第1バイオリンと第2バイオリンでオクターブで重ねて鳴らしています。サスティンとスタッカートを使い分けることで、曲の展開感が出たかなと思います。


メロディ系

〇音源
 ピアノ:Noire (Native Instruments)
 エレキギター:AmpleGuitar TC (Ample Sound)
 サックス:Session Horns Pro (Native Instruments)
 エレピ:Scarbee A-200 (Native Instruments)
 シンセ:Retrologue 2 (Steinberg)

曲の始めあたりのギターのリフっぽいフレーズは以下のような打ち込みになっています。

メロディの打ち込み(ギター)

基本は Aマイナーペンタトニックスケールで打ち込み、ノンダイアトニックコードを使用しているところは積極的にコードに含まれるスケール外の音を使用しています(画像の濃い青のノート)。

ピアノのメロディは以下のような打ち込みです。

メロディの打ち込み(ピアノ)

こちらは Aマイナーペンタトニックスケールというよりは、コード構成音多めのメロディになっています(画像の緑と濃い青のノート)。

ブラスのメロディは以下のような打ち込みです。

メロディの打ち込み(サックス)

基本は Aマイナーペンタトニックスケールで打ち込み、G → G# → A や D → D# → E の半音で動くフレーズを入れています。G# と D# はスケール外の音であり、コード構成音にも含まれてないですが、平行調 Cメジャーキーで考えたとき、D#(E♭)はブルーノート♭Ⅲ にあたります。また、G# はブルーノートではありませんが、同主調の Aメジャーキーで考えたときの導音(主音の半音下)にあたります。以上から、G# と D# を絡めた半音階を使ったメロディを使うと、いい感じのブルース的な雰囲気の響きになります。


ベース

〇音源
 MODO BASS 2 (IK Multimedia)

ベースのフレーズは以下のような打ち込みです。

ベースの打ち込み

ディスコでは、8分でコードのルート音をオクターブで行き交うフレーズが基本のようです。それに加えて、コードの 3度、5度を交えたフレーズにすると、よりいい感じになります。


ドラム・パーカッション・Fx系

〇音源
 ボンゴ、トライアングル:Stylus RMX (SPECTRASONICS)
 ドラム、Fx:Splice「Hed Kandi: Disco House Samples」のサンプル

今回のドラムは打ち込みではなく Splice ループサンプルを使用しました。ディスコでは、4つ打ちのキックと 8分裏のハイハットが基本のリズムとなるので、ドラムのサンプルもそれに合うものを選びました。

ドラムのサンプルはキック、ハイハット、スネアのみのシンプルなものを選んだので、ボンゴとトライアングルの音を追加してにぎやかにしました。ボンゴとトライアングルの音は Stylus RMX のループを使用しました。

Stylus RMX の画面

Stylus の「Core Library」の「Classic Stylus」の中には、ボンゴとトライアングルそれぞれ単体のループパターンが入っているので、合いそうなものを使用しました。

ライザーやヒットなどのサウンドエフェクト系の音は、ドラムループと同様に Splice の素材を使用しました。Splice で 「Disco」と検索し、以下のサンプルパックが良かったので、好みのループやサウンドエフェクトをダウンロードしました。


さいごに

今回の曲はコード進行が最初から最後まで同じものを使用しましたが、各セクションで楽器の構成を変えることでなんとなく展開感はでたかなと思います。メロディの構成も、ペンタトニックスケール主体や、コード構成音主体、ブルーノートを絡めるなど、フレーズに変化を加えることでも曲の展開感が出たかと思います。今回の曲作りを通して、コード進行以外の曲展開の仕方を少し学べたかなと思います。

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