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「昔の5万のギターは今の30万?」ジャパンヴィンテージ神話

最近、ギターのいわゆるジャパンヴィンテージに関して、「昔の5万円のギターは、今の30万円に相当する」とかいう議論を時々目にしますが、???と思ってしまいます。

物価の換算は、何を基準にするかが難しいところですが、個人的な体験で言うと、私が高校生の頃、1970年代後半あたり、エレキギターは6万円というのが相場でした。それ以下だと、ニコー通販とかのトムソン、トーマス、ギャバン、フレッシャーとかの怪しいヤツしかなくて、まともなグレコとかフェルナンデスは、そのくらいしました。(ヘッドにトムソンとか書いてあったら、恥ずかしくてライブで使えません。だから、現物を見たことはありませんでしたね。)もちろん高校生にはかなりきつい値段でした。私には無理で、不本意ながら、48000円の一番安いグレコのベースをローンで買ったのを覚えています。技術の問題のせいか、今みたいな「安くてそこそこなギター」というのはなかったですね。

その代わりと言っては何ですが、無茶苦茶高いのもなくて、私の記憶では、グレコの15万のレスポールが最高級品でした。

当時は為替レートが1ドル210円ぐらいだったかな? ギブソンレスポールは30万円以上してて、初めから「欲しい」とすら思っていませんでした。(触ることはもちろん、見ることもほとんどありませんでした。
余談ですが、楽器の展示会みたいなのに行ったことが一度あって、そこで初めてマーシャルに触りました。ゲインとマスターボリュームが付いてるアンプを初めて見て、ちょっと音を鳴らして、「なんじゃこれは!」と感動した記憶があります)

そういう感じなので、さすがに「当時の5万のギターは今の30万」というのはウソだと思います。6万のギターを、結構な数の高校生が持ってたんですから。それがほんとなら、今の高校生がギブソン持てちゃいますやん?(「けいおん」とか「ぼっち・ざ・ろっく」の女の子は、何故かギブソンのスタンダードとかカスタム(!)とか持ってますけどね)

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