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syamuさんが使っていたデジカメについてカメラ好きが解説!···はっきり言うと動画に向いてないカメラだ!

・2024年4月 最近syamu動画が個人の肖像を理由に相次いで削除されているため、この記事の個人の肖像を隠しておきました。

わたくしはカメラが好きなのでsyamuさんが使っているIXY 140が気になってしまいました。今回はIXY 140についていろいろと調査したので解説したいと思います。
はっきり言ってしまうとIXY 140は全く動画向きのカメラではないし性能も低いので、こんなカメラを発売直後に(おそらく)新品で購入したのは失敗といえます。

IXY140のスペック

発売日2014年2月20日
1/2.3型CCD 2050万画素(総画素) 2000万画素(有効画素)
焦点距離 24mm~240mm(10倍ズーム)  F値 F3~F6.9
静止画撮影枚数 230 枚
動画連続撮影時 約1時間50分
液晶モニター2.7型 23万ドット
動画撮影サイズ 1280x720 フレームレート25 fps
音声 モノラル

あまり面白みのない典型的なザ・廉価デジカメといったスペックです。カタログの後ろの方にひっそりと掲載されているタイプの機種でしょう。
上の説明では映像エンジンDIGIC 4+を搭載とアピールしていますが、2012年の機種ですでにDIGIC 5を搭載した機種が出ているのに旧タイプ映像エンジンを搭載しているあたり力の入れて無さを見てとれます。

・非常に残念な動画撮影性能

syamuさんはyoutuberということで動画撮影能力に注目したいのですが、動画の撮影解像度が1280x720と非常に残念です。フルHDですらなくただのHD画質です。
syamuさんがデジカメ購入前に使っていたガラケーF-09C(2010年6月発売)ですらフルHD動画が撮影できますので2014年のデジカメで解像度1280x720というのがいかに残念かがわかると思います。
解像度はガラケーに負けていても画質はデジカメの方が上ということもあり得ますが、この機種に関してはしょぼいレンズと小さいセンサーに無駄に2000万画素も詰め込んだものなので画質も期待できません。
一応syamuさんはwebカメラの機種選定時に「フルハイビジョンはうちのPC環境でカクカクすると思うんで、まハイビジョンまでかな」と言っているのでHD画質で撮れればOKだったのかもしれません。
動画の解像度も残念なのですがフレームレートが25fpsということで一般的な30fpsにちょっと届いていないのも残念ポイントです。
音声も廉価デジカメらしくモノラルです。

そもそもIXY140は動画撮影性能をアピールしていない機種なので仕方ないといえばしかたないのですが、このカメラは撮像素子にCCDを使っているのでそもそも動画に向いていないのです。
デジカメの撮像素子は昔からCCDが使われてきたのですが、2010年くらいにはCMOSの性能がよくなりこちらが主流になってきました。このCCDというのはCMOSに比べて読み出し速度が遅く消費電力も多いので動画には向いていません。

別名が多すぎてなんて呼べばいいのかわからん現象が発生してしまう

さらにCCDだと動画撮影時に画面内に明るいものがあると光の帯(写真用語でスミア)が発生してしまうという弱点があります。ホテル浦島の動画で発生していたあの現象ですね。CMOSならこの現象は発生しません。
一応CCDにも利点はあって全画素一斉露光なので被写体が激しく動いても画面がゆがみません。CMOSだとライン状に読みだしていくため動きが激しいと画面がプリンのようにプルップルシテルゾとなってしまいます(一般的にこんにゃく現象という)。ただしsyamu動画では固定撮影が多いのであまり関係ありません。

