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出会いの数だけ、好きになる。ライターは面白い 《企画メシ ライター部》

まぶしすぎる…。
8月11日(水)に行われた、ライター部のZOOM交流会で、私は戸惑っていた。

本職でライターをしていない企画生の方々が、「言葉が好き」「文章を書きたい」と口々に語っている。「言葉が好き」。果たして私自身は、そう思っていた時期があっただろうか。そんなことをぼんやり考えていた。

私はライターという肩書で13年生きてきたが、個人的に世間に投げかけたいメッセージはない。
それは、ライター=黒子という性質がそうさせたのかもしれないし、今となってはもうわからない。

だけど、広告のディレクションやコピーライティングの仕事は大好きで、生まれ変わってもこの仕事に就きたいと思う。
私が思うこの仕事の魅力と、世間から見た「ライター」のイメージ。その差は何だろうと、昨夜から考えている。
まだまとまっていないかもしれないが、この機会にnoteに書いてみた。


文章を書くのが好きor上手=ライターなら、私は向いていない。


大きな声では言えないが、いまだに泣きそうになりながら文章を書くことだって、少なくない。

正解がないから、つらい。でも私はこれも、ライターの魅力だと思っている。きっと一生続けていても飽きないだろう。

何より、自分の心を綴るのではなく、誰かの魅力を綴るのだから、妥協はできない。

大学卒業後に就職した広告代理店で、上司に最初に言われたのは「クライアントを好きになってね」という言葉だった。まだ若かった私はすぐには理解ができず、「媚を売ればいいのかな?」と思ったけど、もちろん違った。クライアントのいいところを探して、どうすれば人に伝わるのかを考える。そうすると、文章がもっとうまくなりたいと思うし、クライアントに関係がありそうな新聞記事や広告に目が向く。

新しいクライアントに出会う度に、好きなものや興味が増え、自分自身が成長したいと思う。
面白い仕事だと思う。

一番の魅力は、「出会い」。


広告業界やライターのたくさんの魅力から、私が思う1番の魅力は、「出会い」。
こんなご時世だし、ネットで調べたことから発展させる仕事もあるけれど、やっぱり自分の目で見て、耳で聞いたものにはかなわない。

どんな人の人生にも、必ずドラマがある。
それは、企業などの組織でも同じ。
人見知りの私はライターという仮面をつけることで、その人の内面を引き出す理由をもらい、ほんのひととき誰かの人生を疑似体験させてもらう。すると、自分の想像を遥かに超える思いや出来事が必ずある。胸が張り裂けそうな挫折も、そこから抜け出すための苦労も、そして今描いている未来も。人生のドラマに触れ、時には取材対象者の記憶の整理までともに行う。

全ての取材で深く話せるほどの時間が頂けるわけではもちろんないし、聞いた話を全て文章にできるわけではない。でも、うわべだけの文章と、深くヒアリングをした文章は深みが違うし、広告になった時の輝きも違う気がする。
「文章がうまくなりたい」と言いつつ、私たちはその人が一番輝く場所を見つけ、スポットを当ててあげるだけなんじゃないかと思うこともある。そういえば、高校時代は演劇部で照明を担当していたなと思いだした。

こんな風に仕事と向き合っていると、「取材を通して原点を思い出した」「一度は通り過ぎてしまった思いに気づいた」と言ってくれる人もいる。
私と出会ったことで、取材をされた人も何かを得てくれたのなら、私は本当に幸せだと思う。

13年間。出会った企業や人たちは数えきれない。

それでも、忘れられない出会いがたくさんある。そんな出会いの延長線上に、広告に出会う人の未来がある。

そう思うと、この仕事は辞められないなと思う。
生まれ変わっても、この仕事に就きたい。
だから、一生この仕事ができるスキルが欲しいと13年間思い続けている。

まとめ

恋人の好きな部分が変わっていくように、私の年齢やその時の気分によって、ライターに対して思う魅力は変わっていくのだと思う。
だから、数年後には違うことを言っているかもしれないけれど、私が今一番思うライターの魅力について書いてみた。

どんな物事にも光と影があるように、いい面ばかりではない。
クライアントのことを朝から晩まで考え、「これだ!」と思う提案をしても受け入れらないこともある。そうすると、長い片思いをしているような気持ちになる。学生時代みたいだ。

ある学校のパンフレットに、「好きを仕事にすると、人生が青春になるよ」というコピーがあった。
この通りなら、私はこの仕事のおかげで一生青春を謳歌できるかもしれない。

「言葉が好き」とキラキラした笑顔で語る企画生の皆さんに出会えて、ますますこの仕事が好きになった。本当にありがたい。
これもまた、出会いなんだなと思う。


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