言葉の拾い集め。 小説とアニメが好きです。

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最近の記事

一生立ち直れないこと。

誰にだって、一生立ち直れないことはある、と思う。 私は、中学の部活動で嘘を付いた日からずっと立ち直れていない。 最後の夏の大会だった。 ベンチスタートだった私。4クオーター目。 相手には既に20点差をつけられていて、おそらくもう、負けが確定していた。 そんな中顧問に呼ばれた。「最後だから、試合、お前出るか?」 私の中にはたくさんの感情が渦巻いた。 もしここでちょっと活躍したらかっこいいかも、なんて甘い妄想もした。 でも、その時の私の口から出たのは「足をさっき怪我

    • 雨の夜が好きなんです。

      目を瞑り、雨音に意識を集中してみる。 私の意識は窓の隙間を吹き抜け、 雨を伝って天へと昇ってゆく。 春にはまだ遠い、2月の夜。 私はただ、ベットに座っている。 私は確かに1人だ。 しかし寂しくはない。 心地良い雨音が私の体を包んでいる。 ふと、膝を胸に抱き寄せ、温もりに甘えてみる。 「雨の夜、1人でいるのは決して私だけではない。」 「私は、1人ではない。」 「私は私。それ以外の何者でもない。 私は私の体を抜け出せない。 私のままで、 何かにならなけれ

      • 人に好かれたくてしょうがない。でも誰も自分を知らないところへ消えてみたい。

        なんか、涙が出て死にそうになる時がある。 特に何かあった訳じゃない。 一緒に朝まで飲んでくれる友達。 心を動かされる映画に読書。 お気に入りの枕と布団。 度々仕送りをくれるお節介な母親。 今日も好きだと言ってくれる彼氏。 全部もってて全部幸せ。 それでも、全部投げ出したい時がある。 好きな音楽も好きな本も、大好きな人たちも。 全部全部投げ出してどこかに行きたい時がある。 全てを捨てて生まれ変わりたい。 私ではない私になりたい。 別の人になりたい。

        • INFJな私の本事情

          私は趣味が読書なのだが、小さな頃からどうも登場人物への感情移入が激しい。 もはや激しすぎるのではないかとすら思う。 例えば、生きて欲しかった人が死んだら、読み終わった後は放心状態。 もし学校で読んでいたならば、周囲の友達には絶対に話しかけられたくない。 その後に忙しい用事があるのも好まない。 「あの人は最後はどんな気持ちだったのか。。」 「あ、でも○○だったし、最後の最後は幸せだったのかな?」 なんて妄想に取り憑かれながら、ゆっくり夕方を散歩するのがいい。 そしてその日

        一生立ち直れないこと。

          あの頃、私は最強だった。

          高校の時、私は最強だった。 なんにも怖いものなんてなかった。 今みたいに、ふと、友達が誰もいないなんて思うことはなかった。 私ってひとりぼっちじゃんなんて孤独を思うことはなかった。 それってやっぱり、コントラバスがあったからなのだと思う。 私は高校生の時吹奏楽部だった。 それまでの小中はバスケ部だったのだけれど、 運動部の勝利の気持ちが、私には追いつけなかった。 私は勝つことにとっても無頓着で、 ただ気持ちよくシュートが打ちたいだけだった。 辛い練習が嫌いだった。 どんどん

          あの頃、私は最強だった。

          おじいちゃんへ

          今日あなたは、山を登り切り、そして私たちの手が届かぬところへ行ってしまった。 頂上からはどんな景色が見えましたか?めんどくさがりで、動くのが嫌いなあなたが山を登ったのだ。きっと、さぞ素晴らしい景色が広がっていたんだろうと思います。 でも、もう少し待って欲しかった。だって私はあなたのことを何も知らない。あなたは何も教えてくれなかった。何も教えてくれてないのに、山を登ってしまった。 あなたがどんな家で育ったのか。戦争中の疎開先の新潟は?仕事での辛さは?世界を旅する番組を見るのに

          おじいちゃんへ