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作曲備忘録⑧(ソニックのエメラルドコーストの耳コピ・アレンジ)

どうも、サウスンです。
最近オリジナル曲ばかりで耳コピしていなかったので耳コピ曲を作りました。曲に使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。

今回作った曲

今回作った曲はこちらです。

SoundCloud(音声のみ)

YouTube(MIDI動画)

ソニックアドベンチャーより、エメラルドコーストのBGM「Windy and Ripply」の耳コピ・アレンジです。基本的には原曲よりのアレンジです。原曲では、メロディはオーバードライブ系のギターの音ですが、私はクリーン系の音で打ち込んでみました。

コード進行

今回の曲のコード進行を紹介します。

Cubase のコード検出機能

今回の耳コピは Cubase12 のコード検出機能を利用して行いました。
この機能は、オーディオファイルに対して自動でコードをつける機能です。

Cubase のコード検出機能概要

読み込むオーディオファイルにもよりますが、検出されるコードはかなりいい感じでした。また、セカンダリードミナントやサブドミナントマイナーなど、理論的にも解釈できる進行が検出されるようなので、この機能を使ってコード進行の勉強にもなると思いました。

Cubase のコード検出機能で検出されたコードの構成から、この曲のスケールは Fメジャーのようでした。(Fメジャースケールのダイアトニックコードやセカンダリードミナント、サブドミナントマイナーなどが多く使用されていました。)
また、耳コピしたメロディも Fメジャースケールで違和感がなかったため、Fメジャースケールにひとまず確定しました。

ダイアトニックコード

Fメジャースケールのダイアトニックコードは以下です。

Ⅰ:F
Ⅱm:Gm
Ⅲm:Am
Ⅳ:B♭
Ⅴ:C
Ⅵm:Dm
Ⅶm-5:Em-5

検出されたコードには、サブドミナントマイナーやフラット系コードなど、同主調のマイナースケール(Fマイナースケール)からの借用和音が含まれていました。なので、Fマイナースケールのダイアトニックコードも記載してみます。

Ⅰm:Fm
Ⅱm-5:Gm-5
♭Ⅲ:A♭
Ⅳm:B♭m
Ⅴm:Cm
♭Ⅵ:D♭
♭Ⅶ:E♭

今回の曲のコード進行はほとんどが以上のコードを使用して作っています。
それでは、各セクションの説明をしていきます。

イントロ

イントロのコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

| Ⅴ - - - | Ⅱm/Ⅴ - - - | Ⅴ7 - - - | Ⅴm7 - - - |
| Ⅴ - - - | Ⅱm/Ⅴ - - - | Ⅴ7 - - - | Ⅴm7 - - - |

イントロはⅤ系のコードでメロディの音を含むコードでまとめてみました。あと、メロディの音程が上昇し続けるので、コードの方も少しずつ音程が高くなるようにボイシングを整えました。

イントロ部分の打ち込み(青:メロディ、緑:コード、赤:ベース)


Aメロ

Aメロのコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

| Ⅰ - - - | Ⅰ - - - | Ⅳ - - - | Ⅳm - - - |
| Ⅲm - - - | Ⅵm - - - | Ⅱm - Ⅲm7 - | Ⅳ - Ⅴ - |

前半は B♭(Ⅳ) → B♭m(Ⅳm) のよくあるサブドミナント→サブドミナントマイナーの進行です。
後半の2小節の方は 2拍単位で以下のような順次進行になっています。
Gm(Ⅱm) → Am(Ⅲm7) → B♭(Ⅳ) → C(Ⅴ)

Bメロ

Bメロのコード進行1(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

| Ⅵm - - - | ♭Ⅶ - - - | Ⅰ - - - | Ⅰ7 - - - |
| Ⅳ - - -  | Ⅴ - - - | Ⅵm - - - | Ⅰ - - - |

E♭(♭Ⅶ) は Fマイナースケールからの借用のドミナントマイナーです。
F7(Ⅰ7) はノンダイアトニックコードですが、♭B(Ⅳ) のセカンダリードミナントです。

Bメロのコード進行2(Cubase コードトラック)

Bメロの後半は Fマイナースケールのフラット系コードの E♭(♭Ⅶ) や A♭(♭Ⅲ) とドミナントマイナー Cm7(Ⅴm7) を使った進行です。

サビ

サビのコード進行1(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

| Ⅰ - - - | Ⅲ7 - - - | Ⅵm - - - | Ⅰ - - - |
| Ⅳ - - - | Ⅳm - - - | Ⅱm - Ⅲm - | Ⅳ - Ⅴ7 - |

A7(Ⅲ7) は Dm(Ⅵm)のセカンダリードミナントです。
また、Aメロ同様の以下のような順次進行を使っています。
Gm(Ⅱm) → Am(Ⅲm7) → B♭(Ⅳ) → C(Ⅴ)

サビのコード進行2(Cubase コードトラック)

ループの最後は以下のような、ルート音が全音でトニックに向かう進行になっています。(マリオ進行)
D♭(♭Ⅵ) → E♭(♭Ⅶ) → F(Ⅰ)

各パート

各パートの打ち込み内容など紹介します。

コード伴奏系

〇音源
 ピアノ:AliciasKeys (Native Instruments)
 アコギ:Session Guitarist Strummed Acoustic 2 (Native Instruments)
 ストリングス:Spitfire Chamber Strings (Spitfire Audio)

