冷凍しておいたなんかの過去

今日は、良い日だった。
札幌で初めて、
面白い話ができる人と出会ったのかもしれぬ。
そしてその人の話を思い出したらなんだか涙が出た。

+  +  +

きっかけは、いつも私の授業を受けにくる大学在歴の長い落ちこぼれ・・・もとい
教壇から見ると大人しいのに異様に目立つメガネの学生・・・
最初は青緑の髪の毛。まだ単位揃わないの。しかしそれには色々事情というものがある(ようだ)。
それはおいておいて、
ともかく、彼はいわゆる美大生である。

彼の作品が展示されるというので行ったのがある小さな展覧会だった。
そこでなぜか私は、買ったこともなければ買おうと思ったこともない
”アート”・・・つまり彼の版画を買ったのだった。

そんなような、北海道の埋もれたる、まだ磨かれていない、そんな才能を発掘している方がいる。
アートディレクター、もしくはプロデューサー?
つまり開催者であるその方とちょっと話をしてその日は去った。

そのあと同様の展覧会に行ったか?行かなかったか?いや、行ったなあ。
わからないけど何度かその方にはお会いして、時は過ぎ、私の所属する学部の卒業生たちの卒展にて。

突如現れた不思議な、白髪のおかっぱに真っ赤な手作りマフラーの女性。同じ真っ赤な色のダボパンツを履いていた私にまっすぐ向かってきて言う、
「あなたの作品どれ?」
「いえ、私は教員です。」
「えー、あなた教員なの。」
そこから話が展開し、不思議な不思議な宇宙の話やなんやかんや。
話しているうちに現れたのはかの、プロデューサーだった。

そして、その女性を知っているらしい。
なんたる偶然。

そこから3人で盛り上がって立ち話すること小一時間。他に客はほとんど来なかった。
そして女性が手作りの宇宙グッズを今度作って、いただけるということになった。
名前も知らないその人が、どうやって私にそれを渡すかというと、
プロデューサーのやってる展覧会に渡しに来るとおっしゃって。

またまた時は少し経ち、それが本当にやってきたと連絡があった。

そして、緑の頭の学生くん、彼がはじめて個展をするとのこと。
そのついでにお渡ししますと。

そんなわけで個展に行ってきた。
個展に行く前に、タイミングがちょうど合ってプロデューサーとお昼をご一緒した。

不思議なものである。

若い頃の、挫折と・・・そしてその経験につながって来る今。
その方の、人を見出す力によって、さまざまな若いアーティストに
出会ったという話を一通り聞いて、
彼は私に言った。

私とは前から話したかったのだと。
そして、私には、何か冷凍した色々なネタが保存してあって、
それが一通り調理台の上に揃った時、作り出せる。
なんとなく、それが準備されているそんなエネルギーが出てますよ。

そしてそのうち、はい私大学辞めました。今こんなことやってます。
そんな感じになるかもね?

・ ・ ・ ・

ほう?

えーっと、私はそんな違和感なるオーラ的なものを出しているのか。
今の大学のシステムの中の、なんとなく窮屈な思いはバレてしまっていたのか。
それはずっと変わらなかった。
ただ、私の母校ではそれは無かった。あの頃の自分とは一体どんな感じだったのか。

わからないけど今は不自由だ。そう感じている。
自分の中で自由に羽ばたきたいと思う何か、
しかしそれは年齢的に大っぴらにするものじゃない。
もう夢見る年ではなく、行動に移す時であり、
夢みがちな詩を書くのではなく、もっと明確な何かを作り出す”べき”だとか。

いや待てよ。書きながら気づいたが、
意外と自分の年齢と、職業と、色々に、縛られているんじゃないか。

若いキラキラした学生たちの作品。
毎日毎日目にしている。
彼らの夢見がちな目と夢見がちな絵と・・・
カラフルな髪と。
それが突然卒業近くなるとみんな黒くなり・・・・

なるほど私は今日もなぜかは自分でもよくわからないが、
あるいは、”付き合い”の意味合いも少しはあるのかもしれないが、
その学生くんの作品を買ってしまった。
帰りに、彼の中には、私に似たものがあるのだなと気づいた。
全く違うのだけど、何か共通する何か。
そんなものを感じてかすかに思い出せそうな何か。
・・・

そして私が購入した作品名は、家に帰って思い出したのだが
私がかつて自分の色々な雑多な写真とか詩とかそんなのを描いて載せてた
ホームページのタイトルと同じだった。




今日はここまでしか書けなかった。
続きは今度(書けるのかな)















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