" 音の短歌 "
竹林の
天から聞こえるカラコロン
風があつまり奏でるしらべ
音の無い
夜に気配を感じたら
南の空でかがやくシリウス
君がため
春か 惜し かで下の句を
若菜つむ君の一途もしらず
君がための短歌 のお話 ◇ ◇ ◇
小学校6年生のときのこと。
こども会の百人一首親善競技カルタ大会に出たことがある。今、市のホームページを見ると、今年も開催されていた。
地区の子供5~6人ぐらいが集まり、各家庭が持ち回りで家のお座敷を提供し、夜の8時から1時間、そこのお宅のお母さんが、読み手となって練習していた。
最初は子供のことだから、ふざけたり、騒いだりで当番のお母さんに叱られる男子がいたり。
でも段々大会が近くなると、子供たちは徐々に騒ぐこともなくなり、休憩時間(大体ミカンを食べていた)も早く切り上げた。そしていよいよもうすぐとなると、私を含めみんな、競技としてのカルタ取り訓練に真面目に取り組んでいたと思う。
が、しかし。
当日、母親付き添いで、大会前にみんなで市民会館で昼食をとった。緊張で誰も一言も口をきかず黙々と食べて、そして寒かった。
いざ本番、トーナメント初戦の相手チームは、小6とは思えないどっしりとした落ち着きがあった。座って見合うと、構え方からして違う。ガマガエルのような(ごめんなさい)低い姿勢。気迫で既に圧倒されており、実際始まると驚きの早さであちこちに手を出され、容赦なかった。バッシバッシとカルタを飛ばされ、あっという間に終わってしまった。
何が起きたか分からなかったミカン達。
家に帰って炬燵にもぐって寝た気がする。
その中の一人の女の子とは今でも友達。
彼女は、奈良県のこの辺りに住んでいる。
" 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 " 持統天皇
そういうわけで、小6で100枚の和歌を丸暗記した。百人一首のカルタのやさしい和紙の手触り、和歌、そして絵の美しさに惹かれていたので、暗記は苦ではなかった。
人間の一生の記憶の容量が決まっている、とする。100枚分の和歌で減らされた容量分、今後、ものが覚えられなくなるかもしれないという不安あり??
◇ ◇ ◇
競技カルタと言えばいち早くパシッをするために「決まり字」というものがあり、それはそこまで読めばもうそのカルタはあれに決まりだ!というものです。
中に上の句が途中まで同じで、下の句が上の句のひとことで分かれるという歌がいくつかあります。
その「決まり字」が6文字であるその中に、
↓ ここです
君がため ○ 春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪はふりつつ
↓ ここです
君がため ○ 惜しからざりし命さへ ながくもがなと思ひけるかな
両方とも有名な恋の歌ですが、私は上の和歌が好きです。習字の練習にも使っていました。
" 君がため春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪はふりつつ "
は、親王だった頃の光孝天皇の和歌です。平安時代、貴人が自ら野に出て若菜を摘むことは稀だったそうてすが、即位前の立場ゆえ出て行ったのではないかと言われています。
◇◇ まだ寒く着物の袖に雪がふり落ちるなかで、好きな人のために若菜( せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ は春の七草 );薬草を摘んで、その人の健康まで気遣っていた和歌だといわれています。
◇ ◇ ◇
「光る君へ」、録り溜めして、早く観たいけどなかなか時間がありません。溜まりすぎて録画スペース圧迫しています (>.<)¶"
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