コード伴奏の打ち込み(ピアノ)

上記はピアノの伴奏の打ち込みです。適当にボイシングを変えたり、コードを鳴らしてないときはコード構成音で隙間を埋めたりしてます。(緑のノートはコード構成音。青いノートはスケール外だけどコードの構成音のノートです。)

Session Guitarist Strummed Acoustic 2 の画面

Bメロのアコギのピッキングは Session Guitarist Strummed Acoustic 2 を使用しています。この音源は、コードと指定すると自動でピッキングのパターンを演奏してくれるので便利です。(ボイシングも自動でギターのボイシングになります。)

コード伴奏の打ち込み(アコギ)

ストリングスは Spitfire Chamber Strings を使用しました。最近セールになっていたので、高い音源ですが買って今回少し使ってみました。

Spitfire Chamber Strings の画面

Aメロなどでピッチカートでコードを鳴らしたりしてます。あと、サビではサスティンで以下のようにコードの構成音内でフレーズっぽく単音で鳴らしています。(CC1は好みのダイナミクスになるように適当に書いてます。)

コード伴奏の打ち込み(ストリングス)

いつもストリングスは NI の Session Strings を使用していたのですが、それに比べると設定が難しいですが音はかなりいい感じでした。これからは積極的に活用していきたいです。

メロディ系

〇音源
 ピアノ:Noire (Native Instruments)
 エレキギター:AmpleGuitar TC (Ample Sound)
 マリンバ:Mallet Flux (Native Instruments)
 ビブラフォン:Omnisphere 2 (SPECTRASONICS)

Aメロとサビのメロディはピアノとギターを重ねて鳴らしています。ピアノはギターの音を補強するくらいの音量で鳴らしています。
ギターはテレキャスターをサンプリングした Ample Guitar TC にクリーン系のアンプを使用して打ち込んでいます。

Ample Guitar TC の画面

アンプは Waves の GTR Amp を使用しました。クリーン系のプリセットを色々試してよさげなやつを選びました。

GTR Amp の画面(ギターのインサートエフェクト)

ギターにはディレイも少しつけています。プラグインは NI の Replika XT を使用しました。このプラグインは以下の画像のようにディレイのかかり具合がモニタに映し出されるので、視覚的にもイメージしやすいので、最近お気に入りです(あと UI がかっこいい)。

Replika XT の画面(ギターのインサートエフェクト)

ちなみにギターの EQ は以下のような感じです。
他のトラックも鳴らしながら、低音系のトラック(ベース、バスドラムなど)と喧嘩しない程度にローカットしています。あとは高音が耳に刺さる感じがしたので、High Shelf で少し削っています。

Frequency の画面(ギターのインサートエフェクト)

ギターの打ち込みは以下です。基本はピアノと同じですが、CC1でビブラートを加えたり、キースイッチでスライドイン/アウトをつけたりしています。

メロディの打ち込み(エレキギター)

Bメロのメロディのマレット系の音は、Omnisphere と Mallet Flux を使用しています。Mallet Flux はデフォルトの音が空間系のエフェクトが強めにかかっているので、Omnispher のクリアな音のビブラフォンのプリセットと重ねて鳴らしています。

Omnisphere の画面
Mallet Flux の画面

ベース

〇音源
 ベース1:MODO BASS 2 (IK Multimedia)
 ベース2:Sample Tank 4 (IK Multimedia)
 ベース3:Scarbee Rickenbacker Bass (Native Instruments)

ベースの打ち込みは以下です。耳コピ出来なかった部分はコード構成音やスケール内でそれっぽく打ち込んでいます。

ベースの打ち込み

ベースはいつもは MODO BASS 2 だけしか使っていないのですが、イメージする音にならなかったので、他のベース音源と重ねて鳴らしています。

以下は Sample Tank4 のベースのプリセットです。低音の濁った感じが少な目なのでいい感じでした。


Sample Tank 4 の画面

以下は NI の Scarbee Rickenbacker Bass です。低音だけでなく、中音域あたりの音も含まれている感じがしたので、他のベース音を補強するように小さめの音で使いました。

Scarbee Rickenbacker Bass の画面


ドラム・その他打楽器

〇音源
 ドラム:Addictive Drums2 (XLN Audio)
 その他1:Cuba (Native Instruments)
 その他2:Evolve (Native Instruments)

ドラムはいつもの Addictive Drums2 に内蔵の演奏パターンを使用しています。
あと、少しにぎやかさが欲しかったので、NI の Cuba を使用してボンゴなどの音を鳴らしています。

Cuba の画面

Cuba の EQ は以下です。低音部分はドラムとかなり被っていたのでがっつりカットしました。高音も他のトラックとなじむように少し削っています。

Frequency の画面(Cuba のインサートエフェクト)

イントロ部分ではシネマティックな迫力のあるパーカッションを入れたかったので、NI の Evolve の演奏パターンを使用しています。

Evolve の画面


さいごに

今回は耳コピ後のコード伴奏をつける作業に Cubase のコード検出機能を使ってみました。この機能の精度がかなり高く、ほとんど検出されたコードをそのまま使えるような感じで、気になる部分の修正を少しするくらいでした。この機能は今後も耳コピ時に活用しようと思います。

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