雨の夜が好きなんです。

目を瞑り、雨音に意識を集中してみる。

私の意識は窓の隙間を吹き抜け、

雨を伝って天へと昇ってゆく。

春にはまだ遠い、2月の夜。

私はただ、ベットに座っている。

私は確かに1人だ。

しかし寂しくはない。

心地良い雨音が私の体を包んでいる。

ふと、膝を胸に抱き寄せ、温もりに甘えてみる。

「雨の夜、1人でいるのは決して私だけではない。」

「私は、1人ではない。」

「私は私。それ以外の何者でもない。

私は私の体を抜け出せない。

私のままで、
何かにならなければならないのだ。」

この雨の夜空内側で、
皆が孤独を温め合っている。

そんな気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?