・設定できる項目の少なさ

カメラ好きだけかもしれませんがIXYシリーズはオートメインの初心者向けカメラなのでマニュアルでの設定ができず意図した撮影条件を選べないというがっかりするところがあります。
たとえば動画撮影ではピントやシャッタースピード、ISO感度はオートになってしまいマニュアルで設定することができません。
そもそもIXY 140は絞りが2段階しかないのでマニュアルでいじる楽しさもそんなにないですけどね。
絞りが2段階だと動画に向いているとされるフレームレートの半分くらいのシャッタースピードにできる条件が限られてしまうので残念です(感度で調整すると画質が悪くなる)。さすがにこれはこの値段のカメラに求めることではないのでしょうがないでしょう。
一応IXYでも露出補正やホワイトバランス、露出固定、ピント固定くらいはできた気がしますがsyamuさんがそれらを活用していた形跡は確認できません。


逆光により空き巣感が増してしまったsyamuさん

Pasco超熟のレビューでも露出をプラスにして固定しておけばもっと明るく撮影できたはずですが、IXYくんは背景の空に露出を合わせてしまっているのでシルエット動画になっています。
露出の問題以前に逆光という時点でダメだし、捕食シーンがきれいに見えてもしょうがないのでこれはこれでよかったのかもしれません。

なぜか欧米式の日付表記。説明書によると日本式表記もできる。

syamuさんがカメラの機能を使いこなしていない例としては日付を画像内に入れていることもあげられます。
デジカメで撮ったJPEG画像にはEXIFという情報がセットで入っており、そこに日付の情報もあるので画像内に日付を入れたい場合は編集ソフトでEXIFの情報を参照して入れるべきなのです。画像内に日付を入れてしまうと日付がとかぶった部分の画像データが失われてしまうためよろしくありません。あとから日付を消すことも動かすこともできなくなります。
もちろんパソコン操作が苦手な人のためにデジカメ内で画像に日付を入れる機能が用意されているのですが、「パソコンなんて簡単でしょ」という人ならデジカメ内で日付を入れずに後から入れるべきです。
そういえばsyamuさんは動画の場合はちゃんと編集で撮影日を入れていますね。IXY 140には動画内に日付を入れる機能がないので編集で入れているのでしょうけど、そもそもyoutubeにアップするにあたってなんで撮影日やら収録日やらを明らかにする必要があるのか謎です。アリバイかなんかのつもりなのでしょうか。

・レンズは暗いけど画角が広いのはグゥ~↑グゥ~↓グゥ~(絵文字略)

レンズは安いデジカメにありがちな暗いレンズで、室内では感度が上がって画質が悪くなりがちです。さすがに2014年の機種というだけあって光学式の手振れ補正はついていますが、固定撮影の多いsyamu動画ではそれほど活躍していません。
画角は広角が24mmスタートなので割とワイドに撮影でき、syamuさんの狭い座敷牢での撮影にぴったりです。安いデジカメだと広角28mmや、もっと狭い35mmスタートなんてことも多いので広角24mmはこのデジカメで唯一ほめられる点と言えます。ただこの値段で広角24mmからの10倍ズームだと光学的に無理してるな~って感じであまり画質は期待できないですが・・・

24mmからとはいえ10倍ズームなので望遠はそれなりに効きますが、syamuさんの動画で望遠をまともに使ったのはセミ動画くらいでしょうか。ホテル浦島のように意味もなくズームするのは見づらくなるためあまり良い撮影方法とは言えません。
動画撮影中にズームするとウィーンという音が入ってしまうのはご愛敬。動画撮影を重視してるカメラならもっと静かでスムーズなんですけどね。
岩間さんの使ってたIXY 220F(2012年2月23日発売)のジジジジジジ…という音(通称:カルトズーム)よりはだいぶ音が小さくなっているのでレンズ駆動メカの進化を感じます。

・解像度の低いモニター

液晶モニターが2.7型23万ドットというのも2014年のカメラとしては解像度が低いです。肉眼でドットがわかるくらいの粗さでしょう。
食品レビューで商品のパッケージをデジカメのモニターとオーバーグラス越しに見ているsyamuさんが誤読してしまうのも納得がいきます。

