正雅堂宗勇

歴史の中のニッチな話題を引っ張り出して書きます

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最近の記事

肖像画のみかた

近世日本の肖像画の多くは軸装になっていて、折あるごとに開いて床に掛けるように作られています。西洋の城館の廊下に飾るような油絵の肖像とは違い、床の間と言う神聖な空間の壁に飾る、=崇拝の性格を持っていたところが大きな違いです。 さて、その肖像画は、本人が生きている時に描かれたものでしょうか、それとも死後に追慕で描かれたものでしょうか それは肖像が向いている向きで判別できます。 自分から見て左(肖像とっては右)に向いていたら死後に描かれたもの。逆に自分から見て右に向いていたら

    • 伊達政宗の酒癖

      伊達政宗の茶事は、、、、当時の大名衆に大変恐れられていたとか。というのも、茶席に大酒が出て、亭主の政宗がこれを強く勧めるものだから、下戸の参客は大変疲れたようである。 そこへきて酒狂(酒豪?)とも恐れられた政宗である。逸話が多い。 2回連続で将軍秀忠の茶会を二日酔いで欠席し、遂には胃の薬効として秀忠から瓜が届けられてしまったとか。 酔って刀を江戸城内に置いて帰ったり。 これが面白い。 実は大名が江戸城内に入る時、刀の大小は玄関に預けるのがルールで、特別な儀式に限って小

      • 亀鶴姫410歳〜森家に嫁いだ将軍徳川秀忠の初孫

        加賀藩主前田利常の長女で、将軍秀忠とお江の方の初孫となる亀鶴姫は慶長18年(1613)3月9日に加賀で生まれ、森家に嫁がれます。 まもなく410歳のお誕生日を迎えます。 この玉手箱は森家と前田家の家紋がデザインされた亀鶴姫の婚礼道具でした。加賀藩主前田家のみが使用する加賀梅鉢紋を丸で囲んだ女紋としてデザインされています。今頃は雛飾りも出ている季節ですが、ちょうどその原寸大と言えるかもしれません。寛永5年(1628)、396年前に作られました。 松平姓の拝領までもう一歩だっ

        • ナポレオンの棺

          2021年5月5日はナポレオン没後200年の日。 棺を船から吊す、このドラマチックな絵画は、1840年のナポレオンの棺の帰還を描いたもので、時の国王ルイ・フィリップ1世が購入し、ヴェルサイユ宮殿に飾らせた作品である。 太陽王が好きな私はサンドニ大聖堂へは必ず詣でるけれど、ナポレオンの墓所にはあまり通わない。その墓所はアンヴァリッド廃兵院のサンルイ教会あって、地下をくり抜いた大きな空間の中央に大きな石棺が安置されている。 7重の棺と言われ、内訳は後ほど述べるとする。 セーヌ

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