「も」と「右」、似てるといえば似てるが・・・

まあ普通は誤読に気づいて訂正するんですけどね、初見さん。誤読してもそのままなあたり、ほんとに何も考えずただ読み上げてるだけということがわかります。

約23万ドットというのは、光の三原色の赤緑青3ドットで1画素なので約7万6000画素ということになります。スタンダード画質640×480の約31万画素よりかなり低い画質です。
さらにIXY 140のモニターはアスペクト比4:3のため16:9のHD動画撮影時にはさらに表示領域が小さくなってしまいます。また、撮影時の動画の表示解像度がモニターの解像度より低い機種もあり、もっと解像度が低かった可能性もありますがこれについてはIXY 140実機を見ないとわからないのでなんともいえません。
ちなみに私が使っていたCX1というデジカメは2009年3月発売の機種にもかかわらずの3型92万ドットの液晶を搭載してあり写真の再生は非常にきれいでした(撮影時は荒い表示だった)。

・電池の持ちは普通

続いて電池の持ちについてですが、撮影枚数230 枚と普通の電池持ちです。
この撮影枚数というのはCIPA(カメラ映像機器工業会)の電池寿命測定条件によって測定された条件であって、30秒毎に1枚撮影、撮影するごとに広角から望遠までズーム、次の撮影では広角側までズームアウトの繰り返し、2回に一回フラッシュ発光など割と厳しい条件で測定して230枚ということなので普通に撮影すればもっと撮れるはずです。
動画の撮影時間については連続撮影で1時間50分撮れるようなので、十数分の食品レビューなら何度もリテイクできますし、一時間無料のクポーンを使ったカラオケ動画も余裕で撮影可能です。
syamuさんはカメラの電池切れで復活後2回目の食品レビュー(小岩井生乳100%ヨーグルト)が中断されたり、セミの撮影中にちょうど電池が切れかけたり(何がちょうどなのか?)、冷凍餃子のパッケージをカメラの電池が切れそうという理由で高速で紹介したりとなぜか頻繁に電池切れを起こしかけています。IXY 140の電池持ち自体は悪くないのになぜこんなに電池切れになってしまうのでしょうかね。不思議ですねー。
syamuさんはオフ会の動画を撮影することについて「その日デジカメのバッテリーフルにせんといけんなー。えー大変ですねー」と言っているので、手回し発電で充電している説まで登場するくらいですが、そもそも撮影前に充電しておくという概念がないのかもしれません。バイオ4でも銃の弾が切れてからでないとリロードしないという謎の縛りプレイをしていましたし、先を見越して準備しておくことができずに問題が発生してから対処しているようにみえます。
無理やり擁護すると、syamuさんくらいの世代だと電池イコール使い切ってから充電するものという固定観念があるのかもしれません。ニッカド電池や古いニッケル水素電池は使い切ってから充電しないとメモリー効果といって電圧が低下して結果的に電池持ちが悪くなるので、昔は「電池は使い切ってから充電しましょう」と言われていました。これを守っているのなら中途半端に電池残量が残っていても使い切ってからでないと充電できないので、充電せずにそのまま使ってしまうことを説明できます。
まあIXY 140の電池はリチウムイオン電池なので継ぎ足し充電しても特に問題はないんですけどね。というか今は使い切らずに充電するのが当たり前すぎて「継ぎ足し充電」という言葉が死語になっている気がします。

充電さえしていればこの悲劇は避けられた!?

syamuさんが充電をきちんとしていたもしもの世界を想像してみると、当初の小岩井生乳100%ヨーグルトレビューではブルーベリージャムではなく井村屋のぜんざいを付けていたそうなので、現存する動画のブルーベリージャムをすくうためにスプーンをなめるシーンは存在しなかった可能性が高そうです。
冷凍餃子も電池が切れそうでなければパッケージの「油なしで焼ける!」をきちんと読んで油を使わず調理していたかもしれません。ただあのフライパンはコーティングがはがれていそうなので正しく調理しても焼き餃子ではなく“水餃子”になりそうですが・・・。

IXY 140、カスゴリor焼肉が購入した説

syamuさんがデジカメを購入したのが2014年3月7日とされていますがIXY 140の発売日2014年2月20日からすぐなので、中古ではなく新品で購入したと考えられます。発売時のキヤノンオンラインショップの価格は16,800円(税抜)ということで電気屋だともうちょっと安かったんじゃないかなと思います。
このころのデジカメは発売から一年もたつと平気で半額くらいになってしまうので、こんな低性能なデジカメを発売直後の高い値段で買うのははっきり言ってしまうとアホです。新製品についている機能がどうしてもほしいとかでなければ同じ値段で1~2年前のミドルクラスのデジカメを買った方がお得です。さらにIXY 140の場合は数年前のミドルクラスデジカメより性能が低いのでなおさら発売直後に買う意味がありません。
問題は誰がこの機種を買った、というか選んだのかということなのですが、syamuさんはwiiのソフトやPS3について「中古で○○円で高いですねー」なんて言っているくらいなので新品でこんなに性能の低いカメラを買うとは考えにくく、カスゴリか焼肉あたりがふらっと電気屋に行って店員に言われるままに買ってきたという可能性もあると思います。
一応syamuさんはHDとフルHDの違いくらいはわかっていたようですし、中古大好きsyamuさんが自分のお金で購入するなら中古で探してきそうと考えるのが自然ではないでしょうか。
(2024年1月追記 wikiによると「ついにデジカメ買ったぞ!」という動画が2014年3月9日頃に投稿されていたもののロストしてしまったようです。おそらくデジカメについて語っていただろうので次の一文は取り消します。しかし貴重な動画がロストしてしまったなあ。)
webカメラについては、C910を手放したことを後悔していることやC920とC615で迷って最高画質じゃなくてもいいかとC615を選んだなどとだらだら語っているのに、デジカメについては性能や選択理由について全く語っていないあたりもsyamuさんがデジカメを自分で買っていない説を補強する材料です。
そもそもデジカメ自体がガラケーと交換で入手したとのことなので、親と一緒に携帯を解約しに行ったついでにそのまま電気屋に買いに行って、展示品の中から安かったこの機種を買った可能性も十分考えられます。
いずれにしても電気製品についてはそれなりに知識のあるsyamuさんがこの機種をわざわざ選ぶとは考えにくく・・・いや、syamuさんのことだし何も考えずにこの機種を買った可能性もあるわ。わからんわ。
親が買ったかsyamuさんが買ったか・・・どっこいどっこいですねどっこいどっこい。

終わりに

というわけでIXY 140については動画向きでもない低性能デジカメを発売直後の高い価格で買うというお金の使い方が下手な買い物だったと思います。
しかしIXY 140がどんなにしょぼいカメラであったとしても、あの大物youtuber、syamu_game氏の実写パートの大部分が撮影されたという大変偉大な功績をのこしたカメラであり、俺オナ民にとっては歴史に残る名機であると言えます。
カメラ好きだとカメラのスペックばかり気にしてしまいますが、IXY 140で撮影された動画でこんなにも楽しんでいることを考えるとスペックなんかよりどんなものを撮るかが大事なんだなと実感させられます。まあIXY 140について画質悪いとか動画に向いてないだとか言ってしまいましたが、なんだかんだHD画質ですし普通に見る分には十分な画質ですからね。もしIXY 140が激安で売ってたら私も入手してみたいです。


最後に、個人的に当時のsyamuさんにデジカメをお勧めするとしたらソニーのHX5Vを一番に挙げます。
当時価格コムとかよく見てたのですが動画重視のデジカメがほしいという質問があったらいつもおすすめされるデジカメでした。スペックも広角25mmからの10倍ズームで1920×1080/60iステレオ音声動画が撮れるという、2010年3月発売にもかかわらずIXY 140を余裕で上回る性能です。どれくらい人気だったかというと価格コムのクチコミが11270件もあるほどです(なおIXY140は46件)。そのクチコミによると2011年時点で新品が1万5000円くらいで売っていたとのことで、2014年に中古なら激安で買えたと思いますからお金のないsyamuさんにもピッタリだったでしょう。今さら言ってもしょうがないのですがこんな選択肢もあったよということで紹介してみました。